最愛の人の代わりの人形を愛でたオスカー・ココシュカ
狂気の画家。
最愛の人を失い、彼女の代わりの等身大人形を人形師に作らせ、着替えをさせ一緒に外出し、一緒に晩餐を楽しみ、散々愛でていたのに最後は集まっていた仲間たちの前で発狂し、人形の首を切り落としてしまう。
もうこれだけで耽美、と当時は思ったのよ。
きっと人形は美少女的な容姿に違いないと。
当時はネットが身近になかったから詳しく調べるのも容易じゃないので、私の中では美しいままで終わっていた物語。
ところがネットで簡単に調べることができるようになってみたら、妄想がこっぱ微塵に砕け散りました。
人形とは美しくて可愛いくて、もう眺めてるだけでいい…って溺愛したのだろうと想像していたのに、写真の人形は
なんか肉。
全身セルライトみっちり。
ココシュカは1980年に亡くなったので絵画はまだ著作権保護期間で載せられないけど、写真ってどうなんでしょう。やめとく。
ココシュカは見た目より触り心地重視だったようです。
人形師に「こんなの作って」と説明するための絵も描いてますが、これはもう
なんか部分肉の説明。
と思ったら本当にそうで、詳細にお肉の説明や指示をするために描いたんだそう。
すごすぎたのでちょっと私が描いてみました。
内臓まで描いてるのかと思ったけど、どうやら見た目のお肉の説明だったらしい。
モデルとなったアルマ・マーラーは怒らなかったのでしょうか。
人形をお迎えしてからは「人形とボク」みたいなツーショットの絵を数枚描いたようです。
ちなみに私が描くとどうしても顔が「カイジ」になってしまうアルマ・マーラー。すまないと思ってる。
アルマは彼の独占欲や嫉妬心に耐えられずさっさと別れて違う人と結婚したので、ココシュカの奇行はアルマ的には想定内だったのかもしれませんが
自分の代わりの人形がこの世に存在するとかどうよ。この頃も普通に生きてますよアルマ。
ココシュカの「絵筆を持つ自画像」
顔色が悪く、面長。やせぎす。
髪はぴったりとなでつけて、きちんとしている感じ。
目だけがギョロリとこちらを見ている。
漫画に出てくる神経質な執事っぽい。
恋人が病気か何かで亡くなって、寂しくて人形を作って過ごした美しく哀しいお話のはず
と大いなる勘違いをしていた上に
今は自分が描いたカイジの顔したアルマで大爆笑してます。
耽美は?
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