スリクソンから「ZXi」シリーズがフルラインアップで登場!
(画像は株式会社ダンロップスポーツマーケティング公式サイトより)
ドライバー4機種、アイアン3機種を用意
株式会社ダンロップスポーツマーケティングから、スリクソンブランドの新しいゴルフクラブシリーズ「ZXi」が発表されました(文中の価格はすべて税込み)。発売は11月9日。
「i」は「intelligent(インテリジェント=知的)」や「impact(インパクト=衝撃、当たり)」などの意とのことです。
同シリーズは、ドライバー(4機種)、フェアウェイウッド、ハイブリッド(ユーティリティ)、アイアン(3機種)、ユーティリティアイアンで構成されています。
ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッドなどのウッドシリーズには、「i-FLEX」という共通の新開発のフェース構造が採用されています。
これは、フェースのヒール部分とトウ部分を特徴的に厚くし、フェースセンター部分をスリクソン史上最薄にすることで大きなたわみを得てボールスピードのアップに寄与する構造とのこと。
アイアン、ユーティリティアイアンの製造プロセスは、「i-FORGED」と銘打たれています。
最高の打感を実現するために素材の選択、製法、熱処理加工のすべてにおいてモデル別にベストな選択を行うプロセスとのことです。
それでは順番に見ていきましょう。
進化した第3世代リバウンドフレーム
ドライバーは「ZXi」「ZXi TR」「ZXi LS」「ZXi MAX」の4機種。
「ZXi」の後ろに何もつかないものがいわゆるスタンダードなモデルで、「TR」「LS」「MAX」はそれぞれ「ツアー」「ロースピン」「(寛容性が)MAX」を表しています。
基本的な構造は4モデル共通で、同社得意のリバウンドフレーム構造が第3世代へと進化しています。
リバウンドフレームとは、フェース側からヘッド後端まで軟らかい部分と硬い部分を交互に配置することで、インパクトエネルギーを無駄なくボールへ伝える構造のこと。
フェースにはレーザーミーリングを施し、雨天などの悪条件下でもスピンコントロールすることで安定した飛距離を実現するとしています。
弾道の高低、ヘッド性能の寛容性・操作性の4象限で表したとき、「ZXi」を中心とすると、「MAX」がもっとも高弾道で寛容性が高く(直進性重視)、「LS」は、ヘッドの寛容性は「ZXi」と同等で弾道が最も低く、「TR」は、弾道は「ZXi」と「LS」の中間でもっとも操作性の高いヘッドとなっています(写真参照)。
素材は4モデルともフルチタンで、体積はTRのみ450ccでその他3モデルは460ccとなっています。
興味深いのが、同じフルチタンでも、MAXのみ他3モデルとは違うチタン素材を使用している点です。
具体的には、他3モデルはフェースにTi72S、ボディにTi-811 Plusという構成なのが、MAXのみフェースにSuper-TIX🄬 51AF、ボディにTi-811という構成になっています。
特にフェース素材の違いについては、MAXは反発エリアを広くすることを重視し、従来材料「Super-TIX🄬 51AF」を使用しており、その理由として同素材が異方性(たわむ方向によって強度が変わる性質)を持っているため、アベレージゴルファーの打点分布に合わせてよりたわみやすい設計が可能なために使用しているとする一方、ZXi、TR、LSで新素材「Ti72S」を使用している理由は、センターヒット時の最大ボールスピードを重視しており、同素材には異方性はないが強度が高く、センター部分を薄くしてより大きくたわませても耐久性を担保できるため、と同社は説明しています。
価格はすべて8万5800円(標準シャフト)で、標準シャフトにはDiamana ZXi 50、VENTUS ZXi 6、VENTUS ZXi 5が用意されています。
ちなみに、「MAX」の上下左右合計慣性モーメントは8900g・㎠とのこと。技術的には「10K超え」のヘッドを作ることは可能だが、つかまりが悪くなったり、スピン量が増えて飛距離ロスにつながる恐れがあるとの考えからこの数字に抑えているそうです。
ZXi7にはS15Cを採用
アイアンは「ZXi7」「ZXi5」「ZXi4」の3機種、アイアン型ユーティリティは「ZXiU ユーティリティアイアン」の1機種です。
共通の特徴としては、これまでのシリーズでも採用されていた「ツアーV.T.ソール」と、3番から7番までを広く浅く、8番からピッチングウェッジまでを狭く深くした「プログレッシブグルーブ」(ZXiUを除く)があります。
もっともアスリート向けのモデルである軟鉄鍛造アイアン、ZXi7の最大の特徴は、素材にS15Cを使用している点です。
アイアンの使用素材でよく聞く「S○○C」という表記ですが、Sはスチール(Steel)、Cは炭素(Carbon)、数値は炭素含有量を表しています。
例えば「S20C」の場合、炭素を0.20%前後含有する鉄、という意味です。
一般的にこの炭素の含有量が少ないほど鉄は軟らかくなると言われています。
ゴルフ用の軟鉄鍛造アイアンクラブではS25CやS20Cが使用されることが一般的で、S15C使用のアイアンというのは、地クラブではたまに見かけますが、スリクソンのような大手メーカーでは私は聞いたことがありません。どこかありましたっけ?
