見出し画像

すばらしい空の世界 【037 広島港(宇品)→呉】

11月に入ってからも、台風から変わった前線の影響でイベントが中止になったり…朝晩と昼間との気温差はいつものことだが、この時期とは思えない昼間の気温の日が多い。
もちろん真冬の様な寒い日もあり、その度に何を着るか悩む。 そうこうしながら、年末らしい気温に近づいてゆくのか…。

前回は、松山観光港からのクルーズフェリーで広島港に到着するまでをご紹介した。 今回はその広島港より宮島を経由して一周するランチクルーズと、呉港より一周する軍港めぐりの遊覧船をご紹介したい。
広島港10番のりばに、松山からの『シーパセオ2』が到着。 その隣りの9番のりばには、既にこの後お世話になる『銀河』が待機していた。

『シーパセオ2』のデッキより『銀河』を撮影。
松山方面にすぐ折り返すので、撮影は手短かに。

松山ゆきフェリーのりばの裏側(広島電鉄市内線の電停の近く)に、瀬戸内海汽船の事務所がある。 その建物の自動扉を入ってすぐのところに『銀河』の乗船受付がある。

乗船受付は、定期航路の発券カウンターとは
異なる建物。 この看板を目印に…。

まず団体利用のメンバーが案内され、その次に一般利用の案内となる。

9番のりばの先で改札…船内へと進む。
途中に、記念撮影のためのスペースがある。
『銀河』の航行ルート…往路は江田島と似島の間
(大須瀬戸)を経由する。 復路は、広島港に直行。

船内に入ると、すぐに売店がある。 『銀河』はもうすぐ引退となるので、記念グッズを確保する最後のチャンスになるかもしれない。

売店には『銀河』限定の、乗船記念グッズの他
オリジナルのレモンバターケーキやマドレーヌも。
階段を上がると、目の前がメインレストラン。
進行方向左側と右側とで、見える島が異なる。

予約者(代表者)をスタッフに伝えると、指定された座席に案内される。 折角なので、『銀河セレクトワイン』をオーダー。

着席すると、飲み物のお伺い。 カクテル・ワイン・
ビール・ウイスキー・日本酒・ソフトドリンクを用意。

着席すると、早速最初の料理が運ばれてくる。 13時30分に宮島港に到着するまでの間、オーダーした料理を堪能する。

『秋の前菜盛り合わせ』…右上:①・左上:②・
中央:③・左下:④・右下:⑤で、下記のとおり。

①:パインとココナッツのチーズボール
②:鹿ミートのタルトレット
③:小梅の生春巻
④:白身魚のエスカベッシュ
⑤:パテ・ド・カンパーニュ

パンは希望する分、プレートに乗せてもらえる。
バターが足りなくなったら、リクエストしよう。
進行方向右側に『安芸の小富士』が見えたら、
似島…手前に見えるのは、牡蠣の養殖イカダ。

似島(にのしま)は、周囲が16㎞、人口は400名程の広島市南区では、いちばん大きな島で釣りやサイクリングが楽しめる。 また『バウムクーヘンの、日本での発祥の地』としても知られる。
ちなみに『安芸の小富士』の標高は278メートル…登山道は整備されているが、低い山だからといって甘くみてはいけない。

スープは、『薩摩芋のポタージュ』。
独特の濃厚な薩摩芋の味が、印象に残る。
『サーモンのポワレ 焦がしバターソース』と案内
された。 メニューには『サーモンのロティ』とあったが…。
スライスされたフランスパンが、次に用意された。
正直なところ、バター1個ではもの足りないかも…。
右が弁天島(大弁天島とも)、左が小弁天島。
似島の西側にある、広島市南区の無人島。

