[第15回] 「過ぎ去った季節について」

 少しずつ涼しくなっている気がする。

 今回はアルバム「過ぎ去った季節について」です。最初は「永遠の畔り」だけを語ろうと思ったのですが、せっかくなのでアルバム単位で語ろうかなと。
 このアルバムは漫画「寿命を買い取ってもらった 一年につき一万円で」のイメージソングだと思われる曲です。(思われるというのは囁一さんが明確にはそうだと言ってないから) まあでも歌詞を見る限りこれは寿命~の歌でいいと僕は思っています。
 CDの中身としては
 1.灰色の夏(ピアノオンリー)
 2.永遠の畔り
 3.後書きに代えて(ピアノオンリー)
 となっていまして永遠の畔りがメインの曲になっています。pianismicシリーズみたいです。

 僕がこの「永遠の畔り」を感傷ベクトルトップ5に入れている理由なのですがそれは「夏の空気感」です。夏の朝のような少し涼しい空気感、でもこれからいやというほど熱くなるんだろうなという感じ。ラジオ体操にいってた頃を思いだします。今ってラジオ体操あるの?
 あとは夏の映画のエンディングを聞いているみたい。あんまり映画見ないんですけど…。CMで流れているのを何となく聞いている感じ。二番のサビの「たわいない憧れが~」のところが流れてナレーションがはいってセリフが流れて最後にタイトルがどーん的な、言ってること伝わってますかね?
 

 あとこの曲がトップ5に入っている理由がもう一つあります。それは「いつかこの曲が本当に刺さるんだろうな」という期待値が高いことです。この曲は「当たり前の日常を愛おしく思う」曲です。いつかは来るであう別れのときに聞く曲だと思っています。でも今はその時ではない、でもそれはいつか来るからこそ、期待値が高めになっているのです。

好きな歌詞です↓
 「あと何度の朝を迎えられるのだろう
  いくつの言葉を交わせるのだろう
  いつの間にか沈みかけた日が落ち
  二度と来ない今日が終わる」
 絶対にいつか刺さりますわこんなの。

 「手遅れになるたびに 終わりを知るほどに
  全てが美しく見えて たまらなくなるんだ」
 後夜祭でも似たようなことを言ってましたね


 さて原作のお話です。
 原作は三秋縋先生の「三日間の幸福」です。ちょうど僕が初めてのライブの時に連載決定のお話をされていました。周りは盛り上がっていたのですが僕は「誰?」ってなってました。まあそのころは小説とか読んでなかったので当たり前なのですが。家に帰って原作をネットで調べて立ち読みしたところ「へー面白いなー」っていうぐらい。そこから一か月ぐらい空いて連載が始まり第1話と2話をよんだらこれが面白くてもう。続きが気になる、でも次は一か月後、ええいそんなに待てるかと思い本屋に駆け込みました。活字に弱い僕でさえすらすらと読めてしまいました。そこからは三秋縋先生にハマってしまい読書の道へと…。
 すごいですよね、三秋先生。こんな考え方したことがなかった。なぜこんな考えができないのだろうか。そういう気持ちに陥ってくれるところがいいです。あと女の子が最高にタイプ。こんな青春を送りたかった…。
 (余談ですが三秋先生推薦の「引きこもりの弟だった」(作:葦舟ナツ先生)も最高に最悪な気分にさせてくれます。もしよかったら読んでみてください。)
 このお話でよく覚えているのはクスノキとミヤギがデートの予行演習のようなものをしていてクスノキが性格というものについて語る場面です。クスノキは性格について「どういった状況に陥りやすいか」と語っています。確かにな、って思います。僕もそうであるからです。みんなといる時は常にくだらないことを言って場を楽しい雰囲気にすることが多いです。しかしそれだけで僕は明るい性格だ、とは言い切れません。なぜなら一人でいる時は僕は暗い人間だと思うからです。まあ誰しもそうであるかもしれないですけど。だからこそこのクスノキのいっていることは理にかなっていると思います。そして今僕は一貫性が本当に必要なのかということを考えています。この話はまたどこかで。

 そういえば今年は「平成最後の夏」といわれていますが、僕はこの呼び方好きではないです。何か特別なことをしろよ、と言われているようで嫌だからです。僕のこの夏はクーラーの利いた家でゆっくりこのシリーズを投稿することと決めています。海に行ったり祭りに行ったりはしません。「特別なことをしない」をする。それこそが僕の夏の送りかたです。
 

 次回は「孤独の分け前」です。


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