【見えないからこそ真実が見える】

私たちが世の中を感じ取る『感覚』には、５つの分野があります。
そう、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の５つ。

五感と呼ばれるものですね。

これら５つの感覚から、私たちは世の中の情報を読み取り、判断していると言っていいでしょう。

その五感の中でも圧倒的なのが『視覚』。

私たちが外部から情報を得るうちの８３％を、視覚から得ています。

そのため、脳内で情報を処理していく優先度も、視覚からもたらされる情報が最も高くなり、他の感覚からもたらされる情報をもコントロールすることがわかっています。

ラーメンをソバだと勘違い

視覚が他の感覚をコントロールしてるかどうかを、
大学の研究チームが実際に実験して明らかにしています。

被験者にラーメンを食べてもらうのですが、
最初は何もつけずそのまま食べてもらい、

数口食べた後にVRヘッドセットを装着してもらって食べてもらう

という実験です。

被験者はもちろん、最初の段階で
「食べているのはラーメンだ」
ということがわかっています。

ですが…

装着したVRヘッドセットには、美味しそうな日本そばの画像が映し出されています。

ここの画像は一般のフリー素材を使っているので、実際の状況が伝わらず申し訳ないのですが、
ヘッドセットから見える映像は、あたかもその場で自分が食事をしているようにちゃんと見えます。

自分の手の動きや、箸でつまんだ麺などもそのままVRヘッドセットの中でそのまま再現されています。
ただし、見えているのはラーメンではなくCGで加工された日本そば。

VRのテクノロジーを使って、視覚だけを変えて本当に味覚や嗅覚などまでが影響を受けるのか？
という実験です。

結果は…

ものの見事に、被験者は全員

「味も食感も日本そばだ！」
「しかも匂いまで！！」

と、答えたのです。

自分自身でも『これはラーメンを食べているんだ』ということが解っていながら、見た目を日本そばに変えただけで、味も匂いも食感までも、日本そばに感じてしまうんです。

被験者の多くは混乱気味だったと教授は語っていました。

そりゃそうですよね。
被験者は全員、実験の目的が解った上で取り組んでいますから、中には
『わたしは絶対に騙されやしないぞ』
と思いながら取り組んだ人もいるはずです。

なのに、全員が、全員がですよ。
見事に日本そばになってしまっている衝撃。

といいながらこの記事を書いている私自身、今、ブタの軟骨を煮込みながら書いているのですが、
ソバのいい匂いが漂ってきちゃうくらいですから。

見えているものが真実とは限らない

上の実験結果からも分かるとおり、
見えているものが本当に真実を捉えているかどうかわからない
わけです。

視覚的な情報と、あなたの記憶の中にあるデータとを照合して、一番しっくり来る結論へとすべてを導いてしまいます。

詐欺師に『いかにも悪そう』な人は一人もいませんね。
誠実そうで、生真面目な振る舞いで、いくぶん不器用な面も垣間見せたりします。

そういう姿を見た人は
『この人はきっといい人』
と自分にインプットします。

一度インプットされてしまうと、言葉や態度の中に違和感のあるものが含まれても無意識のうちに打ち消して、
いい人である要素を見つけ出そうとしてしまいます。

もはや洗脳に近いと言えるかも知れません。

視覚以外の五感を磨く

詐欺などの特殊なケースじゃなく、日常の中で起きる出来事が、
いまはどんどんフェイクになっています。

特にSNSなどでは、それぞれの考え方を通した書き込みが、毎日山のように発信されています。

目で見たものが真実だと言い切れない世の中なんですね。

急に話が飛びますが、テレビドラマは時代の流れを敏感に取り入れているものがちょくちょくあります。

NHKの朝ドラや大河ドラマなどはその頻度が高いほうですが、
先月から始まった『ラストマン』という刑事ドラマも面白いですね。

福山雅治さん演じるFBI捜査官が全盲という設定。
しかも、目が見えている一般の刑事よりも優秀で、犯人をどんどん検挙していく。

このドラマのストーリーはともかく、場面場面で描き出される
『見えているからこそ見落とす核心』
『全盲だからこそ気付く真実』
には、一見の価値があると、わたしは感じています。
もちろんドラマのストーリーですから、デフォルメされてるところは多々ありますよ。

でも、問題はそこじゃなく、
見えている情報以上に、見えない情報が真実を示唆している
という核心です。

これからの時代は、今まで以上に『視覚にとらわれない』情報処理スキルを上げなければ、
情報の嵐ともいえる日常に翻弄されてしまいます。

自分の意思でチョイスしたのならまだしも、上の実験のように
無意識のうちに脳が処理してしまうほど視覚に囚われている
わけですから、意識的に他の５つの感覚を磨いてスキルを上げていくのは急務といえます。

５月からは、メディテーションの時間に、この『視覚以外の５つの感覚』に磨きをかける要素を入れ込みます。
視覚に情報を頼りすぎているわたしたち。
だからこそ『間違った思い込み』をしてしまいやすいわたしたち。

そんな状態から、脱却していきましょう。

オンライン・メディテーションは、毎週火曜日の２３：００から開催しています。
ソファーにゆったり座ったり、就寝の準備を整えてベッドで横になった状態でも可能です。
門外不出の特別音源を活用した『音霊と呼吸のメディテーション』と、終了後の高次メッセージがセットになっています。
メディテーションへは、ZOOMオンラインもしくはLINEビデオ通話にてご参加いただけます。
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