[NFL]コリン・キャパニックのこと
コリン・キャパニックはどちらかといえば好きな選手です。
でもこれから書くことはひょっとしたら彼のファンであるって方の気分を害してしまう可能性があります。
アーロン・ロジャーズがいなくなった・・・そのとき
2023年シーズンの第1週、バッファロー・ビルズとニューヨーク・ジェッツのシーズン初戦はマンデーナイトで行われていました。
この日からジェッツの攻撃のタクトをふるうアーロン・ロジャーズは長くQBに問題を抱えていたジェッツの救世主と見られており、かつこのことはジェッツのみならず2023年NFL開幕にあたっての最大の話題であったといっても言い過ぎではありません。
しかししかし試合開始早々彼は大けがを負ってしまい、ジェッツでの彼のプレーを楽しみにしていたファンの期待は儚くも霧散してしまったというのはご存じのとおりです。
代わって出てきたのは長らくジェッツファンをがっかりさせてきたQBたちのひとり、ザック・ウィルソン。
(参考)
ザックがダメだったからロジャーズに期待していたのに・・・というジェッツファンたちを筆頭に、いろいろな人が「ジェッツはロジャーズに代わるちゃんとしたQBを雇うべきだ!」という論争をはじめます。
やっぱり出てきたキャパニックの名前
論争のリストの中にはコリン・キャパニックの名前もありました。
2012年シーズンにフォーティーナイナーズをスーパーボウルまで導いたQBでありながら、2016年シーズン終了後にナイナーズを解雇。それ以来NFLのフィールドには立っていません。
この解雇には彼の政治活動、政府批判が関係しているという人もいますが、本当のところがどうなのかわたしにはわかりません。
わたしが知っているのは2016年シーズンにナイナーズが2勝しかできなかったってことくらいです。
で、辞め方が辞め方なので、キャパニックの政治的な主張を支持する(多くの)人たちの中には「キャパニックがNFLで職を得られないのは陰謀によるものだ!」「キャパニックはその実力に見合った契約を得られていない!」といった主張をする人もいます。
そういった人たちは、ジェッツQBがいなくなったことに際し、「キャパニックと契約すべきだ!」という意見を主張しはじめます。
キャパニックはジェッツに来なかった
しかしジェッツはキャパニックを選びませんでした。
スーパーボウル出場経験のあるQBとはいえ、それはもう10年も前のこと。最後にNFLで試合に出たのも7年前のことです。当時35歳のそんなQBを積極的に雇う理由はわたしにはないように思えました。
が、やはりキャパニックと政治的な意見を同じくする人たちの中には「ジェッツによる陰謀だ」と騒ぐ人たちがいたんですね。
The Sporting News にもこんな記事が載っています。
はっきり言って偏った記事ですよね。
記事の最後のほうに7年以上前のスタッツが掲載され「(結局採用された)シーミアンよりマシ」というようなことが書いてありますが、これは7年以上前のスタッツです。
キャパニックがNFLを離れていた7年の間にキャパニック同様NFLを去り、その時点で契約を得られていなかったQBなんて山のようにいますし、その中には当然キャパニック以上の実績を残した選手もいます。
ほなフラッコとくらべてどうなのよ!?
たとえば2022年までジェッツでバックアップQBを務めていたジョー・フラッコがそうですね。
フラッコは最近までジェッツにいたという事実もさることながら、キャパニックが出場したスーパーボウルで対戦相手となり、キャパニック擁するナイナーズに勝利したQBです。
フラッコは2023年シーズン、のちに別のチームと契約し、カムバック賞を受賞する活躍を見せますが、ジェッツはそんなフラッコをあえて選ばずシーミアンを選んだのです。
キャパニックの政治活動とかちょっと関係ねーんじゃねーの?と思ってしまいます。
フラッコ以外にも、カーソン・ウェンツ、ニック・フォールズなんていうキャパニックよりブランクが短く、実績のあるQBがいましたし、そもそも20代でそこそこ実績があって契約を得られてないQBなら他チームのPS含めて山ほどいたんじゃないかと思います。
逆にキャパニックをバカにしてるんじゃ・・・
キャパニックが契約を得られなかったたびに陰謀だなんだというのは逆にキャパニックに失礼だとも思うんですよね。
彼は誇り高いアスリートとして実力で契約を勝ち取ろうとしてると思うんです。そして今回そうならなかっただけだと思うんです。
正直なところ、彼がNFLに戻ってこれる可能性は限りなく低いと思います。7年以上もブランクのある選手を雇うリスクを冒せるチームはないでしょうし、彼を雇うくらいなら実績はなくとも化けるかもしれない若い選手に賭けるほうが理にかなっているとも思います。そして何度も言いますが、そんな選手は山ほどいる。
一般のファンがツイッタで騒ぐのは良いとして、The Sporting News をはじめとする商業メディアがいつまでもそんな記事を書き続けるのはどうなんだろうと思うのです。
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