知識+アドリブ力で、運動実践者を増やしたい
神楽坂のパーソナルトレーニングスタジオ&ピラティス スタジオ「Studio Hale」の代表トレーナー 嶋崎弘志さんのインタビュー。
ケガで出会えた「トレーナー」という天職
高校の野球部で腰を痛めたのが、トレーナーとの出会いでした。
整形外科の先生の診断はヘルニア。先生からは「治るまでの見通しはわからない」「安静にして、無理をしないように」と言われ、自分の体がこれからどうなるのか分からず、もどかしい思いをしていたときのことでした。
トレーナーの実習生として野球部の面倒を見てくれていたOBが、ピラティスに基づいた治療を指導してくれた。同じ「ケガ」なのに、医師とトレーナーでアプローチが違うということに感動しました。
身体を使わない、休ませるのではなく、柔軟性を高めコアを鍛える攻めの姿勢。取り組むべき課題と目標ができ、復帰に向けて前向きに取り組むことができるようになりました。
それまでは特に自分の進路を考えることはなかったんですが、このときのケガがきかっけで初めて「あぁ、トレーナーになりたい!」と強烈に思い、専門学校へ進学しました。
趣味は登山・ドライブ・涙活。「心が動く映画で泣くのが気持ちいい」
トレーナーとしての想い
念願の運動指導者として歩み始めて10年弱。志したときから変わらずに運動実践者を増やしたいという思いで励んでいます。
誰でも「キレイになりたい」「モテたい」「疲れない体が欲しい」という欲求は多少なりあるはずで、運動というのは、自己肯定感を高めることができるツールだと思うんです。
運動が苦手・嫌いという人も、日々の継続でカラダが引き締まって行ったり、肩こりや腰痛が楽になったりしたら、「オレもやればできるじゃん!」って自分を褒めてあげたくなりますよね。運動を味方につけて、心もカラダも健やかに過ごせる人が、どんどん増えて行ってほしいですね。
Studio Haleのオープンから2年。いまの課題は?
課題を感じているのは1対1のレッスンでの関わりに限度があることです。
「たくさんの運動実践者に触れられる!」と、ヘルスケアプリのベンチャーに飛び込んだこともあるんですが、お客さまとのインターネットを通じたコミュニケーションや接客に大変さを感じ、自分のスタジオを立ち上げました。
でも1日は24時間しかないので、「目の前のお客さまと深く長く付き合いたい」という思いと「運動を楽しむ人を増やしたい・広めたい」という思いが拮抗してしまう。これはパーソナルトレーナー誰にでも言えることだと思いますが、大きな悩みになっています。
一人ひとりのお客さまにゴールを設けず、長い人生の運動指導のパートナーとして歩んでいきたいので、どのような関わり方がお客さまと自分にとって最適なのか、引き続き模索していきたいですね。
僕一人の時間は有限なので、仲間を作ることにも力を入れています。
機能解剖、バイオメカニクス、エクササイズ、キューイング、パーソナルアプローチなど、基礎となる知識をしっかり詰め込んだうえで、それをどうお客さまに伝えるのか。
正しい知識を持っていることだけでは伝わらないし、伝えられない。僕自身も絵を描いたり比喩表現の引き出しを増やしたりの工夫をしていますが、後輩たちに知識の料理方法を伝授するのが難しいな、と思っています。
特に呼吸の大切さとか、正しいアライメント(骨格の配列)とかは、お客さまに重要性を伝えるのがとても難しい。猫背を治したい申告したのに「呼吸を治しましょう」って言われても、お客さまは戸惑いますよね。
プロの思う正しさと、お客さまの知識や希望には溝がある。学んだ知識を伝わりやすい表現にして、取り組みやすい目標にして提供する。後輩には、知識+アドリブ力を身につけられるように意識して教えています。
もう一つの課題と目標は結婚ですね!
人生の味方として家庭をきずいて一緒に歩いていける家族を持ちたい。人生も仕事も、同じ目的をもった仲間を増やして、並走していけると最高だな、と思ってます(笑)。
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