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【若者減税】ポルトガルでは35歳以下がゼロに!?日本が学べる点が多すぎる...

こんにちは、読者の皆様。今回はポルトガルで実施される若者向け減税政策と、2024年の総選挙での政治情勢についてお伝えします。


ポルトガルの新政権と極右政党シェーガの台頭

2024年3月の総選挙で、ポルトガルでは中道右派の社会民主党(PSD)が勝利し、極右政党シェーガ(Chega)が躍進しました。特に注目すべきは、このシェーガが議会で大きな影響力を持つようになったことです。

PSDは少数与党として政権を運営していますが、議会でのシェーガの存在感が今後の政策決定に大きな影響を与える可能性が高まっています。

この政治的な変化は、ヨーロッパ全体で見られる極右勢力の台頭を反映しており、ポルトガルもその例外ではありません。過去に穏健だった国々でも、経済的な不安や移民問題を背景に極端な立場を取る政党が支持を集める傾向が強まっています。


若者減税政策の背景と狙い

ポルトガル政府は、長年の経済的停滞と高い失業率から若者の国外流出が進んでいる現状を打破するために、35歳以下の国民を対象に大幅な減税措置を発表しました。

この政策は、特に国内に残りたくても高騰する住宅価格や低賃金に苦しんでいる若者層に焦点を当てています。

具体的には、最初の1年間は税負担がゼロとなり、その後10年間にわたって段階的に税率が引き上げられる形です。この減税措置は、特にポルトガル国内に留まりたいと考える若者たちを経済的に支援し、国外流出を防ぐ狙いがあります。

さらに、ポルトガル政府は外国人の定住促進にも力を入れており、特にIT技術者やデジタルノマドの誘致を進めています。この施策により、ポルトガル国内の労働力不足を補い、経済成長を支えることが期待されています。


経済的不安定と高騰する住宅市場

この若者減税政策が導入される背景には、ポルトガルの住宅市場の急騰や経済的な不安定さも関係しています。

特に、デジタルノマドと呼ばれる、リモートワークを行う外国人の増加によって、家賃が急激に上昇しました。これにより、地元のポルトガル人が住むことが難しくなり、地元住民からも不満の声が上がっています。

ポルトガル国内の賃金が低く抑えられている中で、外国人労働者やノマド層が流入することによる住宅価格の高騰は、国内経済に二極化をもたらしています。

このような現象は、日本でも見られる問題であり、特に都市部での家賃上昇が大きな課題となっています。


政策への評価と今後の展望

ポルトガルの若者減税政策は、短期的には若者層を経済的に支援し、国外流出を防ぐための有効な手段として評価されていますが、長期的な影響については慎重な見方もあります。

ポルトガル国内の賃金上昇が追いつかない限り、単なる減税だけでは根本的な問題解決にはつながらないという指摘もあります。

また、政治的にはシェーガの影響力が増す中で、今後の政策運営がどのように進むのかは不透明です。極右政党が連立に加わらなかったものの、その存在感は議会において無視できない状況です。

特に移民問題や外国人労働者に対する政策がどのように展開されるか、今後も注視する必要があります。


まとめ

ポルトガルでの若者減税政策は、経済成長の鍵を握ると同時に、政治的な課題を浮き彫りにしています。若者層を国内に留め、労働力を確保するための施策は重要ですが、それ以上に賃金上昇や住宅政策の見直しが求められています。日本においても、これらの政策から学ぶべき点が多くあります。


【参考文献】


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