スマブラ次回作をやり込むプレイヤーが持つべき心得【バランス調整に期待するな】
任天堂のゲーム、特にスマブラシリーズはその優れたゲームデザインにより、自然とやり込むプレイヤーを引き寄せる。
確かに、やり込むプレイヤーこそがスマブラというゲームを一番長く遊び、コンテンツの話題性を維持してはいる。
しかし、任天堂がその層を主要なターゲットとして見ているか、コンテンツの人気を維持する要素として評価しているかは疑わしいところだろう。
商業的な視点で見ると、やり込むプレイヤーが必ずしも任天堂のビジネススタンスに合っているわけではない。
他のゲームで任天堂はDLCコンテンツを販売することはあるけれど、継続的な課金スタイルを率先的には採用していない。
↑スマブラガチ勢のために作られたゲームであるRivals of aether2などではスキンやカラーバリエーションの販売が常に行われておりラインナップも豊富で切り替わりも多く、長くゲームを遊ぶプレイヤーをターゲッティングしている。
しかし、スマブラという作品はパッケージの買い切りが基本であり、ここまで課金が重視されるゲームデザインではない。
そもそもスマブラは、キャラクターを楽しむ要素が強い「キャラゲー」である。こういった「キャラゲー」は、どうしてもバランスが悪くなりやすい傾向がある。
その理由は、他の対戦ゲームのように「ゲームに合わせてキャラクターを一からデザインする」わけではなく、各キャラクターに元となる作品が存在しているためだ。
元の作品の個性を残しつつゲームに登場させるため、キャラクターを別のゲームに合うように調整するのが難しくなり、バランスが崩れやすくなるのだ。
↑これまでにもスマブラではある程度のバランス調整が行われてきたが、やり込むプレイヤーへのリップサービスの域を出ていない。キャラクター追加が終わった後の継続的なバランス調整なども行われなかった。
↑過去のシリーズを振り返っても、スマブラXのメタナイトやforのベヨネッタ、そしてSPのカズヤやスティーブなど、最終的に調整仕切れなかった環境を破壊するキャラクターが存在した。これに不満を感じるプレイヤーは少なくなく、結果として環境が変わらないと理解した段階で大量のプレイヤーがゲームから離れていったし(筆者もそちら側の人間だ)。
そして結局、どの作品でもそういった環境を容認できるプレイヤーだけがゲームに残った。
Xからこの流れはず〜〜〜っと変わっていない。
スマブラをやり込むプレイヤーはいい加減学ぶべきで、まず間違いなく、次回作でも同じようなことは起こるだろう。
そうなるのも当然のことだ。なぜなら……
↑任天堂のメインターゲットは、ゲームを長くやり込む層ではなく。
スマブラのオープニングの「あそびかた」を見てそのまま遊ぶようなカジュアル層だからだ。
↑結局のところ、スマブラとはそういうゲームなのである。
このスタンスは、特に日本の任天堂のプロシーンに対する姿勢を見ればわかる話だろう。
↑任天堂のハードウェアも高性能なゲーム機というより子どもが遊ぶための玩具のような設計となっている。
実際、任天堂Switchはデフォルトで入力遅延があったし、回線も若年層やネットワーク環境が弱いプレイヤーを尊重した仕様となっている。これら諸々の事情は、スマブラSPを本気でやり込もうとするプレイヤーに対して常に優しくなかった。
↑そして、当然スマブラのプロプレイヤー達はそんな事情を覚悟した上でスマブラというゲームに取り組んでいる。
だからこそ、スマブラ次回作発売前の今、プレイヤーは事前に覚悟しておくべきだろう。
大切なのは、やり込むプレイヤーは次回作のスマブラのバランス調整や仕様に対して「過度な期待を抱かない」ということだ。
調整の少ない環境にフラストレーションを感じるのではなく、現状を理解したうえで楽しむ姿勢が、スマブラを長く続ける秘訣だと思う。
・なぜこの記事を書いたのか?
現状溜まりすぎているプレイヤーの怒りを少しでも抑えたかったからだ。例えば、接客業の辛さを理解してたり、厳しい労働環境を理解している人間はコンビニで目の前の店員に対して怒りを抱えて怒鳴ったりはしない。
なぜなら、怒りが発生する原因や構造を理解しているから。
その一方で、苛立つ人はストレスを取り巻く環境や構造を理解できていないから目の前の事象を受け入れられずにイライラしてしまう。
この例えと同じように、イライラしながらゲームを続けてキャラクターやシステムを長期にわたって批判するのは不健全だし、あなた自身のためにならない。
↑スマブラSPでは苛立ちを言語化上手くできなくて、目の前の画面の中のキャラクターどころか、プレイヤーを誹謗中傷するような事態すら起こってしまっている。これは良くないし。こんなネガティブな流れは次回作で加熱してほしくない。
同時に、だからスマブラの次回作を遊ぶな 嫌ならやめろとまでは言えないし、言うつもりもない。
↑はっきり言って、やり込むプレイヤーの視点でいえば、プロシーンのゲームバランスだけを重視するならこの『Rivals of Aether 2』などのスマブラクローンゲーの方が対戦ツールとしては本家スマブラよりも遥かに優れているとおもう。
だけど、実際は誰もそれを遊んでいない。(海外では人気沸騰中だけど)
理由は単純で、「みんながやらないから自分もやらない」という心理が働いているからだ。
要するに、人が多いゲームをプレイしたいという気持ちは理解できるという話であり、周りの、親しい友達や知り合いが遊ぶから次回作のスマブラと向き合わないといけないプレイヤーだっているだろう。
そういうプレイヤーがスマブラの次回作と向き合って、ゲームやキャラクターや開発者の調整に苛立ちを隠せなくなった時に、この記事のことを思い出して、上手く自分の中のいら立ちに折り合いをつけてゲームを割り切って楽しんでほしいと願っている。
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