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2020年6月15日れいわ新選組山本代表の都知事選出馬会見で気になった部分を書き起こし、筆者の私見・意見を加えました


自身の野党統一候補化について


「私からとしましては、れいわ新選組に公認という形で都知事選挙で出るということなんですよね。無所属でないと統一候補になれないということはむつかしいこの話破談になりました」
「でこれからしばらくして、連絡をいただきました。(無所属で出ることを)もう一度考えられないか?と」
「その時はいったん引き取ったんですけれども、こちらから改めて野党統一候補になるための条件を二つ改めて出さしていただきました。一つは何か、れいわ新選組公認を降ろす代わりに「確認団体」というものをつけることになります。その名前を”れいわ東京”というにしてほしい」

確認団体とは政党や政治団体そのままでは首長選で活動・運動をすることを禁じられていますので別団体でやることが法律で決まっています。

選挙ドットウィン!
確認団体とは?

常識だと「山本太郎を都知事にする会」とか「山本太郎を応援する会」とかになります。政党の名前を入れるなんて前代未聞です。

「二つ目は次の衆議院選挙で(2021年10月21日に任期満了)、野党の統一政策として消費税5パーセントということを約束してほしい、選挙までに書面で約束をするということ、とお話ししました」
これはすぐ決められるわけがないので、野党サイド(立憲・共産・国民民主・社民)が断ることを踏んで話をしてるように筆者は感じています。
つまり、統一候補になる意思というのは皆無だったんだなと思います。あくまでれいわ新選組の独自候補として出ることにこだわったと考えるのが妥当だと思います。

「結果どうだったかといいますと、それでもだめだった

まぁ、一つ目はとにかく二つ目は呑めないでしょうね。5パーセントの政策云々ではなく、こんな大事な政策決定をすぐに決めろというのはとても飲めませんよね。そもそも、都知事選挙に出るか出ないかの取引で衆議院選挙を絡めるなんてあり得ないでしょう。

「どうしてそんなに(野党サイドがれいわの名前に)こだわるのかと言いますと、これは来年ですね、東京都議会議員選挙がありますから、
ここでれいわの名前を宣伝されるのは困るという話なんです、結局は”俺たちのシマに足を踏み入れさせないというような話”に等しいなと私は思うんですけれども」

そりゃ、そうで、都議会選挙は中選挙区ですから、各野党はライバルになります。れいわが野党の枠組みに入れば、れいわだけ宣伝されるのはフェアじゃないでしょう。後の政党は政党色を抑えつつ山本を支援するんだから。盗人猛々しいです。それに消費税5パーセントのみがれいわの統合の象徴であるんですね。
これ、ワンイシュー政党なんです。つまり、N国と一緒。

「名前は横に置こうと、一旦、消費税五パーセントを(2021年10月21日までに必ず行われる総選挙)政策とするのはどうかというのは党内手続きがまにあわない、そういう話でした」
党内手続きだけじゃない、市民連合との合意がなければできないのが今の野党と市民の共闘の仕組み。断るのは至極当たり前なのです。

「といいましても、最後の話が持たれたのは5月の終わりごろですから、選挙が始まる二十日間以上あるわけですね。その二十日間があっても終わらない党内手続き消費税5パーセントというのは決められない宣言であろうという風に私は受け取りました、民主党(民進党の言い間違いだと思われる)が壊れるときは一日で壊れたのにね笑」

党内手続きというのは各地方組織とも調整しなくてはいけない、支持者にも納得させなければならない。各野党(共産はれいわのように国債をバンバンすることには反対している)とも地方組織も含めて党内で・党外調整・交渉で喧々諤々やらねばならない。市民連合との合意も必要だ。しかもコロナ禍中の国会会期中である。
こんな大政策転換を二十日でやれということにリソースをとることはできるわけがない。立国の合流交渉と同じくらいのエネルギーと費やさないと不可能です。たとえ自民党でこのような政策転換では極めて困難を極めるでしょう。しかも、共産党は早くに宇都宮氏を支持することを決めて立憲に提案までしていることもあって山本とは交渉していない。
市民連合との合意もいる。共産党、市民連合頭越しに第二の条件をもとめるのはなめ切っているとしか思えない。
もう一度言いますが、そもそも、都知事選挙に出るか出ないかの取引で衆議院選挙を絡めるなんてあり得ないでしょう。

まぁ、第三極宣言ですよね。

他人のせいにし過ぎではないですか?この人は責任ある立場に立って、厳しい場面に直面したときどうするのでしょう?(2021年5月3日この文を追記)

(ツイートの中の立件は立憲です)


出馬動機

「なぜ、私がれいわ新選組から都知事選挙に出る必要があるのか、これ一番重要な議論だと思いますが、常々総理を目指すと言ってきました。
総理を目指すと言っても2議席しかありませんから、何夢みたいなこと言ってるんだ、と思われる方もいらっしゃると思いますが、独り立ちをし、
政党となって、二人の議員を抱えると言う立場になったわけですから、こっからこの目的に進んでいくというのが、当然のことです。この総理大臣を
目指すというのと、都知事選挙に出るというのと、一部の人の中では矛盾があるじゃないか、と言うような声もあると思います。でも残念ながら、
私の中に全く矛盾がございません。どういうことなのかって事ですけど、やはりコロナの災害、わたしは"コロナ災害"と呼んでいますけれども、
コロナ災害によって一気にこの国に生きる多くの人々が生活困窮の陥る状況に確認されていると言うことですね。私が日々、コロナの状況に入ってから、街を歩いても、公園でも駅でも、行き場を失った人が多く見てきたということです。もちろん、コロナ災害によって人々の生活が苦しくなった事は確実です。補償なき自粛ですから。でも、その前から、誤った経済政策、ある意味人々に対する経済制裁である消費税の増税であったりとか、間違った経済政策の数々によって、人々の生活が疲弊していた。そこに加えてコロナ災害がやってきた。そしてこの災害の中、街を歩けば、そういった人々に出会う、と云う日々を過ごしておりました。例えばですけれども、東京駅、利用したときに、建物のそこから、83歳の人がぼーっと改札に立っていた。声をかけました。
”すいません、支援する団体の者ですけれども”(以下略)」

支援する団体の者って嘘ついてないですか?支援する団体に知り合いがいるくらいならいいんですけれども。


「(国会で)何をだらだら補正予算やってるんだ?真水いくらだったんだよ!この状態で小池さん何したんだよって、国にもっと金引っ張ってこいっていったのか?」
国政政党の党首なら、国会でそう言えばいいでしょう。今まで何をしてきたんですか?
「コロナを災害指定してれば、仮設住宅とか、お金が廻らない人にもっと出来た、金かかるから指定しなかった。どう考えても災害ですよ、これ(以下略)」
内閣府
災害に係る住家の被害認定
http://www.bousai.go.jp/taisaku/unyou.html

災害対策基本法
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=336AC0000000223&openerCode=1#5

基本法律変えなくては無理です。山本さん、仲間集めて、災害対策基本法の法改正を提起すればよかったんです。なぜ、それをやらなかったのですか?
国会議員6年やってて山本さん、これ知らないわけないと思うんだけど。

災害対策基本法第二条(法律における災害の定義)第一項にはこう書かれています。

“災害 暴風、竜巻、豪雨、豪雪、洪水、崖崩れ、土石流、高潮、地震、津波、噴火、地滑りその他の異常な自然現象又は大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。”

山本氏は「その他の異常な自然現象」の中に感染症禍を入れて、災害指定できるといっています。しかし、感染症禍は「その他の異常な自然現象」に入れられるのでしょうか?筆者は感染症禍が自然現象なんて聞いたことがないです。どう考えても法律を変えた方がいいですし、法律を変えなければ、災害指定しても人は動かないでしょう。ちょっと、安倍政権に似ていますね。

掲げる政策

「(苦しんでいる人を政治で助けたい気持ちは)宇都宮健児さんと同じだと思っています。そのような支援をされてきた方です。だとすれば、宇都宮さんに託せばいいじゃないか、そう思われる方もいらっしゃると思います
でも、私と宇都宮さんとは財政に対する考え方が違います。東京都は超経済的に財政的に優良団体です。国が金を出さない、もちろん、
国が金を出せと本気に迫ったわけじゃないですから、迫ったら国から金がもっと出てくる事もあり得るかもしれない。でもそんなことを訴えても、
"絵に描いた餅でしょ?"って(言われる)。じゃ、東京都として何をやれるか、東京都として地方債を積極的に発行する以外ないんですよ。
じゃ、上限どのくらいまでいけるんですか?地方の財政状況を表すときに、実質公債比率って言うのも見ますよね。年間のローン支払額って言うのも見ますよね東京都で言うと平成29年度で1.6、平成30年度で1.5(約1000億)ですよ。全国平均は10.9。全然差があります。東京は超優良団体。つまりは東京都自身で資金を調達できる余地がむちゃくちゃあるって事です。いくらまで資金調達できるかと言えば20兆円は堅い。総務省とやりとりしています」

政策に対する私の疑念

山本さん、18%制限があります。18(パーセント)をオーバーしたら起債制限(総務省に許可がいる団体になる)が起き、信頼のない地方公共団体になります。
東京都(年予算平均約7兆円)でざっと計算したら、約1兆2600億円でこれをオーバーしちゃうんです。特別会計(約6兆円)を含めても、約2兆1600億円で18%をオーバーします。
3年の平均で出されます。都の財政は安定してますので、計算しやすいです。法的に壁があります。
(註:私の計算はし償還期間を考慮していません。山本氏が償還期間に具体的に言及していないからです)

(もう一つ、彼は総務省に計算してもらったといっていますが、具体的な計算方法ややり取りを示していません。どのように計算したかわからない以上、単純計算で反論せざる得ないし、彼の政策を信用できません:2020年6月19日12:58頃この部分を追記しました)

山本さんが言うように15兆円(2020年6月17日20兆円から訂正)調達したら、214%、特別会計を含めても125%になり、東京都は完全に財政不健全団体になります。

財政のあらまし-東京都

https://www.zaimu.metro.tokyo.lg.jp/syukei1/zaisei/

地方債の安全性
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/c-zaisei/chihosai/chihosai_c.html
健全化判断比率の算定
https://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/kenzenka/index2.html

実質公債費比率-武蔵野市 (2020年6月17日追記)
http://www.city.musashimurayama.lg.jp/shisei/zaisei/joukyou/1002288/1002292.html

山本さんの方法で金を出すのはリスクがありすぎる。というか、不可能、無理。債券(債権)というのは、回収できなければすぐ負債になります。それを防ぐため=金を返すにはどちみち増税をしなければなりません。それをちゃんと言わなきゃいけない。「行政の借金は金になる」といいますが、「借りた金は返せよ」
です。
(註:私の計算は、債券の総額のみで計算しています。山本氏が償還期間などに言及しているのを私は聞いたことがないからです。
債券には償還期間がありますが、どの償還期間の債券を発行するかを明確に示さない限り、
山本氏の提案に関して総額で計算せざるを得ませんし、山本代表の口ぶりだと一気に15兆円借りると考えていいでしょうから、相当危ないのではないかと思います)

「東京都は20兆円で地方債で発行しても18パーセント以上になりません」

どうかなぁ!最近の年間の財政規模の平均、7兆だぞ!東京都は。太郎算か!
ちゃんと根拠を示さないと、誰も救えないよ!


どの償還期間の債権をいくら借りるか明記しないと、大嘘になる。どの償還期間の債券を
いくら発行するのか明記しない限り、一気に借りて返すのか、一気に借りて長い期間返すのか、少しずつ借りて長い時間かけて返すのか、
示さなくては実現可能性を見いだせなくて、とても疑わしいです!
維新の音喜多参議院議員も実行可能性に疑問を持ってます。彼は筆者よりも知識があり、私とは別の視点で実行可能性に疑問を持っています。
私は維新や音喜多議員の新自由主義で弱者切り捨ての考えには全く賛同しませんが、山本氏の提案が極端すぎるので、この疑問には賛同したいと思います。
https://otokitashun.com/blog/daily/23657/

