輝け甲子園の星で取材して感じたこと 天理編
秋の近畿大会を制した天理。
甲子園で4強入りした2017年夏以降は苦戦が続き、この秋も辛くも3位で近畿大会に滑り込んだが、近畿大会では次々と強敵を破ってみせた。
選手にも個性が光っており、センバツが開催されていれば、面白い試合を見せてくれただろう。新しい天理の野球が見られると期待していただけに中止になったのは残念だった。
この代の試合を始めてみたのは奈良大会の3位決定戦だった。進学校の奈良を相手にサヨナラ勝ちを収めたが、失礼ながら、近畿大会で勝ち上がるのは難しいなと感じていたのが当時の印象だった。
だが、近畿大会ではいい意味で私の予想を裏切ってくれた。1回戦の報徳学園戦では好投手の坂口翔颯君を終盤に打ち崩して、7対1で勝利。
この試合の後に中村良二監督が「皆さんビックリしましたよね?ビックリしました」と話していたのが印象的だった。
ここから何かに解き放たれたように快進撃を続ける。事実上のセンバツ出場校決定戦となった準々決勝の奈良大附戦では14対0の6回コールド勝ちでセンバツ出場をほぼ当確にした。
準決勝では履正社、決勝では大阪桐蔭と大阪2強で続いて立て続けに破り、明治神宮大会でも東北王者の仙台育英に勝利。敗れはしたが、準決勝の中京大中京戦でも河西陽路君が大会新の3本塁打を放ち、インパクトのある戦いぶりを見せつけた。
私が天理のグラウンドを訪れたのは12月24日。この日がグラウンドで全体練習を行う最後の日だった。
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