物理療法(電気療法)
電気療法とは
生体に電流を流すことで何らかの治療効果を得られるものであり、主な対象組織は神経・筋である。
効果
下記の機能再建など様々な分野に活用される。
・関節可動域の改善
・鎮痛効果
・筋緊張緩和
・浮腫の改善
・動作、歩行など
機能的電気刺激療法(FES):
運動機能再建:起立・歩行・把持動作などが目的。
疾病により障害された器官の機能を本来の制御指令と同様の電気刺激により神経刺激によって、目的にあった機能を代償または補完するものである。
例)歩行中の足関節背屈を促すことで、歩行時の足尖のクリアランスを改善させる。
体表もしくは直接に神経や筋を刺激し神経筋活動を賦活することで、完全に失われた機能を担う(機能補填)が目的。
治療的電気刺激療法(TES):
鎮痛・運動機能改善・創傷治癒・末梢循環・排尿機能改善など。
疼痛軽減や運動機能改善のための治療に用いる電気刺激の総称。
電気刺激の応用として、心臓ペースメーカーや聴覚補聴、感覚代行。
排尿にも活用される。
表面からの刺激が困難な場合は体内にうめこみタイプがある。
体表から神経や筋を刺激し、残存した機能の維持や改善を促すことを目的。
対象は中枢神経疾患、麻痺金の随意運動の促進や痙性の異常筋緊張減少。
経皮的電気刺激(TENS):
鎮痛作用。
神経筋電気刺激療法(NMES):
神経や筋を刺激して生理学的効果を用いた治療。
運動機能改善・筋力維持・向上、運動麻痺や痙縮、創傷治癒、鎮痛など
干渉波電流(IFC):鎮痛作用。
ロシアン電流:筋力増強。
微弱電流刺激(MES):損傷治癒・褥瘡。
高電圧パルス電流刺激(HVPC):鎮痛作用。
イオンフォレーシス(イオン導入法):鎮痛作用・多汗症。
参考文献
奈良勲:標準理学療法学 専門分野 物理療法学、第5版第1刷、医学書院、2020。