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相対的な評価への絶対的な考え【麻布黒美水温泉 竹の湯@麻布十番駅】(1/2)

 僕はSNSを頻繁に使っている。どのくらい使っているのかというと、たとえばTwitterは1日あたり平均で約3時間は眺めたり、自分自身でもツイートをしている。

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 しかし、これはあくまでiPhone上のみのデータであって、PCからのアクセスも含めるとおそらく1日あたり4〜5時間程度はTwitterにアクセスしているのではないかと思う。
 もちろん、このほかにInstagramやYouTubeなども日常的に利用していることを考えると、1日のうちの6〜8時間はSNSを通じて情報を収集したりコミュニケーションを取ったりしていることになる。

 そうすると、たまに個人がまとめた「おすすめのサウナランキング」のようなキュレーションコンテンツを見かけることがあるのだけれど、僕個人としては正直あまり前向きに受け取ることができない。完全に自己満足で更新しているだけなのであれば納得感もあるけれど、「おすすめ」と謳って他人に対して主観的な感想を根拠にランキング形式でサウナを紹介することに、どうも腹落ち感が無いのである。
 もちろん、Webの世界は好きなことを好きなように発信する場なので、そのようなコンテンツを否定するつもりはなく、あくまで「そういうコンテンツもあるのだな」とだけ思って受け流すようにしているし、温浴業界の活性化に向けて貢献しようとしている点においては感心している。
 したがって、僕はそのようなコンテンツに対しては肯定も否定もせず、他人事のように静観して ”見なかったこと” にしている。それがお互いのためだと思うからだ。

 このようにサウナを相対的に評価するコンテンツに対して距離を置こうとしてしまう理由については今まで深く考えたことが無く、ただ漠然とそう思っていた程度ではあるのだけれど、先日あるツイートを見かけた時に、僕は自分の考えと向き合うことになった。

#あえてサウナ キャンペーン①
4.26(良い風呂の日)までハッシュタグキャンペーンをしております!
あなたのサウナへのこだわりを#あえてサウナのハッシュタグをつけて教えてください♪
①おんせん県いいサウナ研究所のアカウントをフォロー
②あなたのサウナへのこだわりを #あえてサウナ でツイート

ーー僕にとって、サウナへの「こだわり」ってなんだろう。

 あらためて考えてみると、その答えは意外とすぐに出た。そのこだわりとは、「こだわりを持たないこと」だ。

 そう、僕にとってサウナに良し悪しは無いのである。振り返ってみれば、たしかにこれまでに半年以上投稿していたnote「#連続サウナ小説」に関しても、「このサウナはあのサウナと比べてここが良いor悪い」という評価をした記憶も、点数をつけた記憶もない。あくまで客観的な事実情報と、それに対する絶対的な感想のみを記していた。
 僕自身がそんな価値基準をもってサウナと向き合っているからか、どうもサウナの良し悪しを主観的な基準で相対的に評価し、それを他人に向けて発信することに抵抗があるのかもしれない。

 結論、人によってサウナで得られる満足度なんて大きく異なるわけで、自分にとって良かったサウナが、他の人にも良いかどうかなんて全くわからないのである。
 たとえば、水風呂が無い都内の某サウナについて「あの店には水風呂が無いからダメだ」という意見を目にしたことがあったのだけれど、僕は全くそのように思わない。水風呂が無いことが他の店舗との差別化にも繋がっているのだし、水風呂が無いなら無いなりの楽しみ方がある。
 ほかにも、ドライサウナではなくミストサウナ(スチームサウナ)しか無い店舗についてネガティブな評価をする人もいるけれど、僕自身はそのような店舗に対して何も悪い印象を抱かない。ミストサウナにはミストサウナなりの良さがあり、楽しみ方があるためだ。

 もちろん、この逆パターンもあることにはあった。他の人からの評価が非常に高い店舗に伺った時に、僕にとっては期待はずれだったのだ。
 しかし、僕はこのような時もなるべく他人に向けてその店舗に関するネガティブな感想を伝えないようにしている。それは誰も得をしないためであり、そのような感情は外に発散せず、自分の中で消化するように心掛けている。
 とにかく、自分の許容範囲の狭さや想像力の乏しさを棚に上げて、あたかも店舗側が悪いかのように批判する意味が僕には理解できないのだ。そもそも、その店舗に行くことを決めたのは自分の意思であって、店舗側が無理矢理呼び込んだわけではない。おそらく、良くも悪くもその店舗に期待をし過ぎなのではないかと思う。

 僕は、自分が伺った店舗が自分の好みではなかった場合、それ以降は自分の欲求を満たすことができる他の店舗に行けば良いだけだと思っている。僕の生活圏には、他にもたくさんサウナがあるためだ。
 したがって、店舗側から求められない限り、基本的には店舗に対して要望を出したり否定的な意見を発信したりはしない。「このサウナはこういうサウナなのだ、以上」で終わらせている。店舗が悪いわけではなく、自分の価値観と合わなかっただけなのだ。
 といっても、このような考えもあくまで僕個人の持論であって、「サウナに良し悪しはある」と考えて相対評価をして、それを他人に伝えたくなる人もいるし、ここでの僕の考えに対して疑問を持ったり否定したくなったりする人もいるかもしれない。
 ただ、人によって価値観や考え方が異なるのは当然で、僕は自分の意見を変えるつもりは無いし、その逆に僕と違う価値観を持つ相手の意見を否定したり説得したりする必要も無いと考えている。それによって、結果的に各店舗の客層の棲み分けもできるようになると信じている。

「他人に迷惑をかけない範囲で、自分が好きなようにサウナを楽しむことができれば、僕はそれで満足だ」

 そんなことを考えながら、僕はまた今までに伺ったことが無いサウナを目指して、麻布十番駅に降り立ったのだった。

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ーー後編に続く

(written by ナオト:@bocci_naoto)

YouTube「ボッチトーキョー」
https://www.youtube.com/channel/UCOXI5aYTX7BiSlTt3Z9Y0aQ


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#連続サウナ小説 『ボッチトーキョー』byナオト
①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます