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マヤ長期暦と西暦紀元の関係

一昨日のKIN33に、『倫理研究所紀要』第33号が届いた。天文周期研究家で倫理文化研究センター専門研究員でもある高橋徹氏が送って下さった論文集で、そこに掲載されている徹さんの論文「マヤ長期暦と惑星周期の同期」は、海外研究者の新たな仮説なども紹介されていて大変興味深いのだが、今朝、その中に以下の一文を見出してハッとさせられた。

”グレゴリオ暦に対応させると、紀元前3114年8月11日から、紀元後の2012年12月21日にまでわたる期間がひとつ前の大周期で、現在は次の大周期に入って12年近くが経過している(2012+12=2024[年])。”

今日はマヤ長期暦の始まりの日から5,137年が経過した日に当たるのだ!

長期暦に関しては、13年前に出した『マヤのリズム』で詳しく触れているが、古典期の碑文に刻まれている様々な日付は、BC3114年8月11日(13.0.0.0.0 4アハウ 8クムク)を起点とする一貫したカレンダーシステムによって記されている(注:ただしその日付から実際の歴史が始まった訳ではない)。

新刊『自分で感じ、自分で決める13の月の暦』では、パン・ジャパン・ライブラリー(以下、PJL)のトップページにリンクしている「計算サイト」を紹介しているので、ぜひ、この機会に上記「始まりの日」についても実際に入力して調べてみてもらいたいと考えた。ところが、iOS対応の無料アプリKIN3DやMAYA3Dでは試したことがあったものの、私自身「計算サイト」ではその日付を入力したことが無いのに気づいた。

「人に紹介するならまず自分で試してから」ということで、実際に入力してみると、意外なことが明らかになった。何と「BC3114」を「-3114」と入力するようなプログラムになっていて、「0」年を入力すると、以下のようなメッセージが表示されることが判明したのだ。

”紀元BCの日付は-1から始まり、このページではグレゴリオ暦の0年は使用されません。日付は-1年12月31日から1年1月1日まで進みます。”(→注:英語原文をグーグルが日本語翻訳)

西暦紀元に関する説明としては何も間違っていないのだが、算術計算では「0」を省く方式では計算が成りたたなくなるので、KIN3D等では「BC3114」の代わりに「-3113」を用いる方式が取られている加えて、「始まりの日」以前は計算できないようになってもいるので、「-3114」と入力するとエラーになるのだ。

しかし、PJLからリンクしている「計算サイト」では、逆に「0」を入力するとエラーになり、「BC3114」に対しては「-3113」ではなく「-3114」と入力するよう求められるのである。

それぞれのルールさえ分かってしまえば何でもない話なのだが、KIN3Dと「計算サイト」の両方を使って比較する人の中には、混乱する方も出てくるかもしれないし、私自身、備忘録として残しておきたい内容なので、以下、具体的な入力結果を示しながら、古代マヤ暦における「始まりの日」と「西暦紀元」について整理しておこうと思う。

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