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久しぶりの手取り20万円代 ~実務未経験者が受託系企業に内定するまでの輝かしい軌跡~
最近話題に上がることが多いSESはよく
「人売り」(自社の技術者を客先に派遣し、マージンによって収益を上げている)
「一生下請け」(二次受けやら五次受けが多いことから)
「在庫リスクのない、経営者だけが儲かるシステム」
(人を集め、客先に送れば大きいオフィスを借りる必要はなく、在庫を保管するリスクも不要)
「童貞専門卒が9割」(真偽は誰にも永久にわからないだろう)
と揶揄される。
しかし、上には上がいて、下には下がいるのが世の定め。
そう、私こそが底辺である。
手取り16万、IT業界での業務経験は限りなく0に近い。
そんな男が再び手取り20万円代に返り咲くまでの軌跡を今回はお送りする。
国立大卒手取り16万発達障害持ち26歳
先ほど、SESについての偏見を取り上げたが筆者自身はそのようなことは思っておらず、
「とりあえず誰かの役に立ちゃあ給料も上がるやろ」
というぐらいに考えていた。
客先で働く、という点については前職の営業職時代に経験していたのでネガティヴには思わなかった。
自社だろうが他社(客先の人たち)も所詮”他人”に囲まれて働くんだからさ。
そんな私にとって、一月前に辞めたばかりの名古屋のSES、A社は魅力的だった。
入社難易度は低い、業界未経験者でもコードを書く案件に参画しているとのことで何のリスクもないように思えた。
もちろん、最初は給与は低い。
前職から半分くらいである。研修とのことで利益を生み出さないからだ。
至極当然の話である。
プログラムを書いたことのない社長による「社会人研修」と
(スーツは自分のためでなく、これから会う人のために着るらしい。そうですか)
参考書を3冊渡されての「手厚いプログラム研修」を終えれば私もガンガン働き、
給与も上がり人生万事ハッピー
かと思っていた。そんな私と底辺SESに、Fuc●in' コロ●が迫っていた。
結果として私は、1年半ほど何の仕事も与えられず
それにも関わらず毎月毎月16万円と少しの雇用調整なんとかが振り込まれることになった。
ありがたいと言えばありがたい。
とは言え、案件は私以外にも見つからず社内は殺気だった。
現場に出ている社員には「現場の人に掛け合って仕事とってこい」
待機している我々には「資格をとれ(てめえが取れや)」
と、
雇用調整助成金を右から左へ受け流す系SES企業と化した弊社の
社内チャットは活況を呈したわけである。
当時の私は、社会情勢のこともあり、ある程度は仕方がないと捉えていた。
しかし、入社より一年
私に転職を決意させる出来事が降りかかる。
2021年4〜7月
それは、営業担当の、目が死んだ大阪出身なのに喋りが下手なおっさんに
「業務経歴書を書いてくれ」と言われたことである。
この、「業務経歴書」というのは現場に入ろうとする上では
ほぼマストな書類で、これを見ながら「面談」というのを客先の方が行い、
その結果に応じてその案件に参画が出来るかが決まるものである。
つまり、そんな重要なものを1年近く私に書かせなかったということは、
少なくとも1年は私に経験を積ませる気など、会社にはなかったということ
に他ならないのである。
しかし、ここで疑問が浮かんでくる。
「社員を働かせずに、経営は大丈夫なの?」
心配はご無用である。
私一人分で会社が受け取れる雇用調整助成金
と
私が受け取る給与
を比べ、その差額がどこに行ったのか。
皆まで言わずとも問題はないだろう。
本章の冒頭で紹介した営業担当は、社長の古くからの知り合いである。
それ以上でもそれ以下でもない人間である。
彼の残した実績は、コードをガンガン書ける人間をヘルプデスク(電話番。スキルがつくかは運次第)案件にぶち込み、精神を追い込み3人もの人件費を削減したことが挙げられる。
そして弊社は名古屋駅の近くに会社名義でマンションを借り、そこに営業担当が住んでいる。
超絶アクセスの高層マンションの家賃は会社から出る...。
雇用調整助成金はそこに入っていたか、いつか知りたいものだと今になって思う。
かくして私は退職を決意した。
4月
どうしようか、と考えていたところにTwitterで「実務未経験可」
の求人を見つけた。
当該求人はSESだったが、いい会社であればマージンはくれてやってもいいし
同僚が童貞だろうと私は気にしないので応募し、
最終面接を突破
無事不採用(2週間音信不通の末)
を頂いた。
どうやら人事部が私を採用しようとしたが、稟議が通らなかったそうである。
彼らは「HR」と名乗っていた。Human Resourceだか何だかの略らしいが、
HR(ホームラン)級のバカに茶番に付き合わされた私は笑う他なかった。
(文句があるなら出てきやがれ)
しかし、これが実務未経験者に対する一般的な扱いである。
育つかもわからない人間に使う時間も金も、社会のどこにもないのである。
あるとすればそれは罠というものでございます。
5、6月
先月のひどい目にあった経験から、私はポートフォリオなるものの製作にかかった。
思うに、どれだけコードを書けるか、諦めないかをそれによって示せなかったために、アホンダラHRにいいように遊ばれたのだ。
なら作るかと思い、やってみたら気が狂うかと思った。いや、気が狂うぐらいでないとやれないのか。
やったこともない要件定義、画面設計etc...
幸い自宅待機状態だったが、
会社のおじさん連中にマージンという名の上納金を納め、ベンチャーのHRにふざけた扱いを受ける人生への恐怖、未経験者を馬鹿にするエンジニアのツイートへのルサンチマンがなければ私はやり遂げられなかっただろう。
え?作りたいものがないけどポートフォリオ作って自社開発()企業に転職したい?
作りたいもんないんやったらやめたらええやん
リモートワークがしたいなら内職すればいいよ、家で働きたいんでしょ?
...これぐらいのことには耐えられないとこの時期にエンジニア転職は厳しいですね。はい
就職活動の方は、無事他のSESから内定が出て現職(雇用調整助成金を右から左へ受け流す系SES企業)に辞意を伝えた翌日
静岡のヘルプデスク案件しかないです。
と多分顔採用の女性社員に言われ、断ったら電話口で罵倒され、
「てめえが電話番やらんかい」と言い返したため
9月までに他企業から内定がないと晴れて無職
という状態に陥るなどした。
7月
そして、先日何とか受託/SES企業からスカウトが来て、なんとかギリギリ人生を繋いだわけである。
手取りが増えたので、やっとディスプレイでコードを読める。
みなさんこうならないように。計画性も何もあったものではない。
常人なら迫り来る無職の恐怖で面接通らない可能性が高いので。
スカウトが来たのは、大学での専攻と営業経験を転職サイトのプロフィールにきちんと掲載していたからだそうであるので、皆様も今一度推敲をお勧めする。
総括
まあ、私含む所詮大部分の人間は景気に左右されるだけの存在なので、転職は時期を考えて、
やれるだけのことやって、会社ガチャ回すしかない
ということですね。
私も完全運でキャリアを繋いだだけなんで。
あと、「受託は負け組」とか言ってイキってる方はTwitterアカウント教えてください。
オモチャとして監視しますよ
では
以上
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