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ケーススタディNo.001 ホワイト・ベアーファミリー
コロナ禍の中で観光業界の危機が叫ばれたはじめた2020年4月、ホワイト・ベアファミリー(以下、WBF)の民事再生のニュースが流れた。
少し時間が経った現時点で振り返っておくことは、観光業界にも身を置く自分にとって有益と感じるため、簡単にまとめておく。
WBFの民事再生の経緯
第1種旅行業者のホワイト・ベアーファミリー(島田篤代表)と関連会社のWBFホールディングス(近藤康夫代表)は6月30日、大阪地方裁判所に民事再生法の適用を申請し、同日に開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債はホワイト・ベアーが債権者約160人に対して約278億円、WBFホールディングスが同約20人に対して約73億円で、計約351億円。
旅行業の倒産では、ジェットツアー(98年・約252億円)やてるみくらぶ(17年・約151億円〔関連会社計約215億円〕)を上回り過去最大となる。今年4月には、ホテル運営事業を行うWBFホテル&リゾーツが民事再生を申請しており、負債は約160億円。
ホワイト・ベアーは1977年の創業。国内・海外の募集型企画旅行を手掛け、ダイナミックパッケージなどウェブの強みを生かした商品を展開。ホテル、レンタカー、ECに事業領域を広げ、近年は訪日旅行も手掛けている。19年3月期の売上高は前期の2倍近い207億円だが、純損益は3052万円の黒字から4億9700万円の赤字に転落していた。大阪のホテル事業が足かせとなった模様だ。また、新型コロナウイルスで予約取り消しや新規予約減少が重なった。営業は継続している。
これに対し、星野リゾートが同3社の支援の検討に乗り出した。事前にホワイト・ベアー側から相談があったといい、今後、支援の可否や支援内容について具体的な調査や協議を行う。
この記事の後半に記載の通り、結果的には星野リゾートが正式なスポンサーとなったとのこと。
WBFホテル&リゾーツは2020年4月に民事再生法の適用を申請。同年6月にはグループの旅行会社ホワイト・ベアーファミリー、両社の親会社WBFホールディングスも民事再生法の適用を申請した。星野リゾートはWBF3社に対しスポンサーとして名乗りを上げ、21年1月に再生計画が認可された。かねてから星野リゾートは有識者を入れた社内チームを立ち上げ同社全体のブランディングの在り方などについて検討を進めており、21年3月に株式譲渡の手続きが終了したことで、これらも踏まえながら旧WBFの施設に対する星野リゾートによる再生が始まる。旧WBFの人材を維持しながら、収益力を高めていく。
1つのモデルケースになるのは、旧WBFの施設のうち京都市内で運営していたホテルだ。このホテルは株式の譲渡前に施設のオーナーと運営について合意していた。20年6月にコロナ禍の影響で休館していたが、4月15日から「OMO3京都東寺」として再スタートした。OMOは星野リゾートの都市観光ホテルブランドとして18年4月に北海道旭川市に1軒目を立ち上げた。これまで東京都内に展開しており、京都では旧WBFの施設もOMOブランドに加えた。
コロナ発生から事業再開までの時系列整理
時系列にまとめると、以下のようになる。基本合意~事業再開まで1年5か月。急がず、しっかりと足元の自社事業に対してのコロナの影響度を鑑みつつ判断した、という感じだろうか。
2020年2月頃
日本国内で新型コロナウィルスの影響で始める
2020年4月27日
WBF再生手続き開始申し立て
2020年6月30日
「星野リゾートとのスポンサー就任についての基本合意書締結 及び民事再生手続開始に関するお知らせ」
2021年11月29日
星野リゾートの支援を受けて民事再生手続きを終え、旅行事業を再開
2021年12月2日
「『WBF ReBORN』 FUN TO TRAVEL,AGAIN.」として、キャンペーンセール、新会員制度、お取り寄せグルメECサイトを始める。
インバウンドの需要回復までの個人的予測
星野さんは「2023年には訪日客が100%戻る可能性がある。しっかりと新規事業に取り組む」と言っている。
2022年1月5日現在、欧米で死者数はともかく感染者数としては猛威を振るっているオミクロン株に対して、日本でも沖縄をはじめとして1日600名以上の感染者となっている状況であるが、今後、どうなるだろうか?
個人的には、デルタ株と違い、海外ではそれほどの危機感もないような状況のようであるし、意外と星野さんが言うように、2023年には戻っているのかもしれないと感じる。
とすると、これから日本でオミクロンが流行る、2022年1月~2月頃がインバウンド関連株、航空関連株を買うにはいいタイミングかもしれない。
1年後にこの記事をみて、結果を楽しむとしよう。