“腹を割ったら血が出るだけさ”の読書感想文
私の大好きな住野よるさんの小説。
住野よるさんの本はほぼ全て読んでいるくらい好き、いや、とぅき。とぅき、とぅき。
膵臓に始まり、この内臓えぐる系の題名がまた興味をそそられます。これを読んだら、この題名の意味もまた分かってくるでしょう。誰ワタシ笑
さてさて、この本を読んだ感想。
この物語の主人公はね、自分に仮面を被せて生きていて、そんな自分が嫌なんです。相手の期待に合わせて言葉を選ぶとか、表情やキャラを作るとか。
私も含めて多くの人にある感情ですよね。本当の自分はこんなじゃないのになー、って思いながら知らず知らずのうちに自分に蓋をして生きている感じ。
それが良い悪いとかじゃなくてね。
仮面も被ってないと人間はみんな獣になりそうだから、仮面を被ったり、外したりすることも良いことだと思う。
仮面を被る理由って、相手にこう思われたくない、嫌われたくない、変だと思われたくない、ダサいと思われたくない、とかこういうもの。相手の気持ちを気にしているようで、自分を守ってるだけの自己ちゅーな感情なんだけど、、みんなありますよね。
私ももちろん。
傷つきたくないもんね。
本当は、自分を守るだけじゃなくて、相手の感情も守ってあげれたらいいのにね。
ちょっと話ずれたけど、この主人公はあるとき憧れの人に、本当の私はこんなんじゃないの!本当の私は人と話すのも苦手で、もっと嫌な人間で、、。って勇気を振り絞って伝えるんです。本当の自分を知ってほしくて。
でもその憧れの人はね、そんなことないよ、君はこんなに社交的で明るくて、自分を持ってて強い人間だよ!みたいな感じで、励まし?の意味も込めて言ってしまうんです。
ここで主人公はどう思ったか。
がっかりして、とても傷ついたんです。傷口に塩を塗られたみたいに。人はやっぱり本当の私をちゃんと見てくれない。やっぱり受け入れてくれない、って。
ここで私が思ったのが、励ましのようなポジティブな言葉でも、相手にどう伝わるかはやっぱりわからないんだなーということでした。
相手に対して、肯定しても否定しても、それは自分の物差しで測ってるにすぎない、自己ちゅーなことだなと。
お仕事中もクライアントさんには、そんなことないですよ、という言葉は使わないようにしています。相手がそう思っていることを、きっと勇気を出して言ってくれたことを、そんなことないですよ、の軽い便利な言葉で跳ね返したくない。
そうなんですね、そう思ってるんですね、そう感じたんですね、、、否定も肯定もされない会話ってすごく安心しますよね。
そんな安心感があると、腹を割っても血が出るだけだから大丈夫って思えるのかな。
なんか読書感想文になってないけど、こんなことを思いましたとさ。
住野よるさんの小説はぜんぶ、これ私のこと書いてる!?ってくらい自分と重なるから勝手に運命を感じて、新刊を毎回楽しみにしてます。
次はなにを書こうかな
みさと