五戒その三:完成品を与えるのでなく、作るプロセスを開放して巻き込め 〜プロセスエコノミーの時代〜#3-14
「完成品」ではなく「過程」を見せるプロセスエコノミーとは
地域は継続的につくるものであって終わりがないため、「過程」が重要である。裏側にある人の想いや努力、試行錯誤の過程を開示することで、市民やファンを巻き込みながら開発を進める。プロセスエコノミーの例としてクラウドファンディングが挙げられる。完成品を楽しむだけでなく、創る前の構想段階から創造経過も含めて価値を共有することを重視しているのだ。
プロセスを開示することのメリットは、多くの人が感じ始めていることだと思うが、改めて挙げておくとすると、 早期収益化の実現、およびファン層の開発がある。 アウトプットを重視する開発方式をとっていれば、どうしても収益化は完成してからとなり、予算投下から回収までの期間が長くなる。一方、早い段階から顧客層を巻き込み、お金を払っていただきながら開発に参加 してもらうことで、回収が早期化される。 また、このようにプロセスに巻き込まれてきた方々はアウトプットの良し悪しで応援している訳ではないた め、例えば開発が遅れたりした場合であっても根強く応援してくれる。顧客とのこのような関係を作っておくことで、流行やアウトプットの質に左右されづらい経済基盤を作ることができる。つまり、開発段階から市民やファンを巻き込むことで、資金面での安定だけでなく長期的に関与してもらえる顧客の確保も達成できるということだ。
(次回へ続く)
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