(※予言的中しました)Apexの新しいランクシステム 手放しには素晴らしいとはやっぱり言えなかった

この記事は5/16に執筆された物です。

・前提として

Apexのランクシステムが大きく変わった。
仕様に関しては他の方が説明してくれているだろうし、このような記事を見に来ている方は概ね今のランクシステムに興味を持ってくれている方だろうから割愛させていただく。

前提として、この記事は新システムを否定するものではない。
筆者個人としてはApexのランクの新仕様は嬉しいものだ。



・今回のランクマッチはこのような層に好評

今回の新システムはゲームをやり込む層真面目にゲームを遊びたい層上達を実感したい層には受け入れられている印象だ。きちんとしたランクシステムと降格保護がないランクマッチ。ランクマッチというのは筆者の中でもこういうものだ。

しかし、今回はあえてこのような記事を書いた。
新システムの実装は、果たしてゲーム全体の利益につながるのだろうか?



・商業的な観点で今回の舵取りが正しいとは思えない部分がある

実際のところ、今回のランクシステムを喜んでいない層は確実にいる。
そして、その喜んでいない層の中のプレイヤー達がApexをここまで活性化させのではないだろうか?

例えば――

・Apexをコミュニケーションツールとして大雑把にわいわいやりたいだけのプレイヤー

・気楽にランクを上げられるシステムが好きなプレイヤー

・ぬるかろうと特定ランクに到達できたことが楽しいと感じるプレイヤー

・他人に対してうまぶりたいだけ(適正での過酷な勝負などやりたくない)のプレイヤー

・真剣な勝負を心の底では望んでいないプレイヤー


――などだ。このあたりの需要は今のカジュアルでは完全に満たすことはできない。



こういう意見は今回のランクシステムを受け入れているプレイヤーからすれば『甘えている』『なまっちょろい』『根性無し』と言いたくなるかもしれない。筆者も正直に言うとちょっとどうなんだろうと思う側の人間だ。
しかし、それは個人の話であってApexには事実こういった層がかなりいて、まさにそういう層に向けて作られたなんちゃってランクシステムだったから日本市場でここまで大きくなれたゲームではないのかとも思うのだ。



筆者は以前、昔のランクシステムについての記事を書いていた。この中でもガチすぎるランクシステムを受け入れられない層が多数存在するという点に
ついて危惧している。

ガチゲーとカジュアルゲーの完全両立は事実上不可能だと思っている。それを実現できたゲームというのは少なくとも筆者が遊んできたゲームの中には存在していなかった。
その中でもApexは「ガチな雰囲気を僅かに醸し出すカジュアルゲー」という認識でそれが故にカジュアル層の多い日本で支持を受けている節があったが、今回のアップデートで「ガチな雰囲気に両足を踏み込んだガチゲー」に寄ってしまった。今回の舵取りは今後のプレイヤー層が変わりかねないし、人口問題に直結する可能性もある。他の記事で何度も言及しているが、日本ではゲーマーの総人口が少ないためカジュアル層を受け入れられないとゲームが流行らないのではないかと思う。

というわけで、筆者はこういった目線から『手放しには素晴らしいと言えない』という意見を持ったというわけだ。
決して、今のランクシステムやそれを楽しむ人々を否定したいわけではない。実際、個人的には筆者はこっちの方が嬉しい。
しかし、それでも、そんな筆者が知っている似たようなランクシステムのあるゲームはlolや格ゲー、Valorantなど1試合1試合が疲れる(しんどい)ゲームであるというのもまた事実だ。


『S13のランクシステムはライトユーザーを切り捨てているわけではない』

が、

『Apexのなんちゃってガチ環境を楽しんでいたカジュアル層を丸々切り捨てた
という考え方はできるのかもしれない。

また、単に新しいシステムの評価として手放しには褒められないと感じる点があったので言及させてほしい。




・ランクの名称を変えるということをしなかったRespawn


まず、システムを一新していながらそれぞれのランクの呼び名は変わっていないのが気になった。ブロンズはブロンズのままだし、シルバーはシルバーのままだ。マスターやプレデター辺りにランクを新設するようなことはしておらず、ブロンズのさらに下にルーキーを設置するということをしてしまった。
システムは新しいのにランクの名称を同じままにしてしまった結果、大多数のランクを遊ぶプレイヤーに『前シーズンよりも低い適正ランク』という額面上の事実を突きつけることになってしまっている。
この事実を受けて『ランクは下がったけどそれぞれのランクの価値自体は上がっているのだ』と綺麗に割り切れるプレイヤーは果たして何割くらいなのだろうか?
実際にその認識がプレイヤー全員に伝わるかというと伝わらないだろう。


新システムで厳しい振り分けをした結果、多くのユーザーが今までよりも下のランクに振り分けられるようになってしまった。その結果ランクを遊んでいる沢山のプレイヤーに「自分のランクが下がってしまったという」視覚上の事実を突きつけた。

そう感じたプレイヤー達全員に「ランクは下がったけどそれぞれのランクの価値自体は上がっているのだ」とか、上記のツイートのような割り切りをするのは現実問題難しいだろう。





・キルを取りまくった上でチャンピオンを取ってもランクが上がっていかない

これに関しては謎としか言いようがない。連続でキルを取っていたりチャンピオンを取るようなプレイヤーはさっさと上のランクに飛ばすべきだ。シーズンを経てランクの下がり幅が今よりも下がったとしても、サブアカウントのスマーフのことを鑑みれば尚更だろう。
ガチ環境を容認すればするほどに、プレイヤーの真剣度は上がる。その真剣度を真正面から否定するようなプレイヤーを萎えさせる仕様にしてはいけない。上手いプレイヤーは、さっさと上に飛ばされた方が良い。




・次の課題はカジュアルマッチの改善?

兎にも角にもこのようなランクシステムを導入したのなら、カジュアルマッチで今回切り捨てたユーザーの受け皿を少しでも広く作らなければいけないように感じる。
ちなみに筆者の周りで「以前のランクシステムを丸々カジュアルマッチに入れれば、キルを取りながらの練習もできるし、開幕突撃も減るのでは」という意見があった。

次シーズンのApexのランクシステムはどう変わるのだろうか。気になるところではある。


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