ちなみに、どこかの地クラブメーカーがS10Cを使用してアイアンを試作したところ、打撃負荷に耐えられず、すぐにロフトやライ角が動いてしまって使い物にならなかったという話も聞いたことがあります。
そのくらい鉄素材における炭素含有量というのはデリケートなものなのですが、今回、ZXi7でS15Cの使用を可能にしたのが、「コンデンス鍛造」という新技術。
「コンデンス」とは「濃縮」「凝縮」という意味(コンデンスミルクのコンデンスですね)。
この鍛造方法をネック部分に施すことによってネック部を強化し、ライ角やロフト角を変わりにくくしているとのことです。
ただし、炭素含有量の少ない鉄素材を使用しているからと言って一概に打感が軟らかくなるとは言えないことには注意が必要です。
飛距離と操作性、寛容性のバランスが取れた中間モデルとなる軟鉄鍛造アイアン、ZXi5は、素材にS20Cを使用。
こちらのモデルでは、バックフェース上部にコンデンス鍛造を施すことでフレームの強度を向上。最適化された熱処理によって軟化、薄肉化させたフェースとの相乗効果でボールスピードの向上と打感の軟らかさを実現しているとのこと。
ZXi4は、フェースがHT1770M鍛造、ボディはソフトステンレス鋳造による中空アイアン。同社ブランド「クリーブランドゴルフ」のウェッジでもおなじみ「ジップコアテクノロジー」を応用することで、さらなる深低重心化を実現しています。
また、前モデルでは不可能だったロフト・ライ調整も可能になりました。
ZXiU ユーティリティアイアンは、中空の鍛造ユーティリティ。ブレード部分にコンデンス鍛造を施すことでフレームを強化し、最適化された熱処理により軟化・薄肉化したフェースとの組み合わせでボールスピードの向上と打感の軟らかさを実現しています。
ZXi7は、ダイナミックゴールド6本セット(5~P)で14万5200円、N.S.PRO MODUS³ TOUR 120、N.S.PRO MODUS³ TOUR 105の6本セットで15万1800円。
ZXi5は、Diamana ZXi for IRONカーボンシャフト6本セット(5~P)で15万8400円、N.S.PRO MODUS³ TOUR 105、N.S.PRO 950GH neo 6本セットで15万1800円。
ZXi4は、Diamana ZXi for IRONカーボンシャフト5本セット(6~P)で14万3000円、N.S.PRO 950GH neo 5本セットで13万7500円。
ZXiUは、Diamana ZXi for IRONカーボンシャフトが1本3万8500円、N.S.PRO 950GH neo が1本3万5200円。
3Wはカーボンクラウンを採用
フェアウェイウッド、ハイブリッドは、「ZXiフェアウェイウッド」「ZXiハイブリッド」各1機種。
ドライバー同様、i-FLEX設計の採用により高初速を実現しているとのこと。
フェース素材はHT1770M鍛造、ボディはマレージング鋼鋳造となっていますが、フェアウェイウッドの3番のみカーボンクラウンを採用しています。
カーボンクラウンの採用により高慣性モーメント化、低重心化を実現し、より高弾道化、強弾道化を実現しています。
フェアウェイウッドは、ドライバー同様標準シャフトにDiamana ZXi 50、VENTUS ZX-i 6、VENTUS ZX-i 5が用意されており、価格は1本5万600円となっています。
ハイブリッドは、Diamana ZXi for HYBRID 60、VENTUS ZX-i for HYBRID 7装着モデルが1本4万4000円、N.S.PRO 950GH neo装着モデルが1本4万700円となっています。
各モデルの詳細は、以下公式サイトをご参照ください。