![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43154278/rectangle_large_type_2_9c252047fcdbb1598a36ff7063a12d13.jpg?width=1200)
2020年に聴いてよかった音楽15選
こんばんは。自称VTuberのブルーウェットふみ乃(@BLVEWHET)です。年間ベストはちゃんと大晦日まで待ってから書き出す主義なのでこの時期になりました。いきます。順不同です。
Dirty Projectors - 5EPs
ダーティー・プロジェクターズのこれまでの音源は、結構アレンジの情報量が多くて(かっこいいけど)聴いてて疲れちゃうことがよくあった。のだが、2020年のEPシリーズはとてもよい塩梅で耳に馴染んだ。女性ボーカル曲が多く収められているのも個人的にはすごくうれしい。変だけどポップで踊れる「Overload」が本当に好き。
Phoebe Bridgers - Punisher
フィービー・ブリジャーズはカリフォルニア出身の女性シンガーソングライター。boygeniusやBETTER OBLIVION COMMUNITY CENTERといったプロジェクトを経て、彼女がソロ名義で2020年に出した新作は、よりアレンジが生っぽいというか、彼女らしいギターが鳴り続けている一枚だった。彼女の音色やスケールの選び方(手癖)が、SSWとしての芯を感じさせてくれて、それがとても好み。また来日してほしいなあ。
Taylor Swift - folklore
2020年、テイラーは「folklore」と「evermore」という2枚のアルバムをリリースしているんだけど、特に「folklore」は、アレンジは進化/深化しながらめちゃくちゃポップで度肝を抜かれた。ボン・イヴェールが参加した「exile」もテイラー節に満ち溢れていて、さすが地球上最強女性シンガーソングライターだなと頷くことしきり。比較的ピリッとした作風のなかで「betty」のど直球な名曲ぶりには、感涙しつつ頭を垂れてしまう。本当にいい曲なんだよね……。
Soccer Mommy - color theory
彼女のことは2020年になって初めて知ったんだけど、20歳そこそこで、お手本のようなインディーポップを鳴らしていて感動。それはつまり少し古い感じというか、90年代から2000年代初頭にすごく売れた人々のエッセンスを改めて料理しなおした感じだ。特に先行シングルの「circle the drain」のキャッチーなメロディ、少し気怠げなボーカル、しっかり鳴っているアコギ、少し浮遊感のあるアレンジ、すべてが完璧だと思う。日本でも売れそう。
羊文学 - POWERS
改めてメジャーデビューおめでとうございます! 2020年は羊文学の活動を追えただけで音楽的には豊かすぎる1年だった気がする。新曲を出すたびに強度というか純度がどんどん高まっていて、日本でインディーポップをちゃんもやってるバンドとして快い進撃をしていってほしいな。塩塚モエカさんの歌詞はとても平易な言葉しか使われてないんだけど、とても良いからすごいなと思う。「砂漠のきみへ」を聴いていたら、「離れていくきみはいま自由だね」という歌詞がすぅっと入ってきて、涙が出てきたときは自分でびっくりした。
ayutthaya - I know, right?
ayutthaya(アユタヤ)は太田美音(Vo&Gt)さんを中心とした東京のロックバンドで、とても普通にポップでギターがうるさい音楽をやっていてすごく好きになった。初の全国流通盤「Good morning」(2017)も素晴らしかったんだけど、そこからよりキャッチーさが増していてより強くなったような気がする。リード曲の「ドラマ」はギターリフとサビのカタルシスが模範的な名曲だと思う。あと最後の「devil」のアウトロは、もっともっと長くてよかった!!!!!(拙者ギターが荒ぶるアウトロ大好き侍)
SuiseiNoboAz - 3020
SuiseiNoboAz(スイセイノボアズ)は結構昔からいるバンドっていう印象で、そこまでしっかり聴いたことなかったんだけど、GFB'20(つくばロックフェス)の配信を流していて、この曲のあまりのかっこよさに画面に釘付けになった。歌ともラップともポエトリーリーディングとも言い切れない、とにかくかっこいい言葉の羅列がずがんずがん胸を打つ。終盤の「3020年までずっと友達でいよう」という言葉の繰り返しは、この時勢でこそ聴かれるべき言葉だと思った。個人的にはインタビュー(SuiseiNoboAzメンバー4人初インタビュー「一度の人生、赤レンジャーじゃないとダメでしょ」 | インタビュー - Mikiki) で石原正晴(Vo&Gt)さんが言っていた、「事実に即してることしか言いたくない。でも、その中で最大限ポジティヴなことを言いたい」という言葉が胸を打った。
蒼山幸子 - PANORAMA
ねごと解散後の幸子さんのソロワークスが本当に好き。ポップでかわいくてキャッチーで、音の幅はねごと時代より広がっている気がする。あと言わずもがなだけど、少し少年っぽい声が、本当にめちゃくちゃ性癖(?)。2019年の暮れに出たEP「まぼろし」は2020年もめちゃめちゃ聴いた。2020年にリリースされたシングル「スロウナイト」「PANORAMA」のシングル2枚はどちらも素晴らしいんだけど、特に「PANORAMA」は、ミドルテンポのなかできれいなメロディが映えまくる名曲で、幸子さん一生ついていきますという気分にさせられた。アルバム出してほしい〜〜!
