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2拠点生活開始にあたり不安に思ったことと、乗り越え方
2024年12月25日。クリスマスの朝。
寝ている息子を抱きかかえてタクシーに飛び乗り、我が家は羽田空港から新千歳空港に向けて飛び立った。
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40代カップルと4歳児のユニットの我が家は、来年1月中旬から東京⇆北海道・室蘭の2拠点生活を開始する。
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東京(中央区)の私の賃貸マンションはキープしつつ、北海道室蘭市にパートナーが新たに家を借りた。息子とパートナーは住民票も室蘭に移し、主に室蘭拠点で生活する。一方、私は住民票を東京に残したまま、東京と室蘭の往復生活をする予定だ。やってみないとなんともだけど、月に1〜2回くらい往復して、一度東京に行ったら数日まとめて対面の仕事をこなすイメージ。
なんで2拠点生活をすることになったのか。
それは以下の記事を見ていただくとよくわかると思います。
◾️決断の裏には、当然不安もある
さて、教育目的で2拠点居住を開始したなんていうと、なんて息子思いな親なんだ、とか、悠々自適でいいな、などと思われるかもしれない。
でも、当たり前ですけど、内心不安もある。
例えば、、、
1、仕事面の機会損失
私は自営業です。自分自身が仕事の武器であり、コンテンツです。私は飛び抜けた才能があるわけではなく、フットワークとコミュニケーション能力でたくさんのチャンスを掴んで来ました。が、2拠点生活が始まれば当然東京を不在することが増えます。
まして私は今、PRパーソンからアントレプレナーシップ人材の育成側にキャリアの幅を広めようとしているところです。アントレ関連でビジコンの審査員や講演の依頼も増えてきました。が、拠点が半分北海道となると、そういった依頼にも響くかもしれません。
2、金銭面の不安(主に移動費)
地方移住は生活コストが下がるという話があります。実際にそうだと思います。室蘭の一軒家の賃料は、なんと東京のマンションの1/3です。が、我が家に場合、東京の自宅は東京の拠点としてキープしているし、そればかりか移動は基本飛行機になります。しかも仕事の予定なんて直前にならないとわからないものも多く、割高のフライト代になりがちです。
3、パートナーへ負担
元々私は稼働の95%がテレワークの人間でした。が、対面の仕事が増えている(というか機会獲得のために意識的に増やしている)状態なので、自然と家を空けがちです。そうするとパートナーが息子の相手をすることになります。パートナーも自営業です。稼働時間の減少は、機会損失に繋がります。プロフェッショナルな人間として、同じくプロフェッショナルとして生きる人材の成長や可能性を奪っているのではないか、不安になります。
4、息子が寂しくならないか
息子のための移住ですが、私の東京出張が増えれば息子と離れて暮らす時間が増えます。うちの息子は超絶ママっ子で、空きあらばチューをしてくるような子です。彼のためと言いながら、彼が最も好きなママとの時間を奪うことにもなるこの選択は、本当に彼のためになるか、若干の不安があります。
5、小学校以降をどう過ごすか
今回の移住の一番の決め手は、息子が好きな幼稚園・先生との出会い、そしてお友だちとの出会いです。つまり、幼稚園ありきで移住を決めたので、2年後がノープランです。ここから2年かけて、また全国を巡りながら、息子が過ごしたいと思う土地や学校を探していこうと思っていますが、一度室蘭に息子の拠点を移すことで、なんとなく息子の世界が固定化されてしまわないかは気になります。
特に、なんだかんだビジネス的な価値提供に強い意欲を持つ自分からすると、1と2の不安はなかなかのもので、移動費をケチって機会損失してビジネス分野でオワコンになるという悪循環にハマったらどうしよう、という不安は移住開始日が近づくほど膨らみました。
「膨らみました」、つまり過去形です。
◾️下準備のために室蘭へ。
上記に列挙した不安を抱えて、2024年12月25日のクリスマスの朝、我々は室蘭に向かいました。本格的な2拠点開始は1月中旬ですが、その前に家の状況を見て、特に暖房関係と生活必需品(冷蔵庫など)の手配をしておきたかったのです。室蘭の家は賃貸の一軒家ですが、前の入居者が抜けたばかりに内覧し、契約後かなりリフォームしてくれたので、最終的な家の現状を契約時に見れていませんでした。
で、雪の新千歳に降りたって、レンタカーで室蘭まで向かう中で、これまで短期移住中(室蘭には2回、その近隣にも1回、それぞれ1か月近くの短期移住を経験してきました)に見てきた様々な景色が見え、思い出が浮かび、息子が室蘭で暮らしたいと言った時の、未来がポジティブに拓けているイメージありありと蘇ってきました。
そして室蘭の家に到着し、きれいにリフォームされた室内にテンションが駄々上がりし、ご近所周りをして、ニトリやDCMを回って家具を見まくって、、、もう、テンションMAXです。この暮らしに多少のハードルはあるかもしれないけれど、それすら私の人生にポジティブに作用する。そう確信しました。
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◾️何事も、やってみなきゃわからない
これは何についても言えることですが、私は基本的に、
「やってみなきゃわからない。」
「やらない後悔はありえない。やってみてチューニングする。」
「なんか違ったら勇気ある撤退。」
という行動指針をしています。
今回も、リスクは当然感じているけれど、室蘭の暮らしに興味があるならまずはやってみよう、だってやってみなきゃわからないじゃないですか。
で、大事なのは「チューニング」と「勇気ある撤退」です。
「チューニング」は「妥協」や「諦め」とはスタンスが違います。自分が実現したいことを叶えるために、ポジティブに適合していくことです。
理想があって、そこから少しでもずれたらいやー!というのでは、なかなか物事はうまくいきません。理想をぶつけてみて、現実と照らし合わせて、そこからより良いものを生み出していく。理想をより良くしていく行為です。
そして「勇気ある撤退」。
ダメならやめればいいんです。で、辞めるというと、ネガティブな印象だったり、元に戻っちゃうor進歩していない印象があるかもしれませんが、「やって戻る」のと、「やらずに現状維持」では全く意味も得られるものも違います。
「やってみた」の結果や知見が得られて、仮に同じ状況に戻ったとしても、中身は数段アップグレードされています。
にも関わらず、「やめる」「撤退」というとネガティブなイメージを抱いたり、人の目線を気にしたりして選択が鈍ることがありませんか?
それで、イマイチなものを継続していても時間と精神的パワー無駄です(耐久性アップにはつながるのでそれも無駄ではありませんが)
「逃げの撤退」は、時に自分のトラウマになったり、人を傷つけたりしますが、試行錯誤した結果の撤退は「勇気ある撤退」、または「撤退」とすら言わず、むしろ「新たな挑戦」なんじゃないでしょうか。
まとめると、「とりあえずやってみるしかない」と思います。
私が運営に関わっている武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の授業で、ある学生が言っていました。
「自分の選択を正解にする」
と。
共感しかありませんでした。
とにかくやってみる。
試行錯誤する。
走り続ける。
こうして室蘭での下準備はひと段落して、年末年始は東京です。
行くまではモヤモヤしていた不安も今は一切無くなって、可能性しか感じません!これからが楽しみです!
1月中旬からいよいよ本格的に2拠点生活をスタートさせますので、お楽しみに!
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