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地域密着の子育てに感じる魅力【2度目の厚沢部保育園留学 Vol.2】

こんにちは、エイミーです。
「保育園留学」で2度目の厚沢部町「はぜる」に来て、もう1週間が過ぎようとしています。前回の記事はこちら↓

この記事では、厚沢部町のお隣、「乙部町」のお祭りに参加して感じた、地域密着で子どもを育てることの魅力について書きます。

■乙部町の花火大会、そして夏祭りに参加!

乙部町は、私たちが滞在している「厚沢部町」の北西にある町です。場所にもよりますが、厚沢部の家からは車で20分ほどで行くことができます。前回の滞在時から、乙部町が気に入って頻繁に温泉に入りに行ったり、ご飯を食べに行ったりしていました。

国土交通省「渡島地域(北海道)」より

余談ですが、この函館を含む半島を「渡島半島(おしまはんとう)」と言います。で、津軽海峡〜太平洋・噴火湾に面したエリアを「渡島地域」、日本海側に面した地域を「檜山地域」と言います。厚沢部は内陸の町ですが「檜山地域」に入ります。同じ渡島半島でも、面している海が違うと、まったく気候や雰囲気が変わるというのが、2度も滞在している我々の感想です。
それぞれの地域の人口分布についてまとめた記事を見つけたので貼り付けておきます。2020年の国勢調査をもとにした情報なので、現時点とは少し違いがあることをご了承ください。

で、話を戻します。

今回は、偶然、乙部町のお祭りと滞在時期が重なって、2夜連続でお祭りに参加してきました!
初日は乙部町ふれあい交流花火大会! なんと、3500発の花火を最前列から見ることができました!

乙部町の花火大会

花火大会が終わると同時に、乙部町内の各地域の山車が一気に動き出し、祭りはヒートアップ!うちの息子はお祭りが大好きで、一生懸命山車を引いて、最後は上に乗せて頂きました!!!

山車に乗せていただきました!

ちなみに、うちの息子はお祭りが大好きでして、翌日も乙部町まで遠征して山車を引かせて頂きました(笑)

ご機嫌で山車を引く息子

■祭りから学ぶ、地域密着で子どもを育てることの魅力

さて、ここからがこの記事の本題です。
私はこの祭りを通じて、改めて、ある程度人口の少ないエリアで子どもを育てる意義を感じました。

そもそもの背景を説明すると、私自身は埼玉県にある農村で生まれ育ちました。小学校入学当時は、1クラス20名くらい×2クラス、という規模感でした。

途中、隣のエリアで大規模なベッドタウン開発が起きて小学校卒業時には子どもの数は倍くらいになりましたが、マインド的には「高齢者中心の農村で、豊かな自然の中で、少数の子どもたちと育った」という認識をしています。

実家の畑

そんな私は、正直、地方(特に伝統的な農村地帯)の良さも悪さも、私なりにわかっているつもりです。地域密着というと良いですが、変わらないメンツ、よくわからない伝統や監修、会ったこともない何代も前のご先祖様の逸話や陰口。特に、私の場合は「女性」ということで、「勉強してどうするの?」「え、大学に行くの?」「女は男の後ろを立って歩け」的な空気がものすごかったです。

私の親は、決して私にそういうことを言いませんでしたが、周囲が影で言っていること、求めていることを、子どもは敏感に感じ取ります。で、そういう空気を浴び続けると、それが普通だと思ってしまうんですよね。

今となっては信じられませんが、30歳になるくらいまで、私は「男性をキッチンに立たせる女性は、女性として終わっている」と本気で思っていました(今はそんなことありませんのでご安心ください・苦笑)

さて、背景の話が長くなりましたが、何が言いたいかというと、私自身は必ずしも「いなかで子育て」みたいなものに憧れがあるわけではない、むしろ苦労した側面もある、ということです。(もちろん地域、出会った人々によると思います)

ただ、窮屈で東京を目指して飛び出した自分ですが、実際に子どもを育てる側になってみると、自分がかつて経験した農村の良さを思い出すことも多々あり、色々リサーチしているというのが現状です。そんな中で、今回の乙部町の祭りでは、改めて「地域密着の子育てっていいかも」と思った次第です。

それは、乙部町の各地域ごとに管理する山車の上で元気にお囃子を踊る子どもたちを見ていて、思いました。

山車のひとつ「大黒山」

地方のお祭りって、東京や、有名観光地のお祭りと、立ち位置が全然違うように思います。後者は、観光客などの外の人を意識している「見せる祭り」の要素があるけど、観光地化してない本当の地方のお祭りって、純粋にその地に住む当事者のための祭りだと思います。当事者が、楽しみ、祈り、つながるための祭り。

そういう祭りで、土地の子どもたちは宝です。乙部町では6台の山車が町内を練り歩きますが、その上には地元の子どもや若者が乗り、太鼓を叩き、掛け声を出し、踊ります。それぞれも山車の周りにも地域の子どもが集まって、思い思いに踊ったり、山車を引っ張ったりします。

ちなみに乙部町の人口は、約3000人です。
で、そのうち約9%が、生産年齢人口(15-64歳)より年少の世代なのだそうです。
つまり14歳以下の子どもの数は約270人。
ものすごく雑に、6つの山車で均等割して、1地域あたり45人の子どもがいることになります。

山車に乗っている子どもの数を見ると、山車によってばらつきはありますが、多いところでざっと10人くらいいました。その周りで山車を引いている子、踊っている子を入れると、それぞれ20名〜の子どもたちがいたかと思います(ものすごく雑な計算&目測です)。

そう考えると、どうやって山車に乗る人選をしているのかは不明ですが、地域の子どもの中からなにかに抜擢される確率が、都市部より圧倒的に高いことがわかります。

■人を育てる「累積矢面時間」

トライバルメディアハウス代表の池田紀行さんは「ビジネス上の戦闘力は、累積矢面時間に比例する」とおっしゃいます。元々は、野村総合研究所 ICT・メディア産業コンサルティング部 主任コンサルタントである鈴木良介氏の言葉だそうです。

「矢面」とは、矢が飛んで来る正面、つまり、敵や課題に最前線で向き合っている状況です。誰かの背中の影に隠れるわけでもなく、代理でもなく、自分自身として表舞台に臨む状況。

池田さんからこのお話を聞いた際に、比較的子どもの頃から矢面に立ちがちだったし、それによって成長できた自負のある私は、首がもげそうなほど納得しました。

で、乙部の祭りで山車に乗って太鼓を叩く子どもたちを見て、都市部に比べて、地方は必然的に「子どもに累積矢面時間を積ませる機会が多い」と気づいたのです。

余談ですが、私が今住んでいる東京のマンションは、仮に1家族3名で計算すると、3000人が一つのマンションに住んでいる計算になります。一つの村ですね。。。そんなマンションが複数集まって、自治会やら、学校やら、様々な集団が構成されています。よほど張り切らないと、矢面にも立たせてもらえない。

子どもだったら、誰彼重宝してチヤホヤしろとは思いません。
が、子どもの頃から表舞台を経験し、自分の名前や存在に使命感を感じ、子どもながらに責任を感じ、試行錯誤することは、確実に成長機会や自尊心の醸成につながります。

北から南まで、さまざまな地域を訪問してきた私ですが、これほど明確に、地域密着で子どもを育てることの魅力を感じたことはなかったので、この記事にまとめました。

乙部町のみなさん、素晴らしい花火と祭り、そして気づきをありがとうございます。

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