ステージに立つ案内役の方が、窓から見える島の詳細などをテンポよく解説してゆく。

メインレストランには『明治時代のアンティーク
オルゴール』が用意されている。 もちろん現役。
『アンティークオルゴール』で使用する盤。
飛び出た箇所に触れると、音が鳴る仕組み。
記念撮影用の制服。 白色は、実際に使用されたもの。
赤色は…『還暦用』として、特別に準備したもの。
いよいよ宮島…厳島神社が見える。 片道のみ
乗船の方だけ宮島で下船し、すぐに出発する。
広島港に戻る場合には、宮島出港後にデザートが。
ティラミスは、『ギャラクシースタイル 2024』。
宮島で下船せずに広島港に戻る場合、希望者には
操舵室の見学と、機器設備類の解説を受ける機会も。
下が『航海灯表示盤』と非常時に使う装置など。
上が海上で船同士が通信するための『国際信号旗』。
三菱重工の江波工場などが見えてくると、
『銀河』のクルーズも広島港帰着まであと僅か。
『ロイヤルルーム』は3階にあるので、眺望は
抜群…20名程度の、貸切としての利用が可能。

宮島港を出発して60分…14時30分、広島港に到着。 15時10分の松山観光港ゆきのクルーズフェリーで、呉港に向かう。

松山とを結ぶフェリーは、ほとんど呉を経由する。
所要時間は45分と短いが、船旅の気分は味わえる。
石崎汽船の『翔洋丸』…僚船の『旭洋丸』とは、
建造時期の違いのみで船内の内装は一緒。
椅子席は、リクライニングシート。 もちろん
『シーパセオ』の窓側席と違い、靴を履いたまま座る。
ゴロゴロするなら、カーペットのある
スペースへ。 靴は脱いで下足箱へ。

呉港には、15時55分に到着。 呉港艦船めぐりの乗り場は、すぐ近くにある。 この日の『夕呉クルーズ』の出発は、17時35分…まだ時間があるので、近くの商業施設でお好み焼きをオーダー。
尚『夕呉クルーズ』は日没の時間に合わせての出港となるので、乗船当日の出発時刻は予めホームページなどで確認しておくのが望ましい。

余談だが…夜中に到着した広島駅ビルのお好み焼きの
お店は、出来るまで30分はかかるという混雑状況。

『夕呉クルーズ』の乗船受付では、関連グッズやお土産を販売している。 購入を希望される場合には、受付開始時間に合わせ手続きをして頂きたい。 艦船に興味のある方には、それでも時間が足りないかもしれない。


受付脇にある装飾。 中央左の国際信号旗は、上がU
下がWで『貴船の安全な航海を祈る』を意味する。

集合時間には列を作り、呉港中央桟橋よりスタッフの誘導に従い順序よく乗船する。

今回お世話になる遊覧船『くれない5』…
殆どの方が、2階のオープン席に上がる。
『くれない5』の1階席。 バリアフリーの
設備もある。 1・2階合計の定員は100名。

いよいよ出港…早速進行方向左側に、誰にも分からない様に戦艦『大和』が建造された呉海軍工廠の跡地が見え…その解説が入る。

戦艦『大和』が建造されたドックは埋め立てられ、
ジャパンマリンユナイテッド社の工場に変わっている。

その戦艦『大和』の建造で培われた技術…『ブロック工法』とは、予め各地の工場で造った部品を造船工場に運び…溶接で組み立てていく方法である。
ちなみに訪問時には、デンマークのMARSK(マースク)社の貨物船が建造されていた。

台船の上に載っているのが、各地で造られた部品。
建造する船の、工数の削減と工期の短縮に貢献している。

続いて紹介されたのは、海上保安庁のヘリコプター搭載型巡視船『せっつ』…夕日に照らされた凛々しい姿を写真に収めることができるのも、『夕呉クルーズ』ならでは。

海上保安庁所属の船が白く塗装されているのは、明らかに
海上保安庁の船であることを認識できる様にするため。

この後はいよいよ、海上自衛隊の艦船の紹介…各艦船の用途や装備を詳しく解説してゆく。 実際は停泊中の艦船を全部解説しているが、ネタバレになってしまうのでその一部をご紹介したい。

