地政学的不確実性の中、原油価格のボラティリティが急上昇

地政学的不確実性の中、原油価格のボラティリティが急上昇

地政学的不確実性に伴う原油価格の高騰

ロンドンからご挨拶申し上げます。

イスラエルとイランの緊張が高まる中、原油価格のボラティリティが急上昇している。ブレントは金曜日の早朝に90ドルを突破し、その後86ドル台まで下落した。

2024年4月19日 金曜日

イスラエルによるイラン攻撃という当初の報道により、ブレントは1バレル90ドルを超えたが、テヘランがその影響を否定したため、86ドルまで急落した。 ベネズエラに対する石油制裁の再発動は、最近の地政学が支配的であるため、市場では後回しにされた。

米国、ベネズエラへの石油制裁を再開 米国務省は、マドゥロ大統領が選挙前の公約を果たせなかったとして、ベネズエラに原油の自由取引を認めていた6ヶ月間の権利放棄を失効させ、石油会社に同国での操業を停止する45日間の猶予期間を与えた。

米議会、中国によるイラン産原油購入を標的に 米下院は、中国によるイラン産原油の購入に対抗し、中国の金融機関とイランとの取引を制裁する法案を圧倒的多数（383対11）で可決した。

UAEソブリンファンドがスペイン大手を買収へ。 アブダビ首長国のTAQAは、スペインのガスに特化したエネルギー企業であるナトゥルギー（BME:NTGY）の3大株主と、買収の可能性について協議している。

EU、ドイツのガス関税を提訴へ 欧州委員会は、EUの単一市場規則に反し、2022年10月に導入された「中立料金」を3倍に増額し、ドイツが自国の貯蔵所からガスを購入する際、近隣諸国に追加料金を請求しているとして、ドイツを提訴する見通し。

ホワイトハウス、夏のSPR放出を検討 ホワイトハウスのジョン・ポデスタ上級顧問は、原油価格の高騰で米エネルギー省のSPR（石油備蓄貯蔵庫）補充計画がストップしている中、バイデン政権は手頃なガソリン価格を確保するため、夏の間に戦略石油備蓄を放出する可能性があると主張した。  

カザフスタンが石油メジャーに1500億ドルを要求 カザフスタン政府は、13億バレルのカシャガン超巨大油田を開発した国際メジャーのNCOCコンソーシアムに対する仲裁請求を1500億ドルに引き上げ、引き渡されなかった約束の石油生産の価値を再計算したとしている。

債権者、コノコによるシトゴ買収を希望 アクティビスト投資家のエリオット・インベストメント・マネジメントは、807,000b/dの生産能力を持つ3つの製油所を運営するシトゴ・ペトロリアムに関心を示している。

廃炉費用が米生産者にのしかかる 米内務省は、石油・ガス業界に対し、海上プラットフォー ムの廃炉のために約70億ドルの資金保証を要求するBOEMの新 海上規則を発表。

ホワイトハウスがアラスカの掘削と採掘を制限 バイデン政権は、アラスカの国家石油備蓄地域の40％で石油・ガス開発を阻止する規制を最終決定し、アンブラー鉱区を州の道路インフラに接続する提案も却下した。

イスラエルとイランのストライキを受け、欧州のガス価格は堅調。 イスラエルとイランの間でミサイルとドローンの応酬が 行われ、欧州のバイヤーがホルムズ海峡閉鎖の可能性 を警戒したことから、欧州のTTF価格は1mmBtu当たり31～ 32ユーロ（11ドル/mmBtu）まで上昇した。

メキシコ、主要ガス田をカルロス・スリムに譲渡 メキシコの報道によると、同国の国営石油会社Pemexは、メキシコ湾にある重要なLakach天然ガスプロジェクトの経営権を、億万長者カルロス・スリムの持ち株会社であるGrupo Carso (BMV:GCARSO)に引き渡すことで合意した。

ナミビア、ソブリン・ウェルス・ファンド設立へ シェル（LON:SHEL）がナミビア沖の探鉱井「エニグマ-1X」で新たな石油を発見した矢先、アフリカの同国は石油収入を再投資する政府系ファンドを設立すると発表し、130億ドルという貧弱な同国の経済に恩恵をもたらすことになった。  

サウジアラビアがバリックのメガ鉱山の株を欲しがる サウジアラビアの鉱業投資ファンドManara Mineralsは、バリック・ゴールド(NYSE:GOLD)が運営する70億ドルのレコ・ディク銅・金鉱山の少数株式を購入する取引に近づいており、パキスタン政府の持分の一部を買い取る可能性があると報じられている。