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津競艇と「波乱」の本質


 津競艇場と言えば、読者諸賢は何を思い浮かべるでしょうか。パッといくつか挙げられた方は、紛れもなく「競艇通」です。ひとつも思い浮かばないのが普通だからです。
 個人的に津競艇のイメージは、一言で表せば「扱いにくい」でした。コースレイアウトはイン逃げ有利、しかし水面が荒れ狂っているときも多く、オッズはどこを見ても渋い。昨年の参加レース数を参照してみると、江戸川と戸田に次ぐワースト3位でした。

ボートレース津公式サイトより引用

 1Mのホーム側が広く、インの全速旋回が容易なため逃げやすくなっています。逃げプールの基本的なレイアウトです。
 しかし南北に縦長の地形である伊勢湾は、太平洋からの南風が通りやすく、夏も冬も突発的な強風で水面が荒れます。スタートが難しく、それによる「波乱」も多くなっている。そんな競艇場です。

 ここで考えたいのは、波乱とはいったいどういうことか、です。
 いやいや、インが飛んだり6コースが突き抜けてきたり、それで100倍200倍になれば波乱でしょ。その展開を効率よく狙っていくんだよ。そんな「自称穴党」の戯言に惑わされてはいけません。

ここはこの選手がこうだから荒れる!
この向かい風ならインが凹む!
モーターのパワーで一撃があるならここ!

 などなど、何かと理由をつけて穴を狙うわけですが、ここには重大かつ決定的な問題点があります。

 この記事の舞台となるのは津競艇場ですが、テーマは普遍的です。我々は「波乱」とどう向き合っていくべきか。何を考え、どこに注意して、どう買えばいいのか。
 短い思考遊戯です。お付き合いください。


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