日記 2/29

昨日の夜はなんだか眠れなかった。布団の中で次の小説のアイデアを考えていたらいよいよ目が覚めてしまい、ようやく眠りに就いたのは空が白み始めた頃だと記憶している。今春はさすがに長編を書く余裕はないけど、3月末締切の新人賞に短編出してみようかな。

昼過ぎに研究室の勉強会があって、その後にバイトへと向かった。塾の教室に入ると塾長先生が派手な金髪の女性と話していて、寄ると「誰か分かりますか」と訊かれた。慌てて記憶を掘り返してみると、去年卒業した生徒だと気づいた。高校生の頃は大人しめな感じだったのに! 髪型も髪色も、メイクの感じも変わっていたから、僅かに残る面影がなければ気づかなかっただろう。話を聞くに大学生活は充実していて、自由なモラトリアムを謳歌しているらしい。そういった話を聞けるのは嬉しいし、口調なんかはやっぱり変わらないなぁと気づいて少し安心する。俺の最近の生活は常に薄暗い感じなので、やや眩しくすらある。薄めた目蓋の裏にも光は透いて見えるものだ。

バイト終わり、一旦家に戻ってからすぐにバンド練に向かった。雨足強まる中、嵩張る楽器を持って疲れた身体を引き摺るのはしんどかったけれど、明日(日付的には今日!)はライブの本番なので気は抜けない。なんとか2時間の練習が終えて飲んだコーヒーはいやに沁みた。

日付が変わってから家に帰ってきて、作り置きしておいた夕飯を食べる。明日のライブに遅刻してはいけないので、夜更かしもほどほどに寝る。

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