効率的市場論~レース選択の本質について~
Introduction
競艇に参加する人は、大きく分けて2タイプ存在します。収益目的のベッターと、娯楽目的のベッターです。
前者は基本的にハイベットで人数が少なく、後者はローベットで圧倒的多数です。また、いずれかであることに無自覚な人も存在します。
この記事を読んでくださっているあなたはどちらのタイプでしょうか?
一度話は逸れますが、競艇において「レース選択が大切」だという言明を、皆様は幾度となく目にしたことでしょう。
インが逃げるレースを見極める。軸にしたい選手の展示気配が悪いレースは見送る。隠れ好モーターや選手特徴で《オッズ妙味》が発生するレースに絞る……。枚挙に暇がありません。
収益目的のベッターは、レース選択スキルを磨こうと努力したことがあるはずです。当記事も、そのスキル向上を目的として書かれています。
しかし、当記事で論考していくのは、選手やモーター、逃げるか逃げないかなどの「レース結果に影響を及ぼすファクター」によるレース選択ではありません。
収益目的で競艇をやる場合、広く言えば「勝ちたいと思って」競艇をやる場合、自分が当てられるレースを選択するだけではなく、自分が「勝てる」レースを選択する必要があります。競艇は常に他者との戦いなので、他者の存在に無自覚なまま賭け続けるのは、言うなれば「相手を見ずにパンチを繰り出し続ける」ようなものです。それではノックアウトできるはずがありません。
どのようにして娯楽目的のベッターを倒すのか。適切にパンチを繰り出すためには、まず相手の動きを知り、自分の構えを確かなものにしないといけません。
当記事では、レース選択の手法について、ほとんど語られてこなかった《効率的市場論》を軸に、実際にどのようなレース(=市場)を選択し続けるべきか、実践的な手法を論じていきます。
まずは競艇に存在する2タイプの参加者とその様式を概観します(マーケットの二分化)。次に、効率的な市場を見抜くために欠かせない思考法について論じます(二次的思考について)。そして参加すべきレースの例をピックアップしながら、あなた自身でレースを選べるレベルまで整理します(非効率市場を見抜く)。さらにそのレース選択スキルを発展させて、長期間を通してどのように戦っていくべきなのかを論じ(レース選択の横軸)、最後に今後の展望を述べます。
小難しい数式などは使用しません。そういった意味では読みやすいかもしれませんが、内容は相当に高度です。読み進めるかどうか、今一度よくご検討なさってください。
皆様のよりよいベッティングの一助となれば幸い――としつつ、心の中では新たなライバルを生み出してしまうかもしれないこの論考に、既に後悔の念を抱いている次第です。当記事レベルのことを当たり前にやられてしまうと、あなたの収支は私にとって脅威になるのです。それなら何故公開するのかって? 秘するが花。勘のいい方なら、最終章をお読みいただければ分かると思います。
それでは、Bon voyage!!
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