地域開発も参加型に、プロセスエコノミーについて#3-2
プロセスエコノミーとは
今までは車や映画など完成品を売るのが主流だった。 ただし消費するコンテンツで溢れかえる昨今において力があるのはプロセスを開示し、参加型で楽しんでも らう工夫である。
例えば、島根県の小さな離島海士町は 2009 年、住民と行政、地域の企業が共同で、「第四次海士町総合 振興計画」が制定された。
このように 15 年にわたって住民主導のまちづくりが行われてきた結果、現在では人口減少を最小限にとど め、将来的には人口の増加を計画にいれている。また、地域に関わる人たちの間で「ないなら、楽しめるも のを作ろう」という動きが生まれた。2010 年から 2019 年までの人口動向を見てみると、海士町では、これま での産業政策による雇用の創出や、島前高校魅力化プロジェクトによる生徒、教員増などにより、人口減少 は最小限に留まっており、国勢調査での人口は、2010 年の 2374 人から 2015 年の 2353 人と、21 名の減少に留まっている。この背景には、愛着の持てるまちづくりや環境保護などを目的とした「おやまの教室」、 島の魅力化を目的とした「島留学・離島ワーホリ・離島キッチン」など、住民主導で考えた様々な施策があ る。このように海士町では、住民をはじめとする地域に関わる人たちが主体でまちづくりが進められている。
(次回へ続く)