見出し画像

サウナで聞きたい曲 Vol.2

サウナで聞きたい楽曲プレイリストVol.2が完成した。





何故?

巷のサウナブームは未だに留まることを知らず、先日開催の自然一体型フェス「森、道、市場」においてもテントサウナエリアが設置されるほど、ヤングカルチャーとして定着したような赴きさえ感じる今日この頃である。

だが、やはり金が周る所に拝金主義が群がりだすのは商業の必然と言ったところなのか、施設及びグッズ関連の単価の高騰化が進みつつあるようにも見え、都内の新規施設は軒並み利用に一泊同等のコストを掛けねばならず、若者の趣味としてはいささか敷居が高くなり始めている。驚くべきことにサウナハット(草加健康センター(SKC)の100本限定サウナハット)の高額転売まで行われはじめ、ビジネスとして成熟するのと共に終息も近づいていることを予見している。

そんな新規施設の中でも一際高額なのが「個室サウナ」なのではなかろうか。都内及び周辺大体の個室サウナは利用時間60〜100分ほどにつき料金は3000〜5000円程度、時間当たりのコストは銭湯サウナ等とは比較にならない。水商売の次元である。

だがその魅力は筆舌に尽くし難いのもまた事実。サウナ及び休憩では好きな体勢で寝ころび放題、ロウリュもし放題、またBluetooth接続で好きなBGMで変えられる施設もある。他者が介在しない解放感というものはサウナ利用時には一際強く感じられるようだ。

前置きが長くなったが、先日初めて個室サウナに行って最高でしたということでその勢いのままプレイリスト第2弾を作った。


以下、プレイリストと曲の解説


1.Beverly Glenn-Copeland / Ever New

フィラデルフィア出生のシンガーソングライターBeverly Glenn-Copelandの86作「Keyboard Fantasies」より

世にひっそりとカセットのみでリリースされたアルバムのトップを飾る一曲。ミニマルでポリリズミカルなシンセフレーズを横断するかのようなボーカルとメインフレーズが、まるでととのいへの道標かの如く、酩酊感に拍車をかけるのではとの思いで選曲。


2.Simon Fisher Turner / How Blue Sky Was

King of LuxembourgやDeux Fillesのメンバーとしても活動した芸術家Simon Fisher Turnerが劇中曲を担当した「Caravaggio 1610」サウンドトラックより

鳥や虫の鳴き声をバックに演奏されるクラシックな響きを持つギターの調べが、満月の夜、北欧の湖畔で外気浴をしている様な気持ち(体験した事はありません)を味わえる一曲。


3.Morgan Fisher / The Great Lakes

英国のロックバンドMott The Hoopleにも所属していたキーボーディストMorgan Fisherの93年作「Water Music」より

そのアルバムタイトル通り水をイメージした作品。広大な湖の中心に生じた渦潮にだんだんと飲み込まれるような、表情の違うシンセのリフレインが折り重なるように展開される一曲。

もちろんサウナと水は切っても切れない関係にある。体を巡る水の動きに想いを馳せながら拝聴したい。


4.Matching Mole / O'Caroline

元Soft MachineのドラマーRobert Wyattを中心に英国プログレの名手により結成されたMatching Moleの1st「Matching Mole」より

Robert Wyattの甘すぎるハスキーボイスとセンチメンタルなアンサンブルが正にエバーグリーンな一曲。この曲をバックにととのう自分を想像するだけで、垂涎ものである。


5.LI YILEI / CHU

中国出身のサウンドアーティストLI YILEIの21年作「OF」より

小躍りをしてしまいそうな跳ねたシンセフレーズたちが、2週目/3週目のサウナに突入するあのワクワク感に近いものを感じ選曲。終わらないサウナルーティンへ。


6.Biosphere / Dissolving Clouds

ノルウェーの電子音楽家Biosphere = Geir Jenssenの06年作「Dropsonde」より

丸みの帯びたシンセサイザーの持続音が幼いころの原風景を思い起こすような、ノスタルジックな一曲。セルフロウリュで物思いに更けながら聞かせて頂きたい。


7.Eddie Kendricks / Intimate Friends

TemptationsのメンバーでもあったEddie Kendricksの77年作「Slick」より

穏やかながらジワジワと湧き立つようなグルーヴがとても魅力的なスウィート・ソウル名曲。汗を流しながら聞くソウルのなんと贅沢なことだろうか。


8.World Standard / 水夫たちの歌声

アジア圏ならではの民族感のある室内楽を独自の感性で編み出す作曲家鈴木 惣一郎が中心のグループWorld Standardの初作より

多彩な楽器を用いた水面に揺れるようなアンサンブルを聞かせてくれる一曲。メロウなフレーズと外気浴の相性は筆舌に尽くし難い。


9.Revival / Richard Nunns,Mark Lockett

ニュージーランドのマオリ族の民族楽器奏者Richard Nunnsと現代音楽方面で活動する作曲家Mark Lockettの共作「Redaction」より

サウナ室内で熱を受ける思いと共鳴するが如く、ジリジリと湧き上がるパーカスの熱量と遠くに聞こえる持続音が発汗に効果的に作用するのではとの思いで選出。

完全に最後の一回しを想定している。


10.Welcome / Harmonia & Eno '76

ドイツの音楽ユニットClusterにNeu!のMichael Rotherを加えた伝説的なグループ=Harmoniaと盟友Brian Enoのセッション音源をまとめた「Tracks and Traces Reissue」より

リズムトラックを排除した穏やかなシンセサイザーとギターの調べがまさにチルアウトと呼ぶに相応しい。ようこそ、ととのいのその先へ。



以上10曲のプレイリストとなった。

総再生時間も50分弱と、丁度よい塩梅になったのではないだろうか。

今後も音楽、そしてサウナが相互的に作用できるプレイリストを追求し、作成を続けていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?