構成管理の意思統一はどうすればいいのか

うちのチームでは会社中の“うさぎ”の管理をしている。おおむねどの子も大人しい“うさぎ”で、そのうち私は黄色のちょっと変わった“うさぎ”の管理の担当だ。この小屋を作ったころから手塩に育てているかわいいやつだが管理にやや癖があるのか難点だ。

そんな中、上司がAさんを使い、私の小屋に断りもなく新しい“うさぎ”を入れ始めた。確かに一見すれば似た黄色い“うさぎ”なのだが、背中にぶちのある別種の“うさぎ”だ。まあ“うさぎ”は“うさぎ”だからな、同じ小屋にいるくらいはと放っておいた。

ある日上司に呼び出された。上司いわく、「どうして俺の入れた“うさぎ”を管理してないんだ」「おかげでお前のいない間に脱走して大変だったんだぞ」だそうだ。いや知らんのだが。私はそのぶちの分の管理を任された覚えはないし、脱走もなにも、もともと上司が何匹入れたのかすら知らないのだ。これまで作った分のリストをくれと頼んだが、「そんなもん見てればわかるだろ」の一点張りだ。見てわかる量じゃないんだが。せめてと実作業をしたAさんに『設計書』だけでも共有のディレクトリに置いておいてくれと頼んだ。

さていつも通り“うさぎ”の管理をしていると、あるとんでもないことに気がついた。右前足と左前足が逆になってる“うさぎ”がいたのだ。ぶちの“うさぎ”だ。私はびっくりした。これでは商品にならない。共有のディレクトリに置いてと指示した『設計書』は、あたりまえのようにない。私は仕方なくAさんにおうかがいをする。どうやら、渡された『設計書』の通り、“うさぎ”を使ったようだった。うちの小屋の事情や“うさぎ”の個性について理解しない他部署が作った『設計書』に、なぜ何の疑問も持たずに作業ができるのか。はなはだ理解ができない。

もう勘弁してくれ〜! 「管理しろ管理しろ」とうるさいわりに私を通さない上司も『設計書』に疑問を持たないAさんも。なんだこれ私が作った仕様書の精度が悪いせいか? いや右足と左足を間違えるのは仕様書とかそういうレベルの話じゃねーぞ! 私が作った“うさぎ”小屋で好き勝手してんじゃねー!

かわいそうな“うさぎ”…。足をつけ直すようAさんにお願いしたが、ちゃんとやっておいてくれるのだろうか…。

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