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試し読み:『Final Cut Proガイドブック[第5版]』

2024年9月発売の新刊『Final Cut Proガイドブック[第5版]』(加納真著)より、「はじめに」のパートをご紹介します。

本書は動画編集ソフト「Final Cut Pro」の定番ガイドブック『Final Cut Proガイドブック』のバージョン10.8に対応した最新第5版です。多彩なシーンを収録した豊富なダウンロード素材を使って、編集の基本からエフェクト、色補正、サウンドまでプロの映像編集テクニックを解説します。これからFinal Cut Proで映像の編集をはじめたいと思っている方、一歩進んだ映像作品を目指したいと考えている方のための羅針盤となる一冊です。


はじめに

本書を手にとっていただき、ありがとうございます!
この本はこれからFinal Cut Proを使って映像を編集する方のための一冊です。

Final Cut Proは誰でも簡単に映像を仕上げることのできるMac専用のアプリケーションです。
本書では映像と音声を使った編集の技法について、できるだけわかりやすく、ていねいにまとめています。
初めて動画を作るビギナーの方から、仕事でバリバリ使いこなしているプロの方まで、Final Cut Proの基本テクニックを学んで、ワンランク上の映像作品を目指しましょう。

本書は「初級編」「中級編」「上級編」の3つのランクに分けています。
動画をカットしてまとめるだけなら「初級編」で基本を速習できます。

P048–049:第2章 Section04「カット編集/クリップを繋ぐ」より、カット編集についての解説ページ

それでは実際にFinal Cut Proを使ってみましょう。
ライブラリに編集素材を読み込んだら、OKテイクを切り出し、音楽や効果音、タイトルなどを挿入して映像作品に仕上げていきます。
Final Cut Proの特徴である「マグネティックタイムライン」ではクリップが左揃えにピタッと並ぶので、手際よく編集していくことができます。
本章では、Final Cut Proの素材の読み込みからタイムラインにクリップを並べてカットし、動画ファイルを書き出すところまでを解説します。

P21:第2章「初級編:素材の読み込み/編集」より、導入文

映像を自分好みのスタイルに仕上げたいなら「中級編」でエフェクトやトランジションについて学ぶことができます。
画面に表示する文字やテロップの作成方法については、YouTube用の字幕作成もあわせて紹介しています。

P104–105:第3章 Section02「キーフレームを使う」より、クリップエフェクトについての解説ページ
P144–145:第3章 Section05「タイトルを作成する」より、クローズドキャプションについての解説ページ

初級編では、タイムラインでのクリップの扱い方の基本を習得しました。単純に映像を繋ぐだけでも、さまざまな手法があることがおわかりになったと思います。
さて、ここからは初級編で学んだことを生かして、編集でよく使うテクニックを紹介していきましょう。
中級編では、クリップにエフェクトを加えたり、トランジションや子画面表示、オーディオの調整方法、タイトルの表示方法など、実践的な手法をわかりやすく解説します。

P79:第3章「中級編:映像効果、文字、オーディオの設定」より、導入文

さらに「上級編」では、AI(=機械学習)を使った色の補正やスローモーション動画、クロマキー合成、複数のカメラ素材を切り替えるマルチカム編集、iPhoneと連携して焦点距離を可変するシネマティックモードなど、高度で複雑なテクニックを解説しています。

P210–211:第4章 Section03「スローモーションと静止画」より、リタイミングについての解説ページ
P214–215:第4章 Section04「マルチカム編集を行う」より、マルチカムクリップについての解説ページ

上級編では色の補正や画面合成など、特定の用途に用いるテクニックを解説します。
Final Cut Proには、MacだけでなくiPhoneやiPadの開発で長年培ってきた動画処理の技術が集約されています。たとえば「カラー調整」エフェクトは、機械学習を用いて色や明るさの調整を自動で行うことができます。また、「クロマキー」では色の情報をもとに映像を合成し、「シーン除去マスク」では被写体の動きを判断して映像を合成します。これらの機能は高度な画像処理を行っていますが、使い方はとてもシンプルです。
Final Cut Pro に収められた先端の画像処理技術を使ってみましょう。

P175:第4章「上級編:さまざまなテクニック」より、導入文

また、iPad用のFinal Cut Proについては最新のver2.0 版に対応し、基本的な編集テクニックだけでなく、iPhoneと連携したライブマルチカムについても学ぶことができます。

P264–265:第5章 Section03「ライブマルチカムの撮影と編集」より、マルチカムについての解説ページ

iPad用Final Cut Proは 、Mac用Final Cut Proの高度な編集機能を受け継ぎ
つつ、ハンドタッチで簡単に操作できるように工夫されています。とくに、指先で再生をコントロールできる「ジョグホイール」は操作感が秀逸で、Mac用Final Cut Proより手早く編集できるほど、スムーズにクリップを扱えます。iPadのカメラで撮影し、すぐに編集できるのも魅力的です。
また、「Final Cut Camera」がインストールされたiPhoneやiPadを使って本
格的なライブマルチカム撮影を行うこともできます。
モバイル環境での撮影や動画編集が多い方なら、iPad用Final Cut Proを試してみてはいかがでしょうか?

P239:第5章「iPadのためのFinal Cut Pro」より、導入文

さらに、Final Cut Proの編集環境を支えるアプリケーションであるMotionやCompressorはもちろん、Blackmagic Design社のDaVinci Resolveとの連携についても解説を加えています。

P310–311:第6章 Section04「DaVinci Resolveとの連携」より、DaVinci Resolveについての解説ページ

ムービーをさまざまなフォーマットに変換するCompressor。
美しい映像効果を作成するMotion。
2つのアプリケーションは Final Cut Proとは兄弟のような関係です。
ほかにも、カラーグレーディングツールやグラフィクソフトとの連繋も欠かせません。
さまざまなアプリケーションを自在に組み合わせて、映像表現に磨きをかけましょう。

P277:第6章「Final Cut Proと他のアプリとの連携」より、導入文

本書の撮影にあたっては、実力派シンガーである上野優華さんに特別にご協力をいただきました。また、素材の収録と執筆にあたっては多くの皆さんにサポートをいただきました。この場を借りて、御礼申し上げます。

本書を通して、映像編集の楽しさをより深く知っていただければ幸いです。

2024年8月
加納 真


本書の目次ページ


Amazonページはこちら。Kindle版(固定形式)もあります。

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