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朝鮮戦争の休戦ラインを訪れる韓国DMZツアーに参加してみた。ヤバすぎる実態...

今週は日本にいます。日本にて田舎暮らしを満喫しております。夏に向けての種まきシーズンなので穀物の種を植えつつ、小麦が収穫できる頃なので待機しているこの頃です。

さて、先週宣言した、韓国DMZに行ってみての取材経験を今回はご紹介します。最初にDMZとは何かを簡単に説明します。

非武装地帯(DMZ:Demilitarized Zone)

韓国の非武装地帯(DMZ:Demilitarized Zone)は、韓国と北朝鮮の間に位置する緩衝地帯です。1953年の朝鮮戦争の休戦協定により設置され、長さ約250キロメートル、幅約4キロメートルにわたって広がっています。この地域は、軍事的な活動が禁止されており、両国の軍隊が直接対峙することを避けるための緩衝区域として機能しています。要するに軍事的な休戦ラインに近く、双方が戦況を荒げないために非武装化しましょうと取り決めた地帯のことです。

その一方でDMZは非常に厳重に警備されており、軍事的な緊張感があります。双方の国境線には兵士が常駐していて、韓国側からここに訪れる場合は韓国兵のセキュリティチェックを受けなければなりませんし、DMZでは北朝鮮の兵士が見える場合もあります。

また、DMZ内にはいくつかの重要なポイントがあり、その一つが板門店(パンムンジョム)です。板門店は、南北間の会談が行われる場所です。2018年には、トランプ大統領(当時)がここを訪れて徒歩で北朝鮮に入国した歴史的な場所です。観光客もツアーを組めば訪れることが可能です。しかし、2024年5月現在は、このツアーでここを訪れた米兵が北朝鮮側に入って大問題になったこともあり板門店ツアーは休止中です。

一方、その他のDMZ地帯は訪れることが可能で、自然環境の保護区としての側面も持っており、人間の活動が制限されているため、豊かな生態系が残されています。これにより、多くの希少な動植物が生息する地域となっています。
私は日韓関係が良好なうち、そして北朝鮮がさらに過激にならないうちに板門店に訪れたいと思っていたのですが、先述の理由で断念しました。そこでDMZのみのツアーに参加することにしたのです。

申し込みの際に、しっかり理解するために日本語ガイドをつけようとしたのですが、人が集まらずに英語ツアーに参加することになりました。英語のレベルとしては平易で日常会話ができれば大丈夫なのでみなさんにもおすすめです。また、英語ツアーだからこそ、日本語ガイドによる日本人忖度のガイド内容にならないところもポイントです。

DMZツアーの主役は北朝鮮?

さて、ツアー内容ですが、いくつかDMZのポイントを訪れることになります。見どころは他の旅行者のブログに委ねるとして、私のツアーの考察と感想は以下の点に絞られます。

「北朝鮮との政治的なつながりを感じざるを得ないツアーだった」

その理由として、3つの側面を見てみましょう。

慰安婦問題の提起

まず、朝鮮戦争に関連するDMZ地帯なのになぜか慰安婦像が2つ置いてあります。本来は、韓国と北朝鮮に一つずつ設置する予定だったのですが、現在のユン政権が北朝鮮と関係が悪く韓国のDMZに2つ置いてあります。

朝鮮戦争と慰安婦像は関係がありません。しかし、英語ツアーでは「日本軍は慰安婦を設けて朝鮮の女性の尊厳を踏みにじり、彼らは東南アジアでも同じことをした」と説明を受けます。

はっきり申し上げて、その主張をするなら別の場所で行うべきです。DMZに訪れる世界中の観光客に言う必要はないです。ガイドの主張には、2015年の慰安婦合意なども全く説明がありませんでしたし、彼らの主張のみを聞く時間が設けられており中立的ではありません。

慰安婦問題は、北朝鮮と韓国が日本を敵に見立ててひとつになれる国民的問題のひとつです。このDMZツアーであえて慰安婦を持ち出してきたのは、北朝鮮側の日韓離反の意図を感じざるを得ませんでした。

観光客を使った北朝鮮の外貨獲得の場

そして、2つ目の理由です。DMZの売店では北朝鮮の通貨をお土産として購入できます。たしかにお土産としては話のネタになりますが、冷静に考えてみると北朝鮮の通貨を外貨で購入しているのと同じです。

北朝鮮の通貨が一覧でまとめられた全部入りの通貨セットもありましたが、購入しても我々は外貨で両替を行うだけです。一歩引いて見てみると、北朝鮮への間接的な観光客の経済支援です。北朝鮮に入国させて治安を乱すことなく、韓国の観光客にタダ乗りして観光業で外貨を稼ぐビジネスモデルとなっています。

北朝鮮に寄り添うツアーガイド

それから3つ目です。ツアーガイドは北朝鮮寄りの思想でした。これは私のガイド特有の問題かもしれませんが、DMZツアーガイドに就職するのだから北朝鮮に興味関心が高い人が集まっていても不思議ではありません。
今の韓国の若い世代は特に近くて遠い国、北朝鮮になっているのに、北朝鮮に興味関心を抱いている人は特殊ではないでしょうか。
案の定、ガイド中に「私個人の考えだが」と前置きした上で、北朝鮮に対して強硬的なユン政権の批判と共に民主党に政権交代して北朝鮮へ軟化したアプローチを取れる政権が生まれてほしいと発言をしていました。

まとめ:背後の組織やお金の動きを感じざるを得なかった

これら3つを組み合わせて考えると、どことなく北朝鮮の息がかかっているようなツアーになっています。表向きはたしかに朝鮮戦争や今の緊張感を感じるものですが、よく考えると北朝鮮側の主張をすり込ませ、なおかつ経済支援をしている内容です。

また、私自身もよくわかってないのですが、どうやらツアーは予約サイトの下請けがいて韓国の現地の旅行会社が行なっているようです。その会社を調べてみると、北朝鮮寄りの人が経営をしているのではないかと邪推してしまうのが正直の感想です。

以上、今週は韓国DMZツアーについてでした。単に朝鮮戦争や平和を考えるのではなく、北朝鮮のある種のプロパガンダ的なものをすり込まされているのが率直な印象でした。

ちなみに、私以外に日本人YouTuberが2名ほどDMZツアーにいました。彼らは登録者が20万人以上いるので大手ですが、彼らがどういった考察をしているのか気になるところです。それとも平和的な学習VLOGになっているのでしょうか?うーん闇が深い。




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