ラブリーサマーちゃん - THE THIRD SUMMER OF LOVE
ラブリーサマーちゃんの最新作は、「ピチピチロックギャル」の名前に恥じないロック愛溢れる作品だった。いわゆるUKロックをはじめとする90年代~2000年代前半の音楽の影響はもちろん明らかなんだけど、ここまでまっすぐで楽しい音は、意外とこれまで誰も鳴らすことができなかったのではないかな。全編文字通りラブリーでかっこよくて素晴らしいけど、踊れてウィットに富んだ「AH!」と、世界一美しいメジャースケールリフが堪能できる「LSC2000」が大好き。わたしもエレキギターを引っ張り出して練習しています。
ハンバート ハンバート - 愛のひみつ
私的ベスト。彼/彼女らは日本が世界に誇れるインディーフォーク(字義通りの意味でね)ユニットだとわたしは思っている。「愛のひみつ」をタイトルに掲げた今作は、曲と歌の強度はそのままに、ポップさとアレンジの引き出しが増していて、より間口の広い音楽性を獲得しているように思う。特にアニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」への提供曲(動画)をセルフカバーした「それでもともに歩いていく」は本当にすばらしくて、ごくごくオーソドックスなコードとメロディと詞なんだけど、涙が溢れてしまった。奇をてらわなくても、「普通」の歌にまだできることがたくさんあるんだなあ、そう思わせてくれた本作をベストとしたいと思います。
littlegirlhiace - hellsee girl
リトルガールハイエース=ふにゃっち(@littlegirlhiace)さんは2020年も精力的に活動されていて、アルバム2枚をリリースしている。露悪的なアーティスト名に反した(通りの?)オタクらしいロックを奏でており、キャッチーなメロディとアレンジが光る名曲揃いの作品だった。「hellsee girl」のギリギリ(アウト?)なジャケットと、収録されている「ゆびさき」の「君はシンデレラの悪い夢に潰されてしまった ナタリーでそれを知り僕は落胆と同時に安堵を覚えた」の歌い出しがとにかく決まりすぎていて笑ってしまう。ギリギリコミックバンドにはなら(れ)ないしんどさ全開の裏ロキノンをみんなで聴こう。
鈴木実貴子ズ - 外がうるさい
2020年になって初めて知ったバンドなのだけど、とりあえずタイトルと声でほぼ優勝というか、ぶれない作風が伝わると思う。特にリードシングルの「口内炎が治らない」で歌われる、絶望なんて言うのが生やさしいくらいの、ただひたすら「嫌」で「辛い」感はすごい。口内炎が治らないの、耐えられないほどじゃないけど辛いよね。そんなことの集積体が、たまに制御できないほどになってしまって誰かの上にのしかかっている、そんな風景が歌われている。そして何より、普通に曲が良い‼️ 他の曲も凄みがあって、辛くて、良かった。
ZOC - ヒアルロンリーガール
2020年、わたしがサブスク(Spotify)でもっとも長時間聴いていたのがZOCで、一時期は通勤中のお供にずーっと流していた。大森靖子さんのキレッキレの詞と美メロは、まあわかってはいたことだけど本当に本当にすごくて、それをZOCという才能集団がブーストして立ち上がってくる破壊力よ……!! 「ヒアルロンリーガール」はそれが結実した超名曲で、「君を注入して可愛くなりたい ヒアルロン ヒアルロン ヒアルロンリーガール」の歌い出しでもうパンチラインだとか優勝だとかZOCしか勝たんとかいろいろ思うんだけど、サビの「死にたい言わない主義のロンリーガール」に完全に脱帽してしまった。ここまで詰め込んでるのに、歌詞がリアルタイムですーっと入ってくるの本当にすごいと思う。かくありたし……。
アザミ - エモーション・シンドローム
アザミさんはバーチャルの世界で活躍されているシンガーソングライター。例えばつじあやのさんとかエリオット・スミスとか、メロディの癖がツボすぎて「わたしこの人の作る曲だいたい好きだな」という思いを抱かせてくれる人がいる。わたしにとってアザミさんはそういうカテゴリにあって、彼女のつくるメロディはだいたい好き。Vの自作自演系ミュージシャンのなかで、頭ひとつ抜けてLOVEです。彼女の1stアルバムである本作はどの曲も好きだけど、少し内省的なアレンジと字数多め(これはだいたいそうなんだけど)な歌詞がとても素敵な「ミッドナイトトラベラー」を何回も聴いている。
[ahi:] - kumoru
[ahi:](@official_ahi)は堺ことりさんと園崎ナクラさんのふたりから成るバーチャルトラックメイクユニットで、「chill」を標榜して活動されている。インストメインで勝負しているのが硬派で憧れる! あとトラックの雰囲気もさることながら、メロディセンスが抜群なところが本当に好き。1stアルバム「kumoru」収録の「Panaché」は彼女らが所属する音楽集団・トマト組のメンバーが集結したボーカル曲で、歌詞も本当に雰囲気があって良い! インスト曲だと「Caffeine」と、2ndアルバム「mandala」収録の「Full Command」が好き。いろんなボーカリストとコラボもされているので、詳しくはTwitterやYouTubeをチェックするとよいと思う。世界に羽ばたいてほしいなあ〜。
以上です。今年も聴いたことのない音楽をちゃんと聴いていきたいな。
いいなと思ったら応援しよう!
![ブルーウェットふみ乃](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22196938/profile_90678d4a9a833c531cc11aa9ba21664b.jpg?width=600&crop=1:1,smart)