「関係」という新しいKPI #1-6
地域の豊かさの向上を考える際に、私たちは「関係」に着目したい。なぜなら、幸せは「関係」によってもたらされると考えるからである。
あなたが幸せと思う瞬間を並べてみてほしい。家族や友人と過ごす時間には、「あなたか私か」という境界線の意識がゆるみ、損得を超えた一体感がある。この感覚を地域全体まで拡張し、地域全体でつかず離れずのゆるやかなつながりを創り出すことで「ここでは自分が地域の一員として、含まれている」感覚と、実際的な相互扶助を作り出すことこそが、地域開発の目的である。
先に述べた孤独と孤立という問題は、個人の健康状態に酒やタバコよりも影響があると研究結果も出ている通り、実際的に医療や介護福祉などの社会保障コストの向上や、生産性の低下によって地域に実害がもたらされる。関係をKPIとすることで、「豊かさ」と「富」の双方にアプローチができるのだ。
関係を指標に落とす前に、「他者との適切な関係」についてもう少し考えてみたい。関係と言っても、人と人、人と自然などさまざまなものの関係が考えられるが、ここでは「人と人との関係」に焦点を当て、考える。
まず、地域における関係指数を考えた際、その指標は個人とコミュニティに分けられる。個人が持つ関係と、コミュニティ全体における関係性である。
また、コミュニティにおいては、個人のコミュニティに対するコミットと多様性に関する寛容度に分けられ、個人については、他者との距離(密度)とコミュニケーション頻度(濃度/ 頻度)に分けられる。
このうち、コミュニティに関して係数化したものは、以下の通りである。
(次回へ続く)
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