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手のひびきと、岩の神様。その2


それは、京都にある神社で。特徴のある彫刻が施された石の鳥居が、異世界や古代遺跡のような雰囲気があるとも言われています。

もう、神主さんもいらっしゃらなくて。無人のため、倒木や、台風による被害で。お社や鳥居、狛犬なども所々倒壊してしまっている様子でした。

最初に写真を見た時に、その石の鳥居は、100年以上前とか、そんなに古いものではないように感じました。また、苔むしていて、様々な神仏や女神像なども彫られていますが、もともとは、この地の神さま方への崇敬の想いを持った方が奉納されたのではないかなと、まだこの鳥居が新しく、神様を訪ね、この鳥居をくぐる方が沢山いたころのことを想い、胸が痛くなりました。

そして、写真に意識を合わせて、鳥居の奥へ、更に奥へと辿っていくと。
お山の神様の強い気配を感じました。
ここは、もともと、とても古い時代から信仰されている、霊山だったのではないか。まだ、神様はちゃんといらっしゃる。
なのに、どうして、こんなに廃れて。まるで廃墟のようになってしまっているのだろうと、悲しくなりました。

その後、神社の名前が分かったので詳しくいろいろと調べていきました。

すると、この神社はやはり山にあって。仏教伝来以前の、古代信仰である磐座信仰の形態を残す神社だということがわかりました。
古代から祭祀が行われてきたお山の神様だったのですね。

山の中腹より山頂にかけてが神社の境内になっていて、山頂付近の巨石の大岩を男神として。小岩を女神として祀っています。

この、ご神体である岩は、難病を治癒する力を持つ「霊石」としても信仰されていたそうです。
古来より、「難病の神さま」として、特に胸から上の病。
結核治癒、精神の病の平癒などに篤い信仰を集め、かつては全国各地より参拝する人々が集ったそうです。

江戸時代末期に山火事があり、全ての古文書なども消失したため、創建の詳細は不明ですが。
云い伝えられてきた、この神様の伝説があって。
それを知った時、わたしはとても深く心に響いて。

ああ、わたしはいつか必ず、このお山に登拝させていただき。
たくさん、境内に祀られている神さま、そして山の男神さま、女神さまにお会いしに行こうと決めました。

その3に続く*

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