『しもきた』…『おおすみ』型輸送艦。 主な任務は
陸上部隊の輸送や、災害時の物資輸送。

海上自衛隊の艦船が地味なグレーで塗装されているのは、遠くから見た時に日本の水平線に溶け込む様な色だから…『低視認性塗装』とも。

『はたかぜ』…もともとは、ミサイル護衛艦であった。
現在は、新任の隊員の訓練を行なう練習艦。

艦船の次は、潜水艦…夕陽に照らされ黒光りする船体を、じっくりと観察してみよう。

潜水艦の後方に、飛び出ているのは舵。 手前の 
1枚舵が出ている潜水艦は『おやしお型』と呼ばれる。

旗の周辺に、続々と現れる隊員さん…船の先頭と後方に掲げている旗は、午前8時に掲揚し、日没の時間帯に合わせて降納する。 『夕呉クルーズ』では、そのラッパの吹奏(『ラッパ君が代』…国歌の『君が代』とは異なる)とともに旗を降納する場面を見ることができる。

ラッパの吹奏の45秒の間に降下・格納し、その旗は
絶対に落としてはならない…厳格に管理されている。

降納までを見届けた後、出発地に戻る。 電灯艦飾された艦船やランプのついた桟橋を観ながら、往路で解説した内容のおさらいと補足を…。

海軍の拠点となる前の呉はかつて『呉浦』と呼ばれ、
農業と漁業を主とした波静かな入り江であった。

35分間の『夕呉クルーズ』が終了し、呉港中央桟橋に帰着。 JR呉駅より広島駅に出るのも可能だが…高速バスの出発時刻まで時間がある。
隣りが広島港ゆきのクルーズフェリーのりばなので、再度広島港に向かい…広島電鉄の市内線路面電車に乗って時間調整をすることにした。

広島港ゆきは、石崎汽船の『旭洋丸』…短い区間では
あったが、両方のフェリーに乗ることができた。

今回は、休暇日数の関係で帰路に就いたが…可能であれば呉市内に宿泊し、『大和ミュージアム(呉市海事歴史科学館)』や『海上自衛隊呉史料館』を訪れたり『呉海自カレー』を試すのをおすすめしたい。
10月には『呉海自カレー・呉グルメフェスタ』が開催されるので、次回の計画はその前後にしようか…じっくりと考えたい。

◆前回の『松山・小倉フェリー』で21時55分に小倉港を出発し、今回の19時30分に広島港に戻るまでの21時間35分の間…フェリーまたは遊覧船以外の交通機関は、一切使用しておりません。
広島港・呉港・松山観光港への主要駅等からの交通手段は、こちらを参考にして頂ければと思います。
【広島港】
・JR広島駅より…広島電鉄(市内線)広島駅電停より『5号線:比治山下経由』の広島港ゆきの電車に乗車し、終点の広島港で下車。 
★『1号線(八丁堀・紙屋町東・本通経由)』の広島港ゆきは、遠回りになり時間がかかります
行先表示を、必ずお確かめ下さい。
・広島バスセンターより…広島電鉄(市内線)紙屋町西電停より『7号線』の広島港ゆきの電車に乗車し、終点の広島港で下車。
【呉港】
・JR呉駅より、徒歩およそ10分。 (『大和ミュージアム』の、すぐ近くです。)
★松山・広島方面クルーズフェリーのりばと『呉港艦船めぐり/夕呉クルーズ』ののりばとは、隣り合わせです。
【松山観光港】
・JR松山駅より…伊予鉄(市内電車)JR松山駅電停より『1系統:松山市駅ゆき』に乗車し、古町電停(こまち/2つ目)で伊予鉄高浜線に乗り換え〜古町駅より7つ目、終点の高浜駅で連絡バスに乗り換え(約2分)。
・伊予鉄松山市駅より…伊予鉄高浜線に乗車し9つ目、終点の高浜駅で連絡バスに乗り換え(約2分)。
★高浜駅から松山観光港まで、徒歩でもおよそ10分で到着できます。

参考文献等:                                                              
瀬戸内海汽船株式会社 公式ホームページ
石崎汽船株式会社 公式ホームページ
伊予鉄道株式会社 公式ホームページ
海上自衛隊 ホームページ
『呉湾艦船めぐり』 /『夕呉クルーズ』    
(有限会社 バンカー・サプライ)
『安芸小富士』(YAMAP 株式会社ヤマップ) 
『造船技術に革命をもたらした        
日本発の溶接ブロック工法』
(Sheetmetal ましん&そふと マシニスト出版株式会社)


いいなと思ったら応援しよう!