ステップ 2:グランドデザインの策定#2-5
グランドデザインの策定の段階に移った際には、地域が持つ要素を方針に合わせて開発するための「グラ ンドデザイン」の策定が必要である。その要素としては、住民の主体的参加を促す自治の仕組みである「政治」、社会保障費を削減する「福祉」、地域を支える主幹企業を創出する「市場」、地域を担う人材を創出する独自の「教育」が大きい。しかし、これらは方針に合わせて開発されてきたのではなく、問題が発生した際 の対応として作られたものや国から降りてきたものをそのまま活用しているものも多い。
今後、人口減少が起こる中で地域が生き残り、豊かな暮らしを育むためにも、地域の価値に立脚した方針にのっとり地域の各要素が開発されてゆくことは必要不可欠である。もし、方針に従って開発されない場合 はイオンなどに代表される大手チェーンの方針によって街の小売店の状況が変化し、日本全体の政策の流行り廃りに左右されながら開発が進み、その先には他の地域と変わらない「どこにでもある田舎」となってゆく。「この地域こそ、自分が住みたい場所だ!」と地域に適した人材を惹きつけるには、方針に従った統合的な開発が必要不可欠なのだ。
(次回へ続く)