そもそも、総務省とやりとりしたと云っているが、具体的なやりとりの記録を彼は示していない。根拠になるやりとりの記録を示さなければ、信用に値しない。とても疑わしい。

山本太郎氏を追いかけてきた、IWJの岩上安身氏がこの件に関して東京都と総務省に取材しました。東京都と総務省の回答は次の通りでした。

東京都 総務省とも

地方財政法5条に定められている事業にしか地方債は使えない。

主としてハード面である(東京都)と。

地方財政法5条を見ますと、給付とかそういう対策のために使えると書いてない。そもそも、地方債を山本氏が言うようには使えないのです。

地方財政法

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=323AC0000000109

岩上氏はカンカンに怒っています。



これの基づいた政策など「絵に描いた餅」にすぎないので、略。

以下記者とのやりとりもありますが、略。

僕が都民なら、間違いなく宇都宮候補に入れます。すくなくとも、こんな疑わしい政策は提示しないだろうから。

2020年6月17日に日本記者クラブ主催の討論会(リモート)がありました 


その中で、山本氏と小池氏で都債の話がありましたので書き起こします。

記者「山本さんと小池さんにお伺いしたいんですけれども、(もう一度)山本さんに起債の規模についてをお話を伺いたいので手短にお願いします
そして、小池さんにその実現性について現職としてどのようにお考えかご意見をお伺いしたいと思います、山本さんからお願いします」
山本「基本的には国から財政出動を大胆にしていただくと云うことが、一番重要なことだと思います。で、国はその気がありませんでした。
何よりもコロナ災害と言うことに対して、災害と指定することをしなかったってことなんですよね。災害対策基本法の災害に含めるってことをしなかった。どうしてかというと、コストがかかるから、そういう話だと私は思っています。そう考えるとやれることは何か、やはり自分たちの資金でやるって事をやるしかないと。でも、手持ち資金でやるって事はかなり広範なことになる。手持ち資金だけでやるには浅くなってしまう。この緊急事態時に日本の人口の一割を預かる東京、日本のGDPの約二割を預かる東京を底上げするのをやっていかなければならない。その財源は地方債です。地方債に関して、どれぐらいの資金を調達できるのかなということですけれども、東京は超優良財政団体です。そう考えると、他の都市と比べると圧倒的に、資金の調達を出来る能力があると、これは総務省にも確認しております。実質公債比率を考えたときに東京は1.5%です。全国平均は10.9、圧倒的ですね、東京は。例えばですけれども、緊急事態と対象にされた地域、北海道は20.9ですよ。大阪でも16.8、そう考えると東京はどのくらい調達を出来るのかと考えると20兆円調達しても、総務大臣の許可が必要な、実質公債比率の18%を超えるというところには行かないと。逆にそういう物を調達したとしても、これは東京の信頼があれば、金融機関でも、市中でも喜んで買ってもらえるものであろうと確認をとっています。なので、これが、やれるかやれないかと言うことは現職にはジャッジできないです。なぜならば、やってないからそれを」

小池

「あのー、ご承知の上で、地方財政法という法律がある上でお訊きになっているかと思いますが、地方債の発行にはいくつか条件がございます。適債ということで、債券を出すに当たってそれが適しているか否かと言うことで、それをどういう目的で使うのかということによって、縛られるということであります。総務省に何をどうおたずねになったかはよくわかりませんが、それがルールとなっております。そして、仮にですね、15兆円と言う数字を挙げてらっしゃいますけれども、15兆円を発行した、そのときにですね、返済に要するお金と言うのが、年間で約1.5兆円(償還期間10年の場合)と言うことになります。一般財源(会計)が7兆円という、この東京都の財政でありますが、全体は14兆円になりますけれども(特別会計も含めて)、7兆円の中で、毎年1.5兆円借金返しをしていくと、ということは、他のところを削っていかなければならないと言う現実的な問題がございます。そして、やはり、ここでですね、一気にその分をばらまいてしまうことの、その後の後遺症
をどうやって行くのか、それらを考えた上で、しっかりとリアルに責任を持って都政を進めていきたいと考えております」

小池知事はこの選挙で当選し、都債が出されることになりましたが、従来の使い方で法に違わぬものでした。山本太郎さんの言うように給付には使っていません。(2021年5月3日追記)


私は疑念がぬぐえなかったので情報開示請求した

山本氏の発言を疑わしく感じた私は情報開示請求を行いました。彼が総務省や内閣法制局とやり取りをしたと発言したからです。

彼の政治家としての資質を疑わざる得ない結果となりました。彼はウソをついているのではないかという私の疑念が強まりました。

詳細↓



山本太郎とれいわ新選組のほかのやらかしは

こちらから


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