《丸亀8R》のテクニカル分析
競艇に関する知識や予想法、展示判断などから「正解を導き出そうとする」アプローチには、実は限界があります。
未来は予測できないからです。
もちろんきわめて蓋然性の高い「未来予測」は可能かもしれません。しかしその蓋然性を測るものは経験とセンス(あるいはもしかしたら何らかの数値的データ)でしかなく、考えれば考えるほど悩んでしまいます。
本当にこれが「正解」なのか?という疑念とは、一生付き合っていかないといけません。
以前の記事で、私はひとつのレースを「市場」に喩えました。
投資の世界では「相場のことは相場に聞け」という格言があります。あらゆる観点から導き出された「誰かにとっての正解」あるいは「誰かのミス」の集合体が、何を隠そう「相場」であるからです。
競艇も同じです。
「誰かにとっての正解」あるいは「誰かのミス」の集合体が「確定オッズ」です。それは厳然たるデータとして蓄積され、いつでも私たちに「蓋然性の高いメッセージ」をくれます。
過去の結果から、一定のパターンや蓋然性の高い未来を導き出そうとするアプローチを、「テクニカル分析」といいます。
しかし、偶然性の高い競艇において、過去はあくまで過去であり、たとえば「戸田では4-6-2を買い続けるとプラスになる!」などといったテクニカル分析もどきの「出目買い」では、高い再現性をもった回収は不可能です。
そこで、そもそもが恣意的に作られたという背景を持ち、たしかに投票行動の優位な差が「ほぼ必ずつく」番組であれば、それなりの分析ができるのではないかと考えました。
そう、進入固定の企画レースです。
本論では、過去1年間に一般シリーズで行われた「丸亀8R」における、投票行動の傾向と回収率分布を題材に、番組マンの意図とベッターの意思がどう組み合わさっているのかを分析し、この市場全体の「クセ」は何かを考察します。
「丸亀8Rではこれを買え!」というような出目買い商材ではありません。
市場の解析から「目の前のそのレースに対してどういう視点を持てばいいのか」という蓋然性の高い手法を解明する、純粋な意味でのテクニカル分析をお見せします。
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