[NFL]ザック・ウィルソンとマック・ジョーンズ
NFLドラフトの話。
2021年は空前のQB豊作の年と騒がれており、1巡指名クラスだけでも5~6人いるぜってな雰囲気だったのですが、んでもって実際に何人ものQBが上位指名されたのですが、この世代のQB、2023年シーズン終盤くらいからボロクソにたたかれてますよね。
その筆頭格がニューヨーク・ジェッツのザック・ウィルソン(全体2位)とニューイングランド・ペイトリオッツのマック・ジョーンズ(全体15位)。
両選手ともこのオフでの放出がほぼ決定してますが、果たしてどのチームがオファーしたがるのやら・・・QBが必要なチームはわりと多そうなんですけどね。。
ザックの事情
ザック・ウィルソンは2021年にドラフト全体2位指名でジェッツと契約。その年からレギュラーを務めます。
このドラフトの直前、ジェッツは2018年のドラフトで1巡指名(全体3位)したQBのサム・ダーノルドを放出しており、先輩を押し出す形でレギュラーの座に就いたってことになりますね。
その後2022年いっぱいまでレギュラーの座を(基本的に)守り続けますが、その間ジェッツは低迷。特に2022年は他のポジションに若くて素晴らしい選手が勢ぞろいしていただけに、ファンから低迷の責任を追及される形になっちまいます。
迎えた2023年、ジェッツは4度のシーズンMVPを誇る未来の殿堂入りQBアーロン・ロジャースと契約します。
ダーノルド、ザックと2人続けてドラフト1巡QBを外しているので「もうドラ1はええわいな」という気分になったのでしょうかね。
とにもかくにもこれでザックは控えに降格します。
・・・が!!!
このザックという男、持ってるのか持ってないのか、開幕5プレーめにレギュラーに復帰することになります。
アーロン・ロジャースが4プレーで大けがを負っちゃったので急遽そんなことになっちゃったのです。
で、そのあとなんですが、ファンたちから「おいおいコイツで大丈夫かよ」とか殿堂入りした球団OBから「ザック(が失敗するところ)は見飽きたよ」とかさんざん言われながらもシーズン後半までレギュラーとして起用され続けるも、終盤についによくわからないポッと出のQBと交代させられてしまいます。
その間ヘッドコーチとか、ロジャースとかから「わたしはザックを支持している」「ザックの成功を信じている」と言われ続けたんですが、結局これに応えることはできませんでしたね。
マックの事情
マック・ジョーンズは全体15位でペイトリオッツに指名されます。
ペイトリオッツと言えばその直前までトム・ブレイディという伝説のQBとともに黄金時代を築いており、その後釜として期待されてたってことですね。
ドラフトのときに解説者の方が「ペイトリオッツが1巡でQBを指名するのは珍しい」的なことを言ってたので、期待度は相当なもんだったんでしょう。
期待を一身に背負ったマック、1年目の2021年には見事その期待に応えます。特にシーズン終盤の成長はすさまじく、チームは7連勝でプレーオフ進出、自身もプロボウルに選出されるなど、「伝説の後釜」であることをアピールするに十分な結果を残しました。
・・・・が!!!(2回目)
2年目のジンクスとかいうやつなのか、この年のマックは毎週毎週インターセプトショーを繰り広げ、終盤にはついにポッと出のよくわからないQBにレギュラーの座を奪われてしまいます。
3年目となった2023年シーズン、ポッと出のよくわからないQBと熾烈なレギュラー争いをしながらチームは負け続け、プレーオフ争い脱落第一号に。
ザックが周りから「期待している」「成功を信じている」と言われ続けたのと対照的に、マックは周囲から結構冷たく扱われてたようで、シーズン終盤にはヘッドコーチたちと会話することもなかったとかなんとか言われてます。
あとマック・ジョーンズと言えばその戦績以上に「ダーティープレイヤー」であることが周知されてまして、試合中に相手をケガさせるようなアクションを行ったり、急所攻撃をしたり、その面でも評判がよくありません。
「マック・ジョーンズ ダーティー」ってウェブ検索すると山ほど記事が出てくるんですよね。
どっちが先に売れる???
そんなザックとマック、別のチームに移籍することになるんでしょうけど、レギュラーとして契約するのは難しい気がします。てことになるとどっかの控えQBとしてって感じになるんでしょうけど、控えクラスのQBって彼ら以外にも結構市場に出回ってそうな気がするんですよね。。。
そんな厳しい中ですが、どっちが先に売れるのかってのは気になります。
鳴かず飛ばずを続けたザックか、1年目良かったけどダーティーイメージのあるマックか???
行方を見守りましょう。
おまけ:同期たちのいま
QB豊作と言われていたこの年の指名QB、つまりふたりの同期は下位指名も含めると下記の通り。
トレバー・ローレンス(ジャクソンビル・ジャグワーズ 全体1位)
2年目に前評判通りの活躍を見せ、ドアマットだったチームの地区優勝に貢献。今やジャクソンビルという街になくてはならない存在に。
トレイ・ランス(サンフランシスコ・フォーティーナイナーズ→ダラス・カウボーイズ 全体3位)
2年目に先輩を押しのけてレギュラーに指名されるもシーズン序盤で大けが。後釜の後釜が「ドラフト最下位指名だけど実は隠れた天才だった」後輩だったために戻る場所ナシ。別のチームで控えの控えをやってます。
ジャスティン・フィールズ(シカゴ・ベアーズ 全体11位)
1年目にレギュラーに定着し、ユニークな個性で目を引くプレーを見せるも、3年間で10勝するのがやっと。なんか「強くないチームの不動のレギュラー」ってイメージが定着してる気がするよ。
このオフにも放出されるだのなんだの言われてますが、移籍市場に出てくるとなるとザックとマックにとって高い高いハードルになりそうですね。
カイル・トラスク(タンパベイ・バッカニアーズ 2巡目64位)
マックと同じく伝説の男トム・ブレイディの後継者と見られていましたが、控え稼業が板についてしまった感じ。
タンパベイにおけるブレイディの後継者の座は歳が近いベイカー・メイフィールドが射止めちゃいましたので、そろそろどうにかしないとなあ。
ケレン・モンド(ミネソタ→クリーブランド→コルツ→? 3巡目66位)
いい感じで各地を転々としながら試合には基本出てません。
こういう選手ってほとんど試合を出ないまま現役を続けて、気が付いたら良いコーチになってたりしますよね。
デービス・ミルズ(ヒューストン・テキサンズ 3巡目67位)
モンドの次に指名されたQB。面白いことに彼はデビュー間もなくから約2年にわたってレギュラーQBを務め続けました。
2023年はチームにCJストラウドというやばい新人が入ってきましたので控えに回りましたが、同期の中ではかなり目立った活躍をしてるかも。
イアン・ブック(NO→イーグルス→ペイトリオッツ→KC 4巡目133位)
セインツが長かったのですが、そこで1試合に先発。いまのところこれが唯一の試合出場みたいです。
2024年2月現在、チーフスにいるんですね。てことはスーパーボウルを生で見れるのか。うらやましいですね。
サム・エーリンガー(インディアナポリス・コルツ 6巡目218位)
ずっとコルツにいます。素晴らしい。何試合かだけ先発もしてるはず。なにせQBがらみのごたごたが多いチームにいるので、ニュースで彼の名前を見かける機会は多いです。日本語圏での露出度だけなら1巡目の奴らに次ぎます。たぶん。
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