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すばらしい空の世界 【021 富良野〜美瑛】

暑い夏がやってくると、外に出ないでクーラーをかけて部屋の中で過ごすのが理想的だと思う。
だが敢えて爽やかな環境の場所に行ってみるという選択肢も、あっていいのではないだろうか。

ということで、前回の飯山線探訪より時系列としては遡るが…北海道・富良野のラベンダー畑をメインに、その周辺をご紹介したい。

旭川空港より向かうのが、アプローチとしては近いが…新千歳空港までLCCを利用する方やフェリーで北海道入りする場合は、一度札幌駅に出て直行の高速バスを利用するのが便利だと思う。 往復割引や回数券もあるので…有効期間内で往復される場合には、是非ご検討頂きたい。 
尚2023年の秋、市街地再開発事業に伴い…札幌駅バスターミナルが閉鎖となる。 その後移設されるバス停の位置については、札幌市のホームページに掲載されている。

札幌駅バスターミナルの上は、商業施設となっている。
閉鎖後はバス停までの冬場の歩道に、注意を払いたい。

 札幌を出発して、夏ダイヤでは2時間30分程で富良野に到着する。 宿に入り、明日に備える。
 翌朝は遠くに怪しい雲はあるが、基本的に青空…列車の出発が、待ち遠しい。

富良野駅のロータリー。 現在の石勝線が全線開通する
迄は、札幌と釧路を結ぶ列車も経由していた特急停車駅。
駅の待合室にある、そば・うどんのスタンド。 
列車の出発までの時間に、余裕をもって訪れたい。
ラベンダー畑のあるファーム富田の最寄りの駅に停車
するので、自由席は混雑する。 指定券は、お早めに。

あれこれ撮影しているうちに『富良野・美瑛ノロッコ号』が、ホームに入って来た。 富良野までの乗客が降りた後、いざ車内へ…。

富良野より進行方向左側の座席は、3名×2のボックス
シート。 窓側がA席→中央がB席→通路側がC席。
富良野より進行方向右側の座席は、窓に向かって座る
タイプ。 端から端までE席の2人掛けロマンスシート。
ディーゼル機関車は、美瑛方の先頭に立つ。 富良野に
向かう列車は、客車の運転室より遠隔操作で制御する。

いよいよ美瑛に向けて出発! やはり自由席は、相当な混雑…市民の生活の足となっている普通列車はラベンダー畑駅を通過するので、大多数が降りるのだろうと予想しているうちに23分で到着。
自由席の大半の乗客は入れ替わり、指定席も団体のツアー客が降りた。
車内では、沿線の情報を案内放送として流している。 美瑛駅に到着する前に『赤い屋根の建物』が紹介され、ノロッコ号は減速する。 ロマンスシートのE席側に見えるので、確実に撮影されたいならば指定席を購入しておいた方が良い。

富良野線の車窓からは、この様に見える。 よくポスター
などで見かけるのは、アングルも違えば畑の状況も違う。

ノロッコ号が美瑛駅に到着した後、速やかに折り返しラベンダー畑駅までの指定券を調達する。 逃したら、次のノロッコ号まで待たなければならない。 時間との闘いである。

美瑛駅で出発を待つノロッコ号。 ちなみに発車間際
での発券だったので、ボックスシートしか無かった。

お約束通り、再び『赤い屋根の建物』の近くを通過。 スマホやデジカメで一斉に撮影が始まる。
車内が落ち着いたと思った頃に、ノロッコ号はラベンダー畑駅に到着した。

駅舎は無くホームのみ存在する駅だが、
ファーム富田の最寄駅のため乗り降りは多い。

駅を降りると、道案内の看板が設置されているのは有り難い。 もっとも、降りた乗客の後をついて行けば…ほぼ確実に到着する。

駐車場には、物凄い数の観光バス…タイミングが合えば
ツアーに参加した方が、諸々の手間が省けて良いと思う。
メロンのPOPが見えたので、行列に並んで購入。
自然に囲まれた中で頂くメロンは、また格別。

腹ごしらえが済んだので、ラベンダー畑へ…。 斜面に植えられているので、奥まで行くなら坂道を延々と登らなければならない。

坂の途中より、奥に向かってカメラを構える。
ラベンダーの見頃になる畑は、時期により異なる。
別のラベンダー畑を、斜面を強調したアングルで…。
7月上旬に行くと、精神的に落ち着く香りが漂う。
ラベンダー畑より東側…十勝岳の方向を望む。
綿菓子の様な雲が…急な天気の崩れは、無いだろう。
ラベンダー畑の鑑賞を終え、『花人の畑』より十勝岳
方向を望む。 春から秋まで、色々な花が畑を彩る。

お土産を何点か購入し、中富良野駅まで徒歩で移動し普通列車で富良野駅に戻る。 その途中に『なかふらのフラワーパーク』もあるので、時間に余裕があれば立ち寄ってみたい。
30分程歩いて、中富良野駅に到着。 富良野方面行きの列車が、間もなく到着するとのアナウンスが流れる。 急いでホームに出て、切符は車掌さんより買おうと財布を取り出して列車を待つ。 
ディーゼルカーの普通列車と思いきや、やって来たのは『ノロッコ号』! ならば30分かけて歩かなくとも、最寄りのラベンダー畑駅まで行けば結論は同じ。 時刻表はたとえスマホに入れていても、直ぐに見ることが出来なければ意味が無いと思った次第である。

◆今回ご紹介した『ファーム富田』以外にも、現在はいくつかラベンダー畑が存在し…周辺の自治体も含めて『ラベンダーの街・富良野』を形成しております。 シーズンになると多くの観光客が訪れ、物凄く賑わいます。
実はその様なラベンダー畑にも、悲しい歴史があります。 
1970年頃までは、各地で香料として栽培されていたラベンダー…ところが合成香料や輸入香料の出現により、最盛期よりたった3年で香料会社がラベンダーオイルの買い上げを中止するという事態に追い込まれます。 その頃にはラベンダー畑での栽培も、富良野周辺のみとなりました。
ファーム富田の敷地内にある看板には『化粧品香料としての栽培がたちゆかなくなった1975年 家族の悲痛な思いで潰す決心をしてトラクターを畑に乗り入れたが ラベンダーが愛ほしくてどうしてもつぶすことはできなかった。』と記されております。 
その後富良野のラベンダー畑が、観光ポスターとなり…その風景の美しさゆえに、現在に至るまで多くの観光客を魅了してきました。
先程の看板に『苦しくてももう一年、その年に癒しの植物として みて楽しむ花としての運命の扉を開く奇跡が起たのです。』と続けられております。
事業にせよ勤めにせよ…終わりにするという決断は、それと同時に築き上げた人脈や信頼関係を潰すことにも繋がります。 最終的な決断をする前によく精査をして、踏みとどまる勇気も大切ではないかと思います。 一度潰してしまうと、殆どの場合元に戻らないことが…少なくとも自分の周りでは多いのです。

◆参考文献等                    
『ファーム富田の歴史』:ファーム富田ホームページ 
『富良野・美瑛ノロッコ号』:JR北海道ホームページ

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