小顔矯正やコルギが医学的根拠に基づくと危険な理由

小顔矯正やコルギを知っていますか?

最近流行っている「小顔矯正」と「コルギ(骨気)」は小顔にすることを目的にした美容系の整体になります。
国家資格を必要とせずに素人から民間資格で施術できるのですが、医学的根拠から見ると大変危険な内容や効果の是非が問われるところになります。

小顔矯正やコルギで骨格は動かない

まず大前提として顔の骨は動きませんと
美容整形を生業としている高須院長や
2016年に消費者庁が発表しております。
では、なぜ動かないのかを具体的に説明します。

縫合は複雑に噛み合わさり強固な靭帯やコラーゲン繊維に覆われている。

小顔矯正やコルギで動くと言われている頭蓋骨の縫合部ですが、この部分はギザギザになっており上下に複雑に噛み合っています。
そのため単純な垂直圧で動かせる関節面ではないのです。
更には縫合部の間には強固な靭帯繊維やコラーゲン繊維に加えて、骨化も見られ髄膜などと固定されるためのシャーピー線維などがあります。
仮に縫合部が動くとしましょう
そうすると髄膜も動くことになりますよね?
その結果、髄膜に強い力が加わると「髄膜炎」などになる可能性だってあります。
頭蓋骨を動かしては行けない理由の1つとして
「赤ちゃんの頭を強く押してはいけない」
という話があります。
これは三歳までの間だと頭の骨が完全にくっついていないため、大泉門や小泉門といった隙間から脳に影響を及ぼしてしまうためになります。

しかし、現実には小顔矯正やコルギに行ったからと言って脳にダメージがあったという報告は見かけません。
それは頭蓋骨が動くという事実がないために問題が起きていないのです。

縫合部を動かそうとして行う強い刺激も問題に

プリューゲル・アルントシュルツの法則という生理学の法則があります。
強すぎる刺激は細胞の機能を妨害・停止させてしまうということ。
そのため、筋肉に強すぎる刺激が入ると機能が停止します。
機能が停止し筋収縮と弛緩ができなくなった筋肉は細胞で生成するATPというエネルギーが不足します。
筋肉にこのエネルギーが不足すると「凝り固まり」ができます。
そのために一時的に筋肉が引き締められて小顔になります。
更に強い圧力により筋肉より血液が抜け出し、周囲の皮下部分から水分が移動するためにスッキリした顔になりますが、筋肉が回復するにつれて小顔状態は戻っていってしまいます。

美容鍼との違い

鍼治療は「悪い所を元に戻す」という効果があります。
そのために日々の日常で悪くなってしまった結果
顔のトラブルが起きてしまったものを戻すことで
小顔や美顔にしていきます。

それに対して小顔矯正やコルギは筋肉の機能を停止させることにより
凝り固まりを作ることで小顔にしていくため美容鍼の治療効果とは相反しています。

最後に

小顔矯正やコルギが悪いと言っているわけではありません。
筋肉を痛め続けて凝り固まりを作り続ければ小顔になるので目的は達成出来ています。
「うちは優しい小顔矯正なので筋肉は痛めません。」と言っているようなところだと
縫合部は硬い上に筋肉の層でのブレが存在するので優しく小顔矯正するのは不可能ですし、骨格は動かないのでフェイシャルマッサージなどと大差はありません。

選ぶのは個人の自由ですが
美容整体については
インフォームド・コンセントや
医学的根拠による検証などがない上に
根拠がほとんど曖昧なものになっています。
結果として「詐欺まがい」のものが横行しております。
そういったものに惑わされないように
ある程度の知識を持った上で自分に合う小顔になれる道筋を見つけるのがオススメです。