【宿泊拒否】コロナ療養期間終了後にホテルに泊まれなかった話。仕事復帰に陰性証明って無理だろ、国と保健所仕事しろ。
この連載では、ホテル暮らしをスタートさせたクリエイター、華山宥のホテル日記をお届けします。
ホテルに30日間ステイしてみて、価格・立地・サービスなどの観点から住んでみた感想をみなさまにお届けします。
そして、今回ご紹介するのは、「【東京23区・秋葉原】家賃4万円の温泉・フリードリンク、食事・コワークスペース付き物件」です。
なお、プライバシーの観点から一部有料とさせて頂いております。それでは、はじまりはじまり〜。
物件名はシークレット
今回は超ヤバめな内容なので、具体的な物件名は非公開です。しかも結論から言えば5段階評価で1の評価の宿だったので、名前を出さない方が逆に平和かもしれません。
ボクが今回宿泊したのは、東京都港区にあるホテルです。ただし、ホテルと言っても厳密にはカプセルホテルでした。駅前にあるカプセルホテルですが、繁華街の真ん中にありました。
緊急事態宣言中も平気で夜まで居酒屋が営業しているような場所です。新橋の飲み屋街の中でもなかなかグレーなところでしょう。
そんな立地なホテルだったので、宿泊前は心配していました。
ちなみに泊まった理由は「安いから」です。
汚くてコロナ対策ができてないホテル!
実際に宿泊してみると、悪い予感が的中です。ポイントは2つです。
・掃除が汚くて管理が行き届いていない
・コロナ感染対策ができていない
掃除が汚くて管理が行き届いていない
まず、ホテルのフロントはそうでもなかったのですが、自分の部屋の階にある共用トイレを見てびっくりしました。ニオイはするし、色々飛び散っています。本当に頻繁に掃除しているのか、不安になるほどです。
また、カーテンで隠してある部屋にトイレを見つけてしまいました。間違えて入っただけですが、恐らく昔使っていたトイレがそのままにして残していました。
カビがとっても生えており、状態を表現するのも気分が悪くなるほどです。
コロナ感染対策ができていない
そして、コロナ感染対策です。いたるところに、除菌スプレーがあったので、その点は評価します。しかし、利用者が使うかどうかは別の話です。
どう見ても、汚そうなおっちゃんたちがノーマスクで行動していました。また、大浴場が併設されていましたが、そこでブツブツ言ったり時々叫んだりするおっちゃんもいたのです。
さらに併設された食堂では、アクリル板があってもノーマスクで飲み食いする人だらけ。
コロナに感染してホテルを追い出される
表を出れば繁華街、中にいても不衛生。とても不安でしたが、なんとコロナにボクが感染します。ある時、高熱が出てしまいます。
カプセルの中で大人しくしていても4日くらい熱が下がらないので、PCRを受けます。結果的に、陽性でコロナにかかりました。
その後、保健所から連絡が行き、カプセルホテルを出るように言われます。しかし、ボクはホームレスになってしまいます。
ホテル側にも「今すぐ出ていけ」と言われましたが、保健所の仲裁で別のホテルの療養するための迎えが来る翌日までホテル内に滞在してもよいということになりました。
さらに「療養生活を終えたら、療養していた日数をさらにプラスして泊まっていい」ということまで提示されました。
それで大人しく過ごして、別のホテルで療養生活を1週間くらい送ります。そして、無事に退院できました。
再び泊まるには、PCRの陰性証明もしくは療養証明書が必要
国の基準では、陰性になったらではなく、熱が下がったら療養を終えられます。そのため、PCRを受けることはありません。また、療養が終わったという証明書は全員もらえるのではなく、希望者だけ郵送で申請してもらえます。
この制度が後にボクの人生を狂わせることになります。
療養が終えたボクは、今まで滞在していたカプセルホテルに戻ってきました。しかし、フロントで「PCRの陰性証明もしくは療養証明書を見せろ」と言われました。
療養後にPCR検査は受けても陽性になる
国の基準では、「ホテル療養後は普通の暮らしをしてもよい」ことになっています。つまり、PCRを受ける必要もありません。さらにPCRを受けても陽性になる可能性があると保健所から告げられました。
これはコロナの症状がおさまっても、体の中に残ったコロナの一部が反応して陽性反応してしまうからです。陽性反応しても、他人に感染させる力はありません。
役の立たない、申請式の療養証明書
また、療養証明書は郵送申請で2週間かかるのでこちらも持ち合わせていませんでした。
緊急時にホテルの対応品質って出るんだね
PCRと療養証明についてきちんと説明しましたが、「ホテルで療養が終わった」と言っても信じてもらえず、ヤバいやつが来たとケダモノ扱いを受けます。
ボクは療養したホテルを出る時に、療養に関する書類の入った封筒をもらいました。
そのため、療養証明書を申請する用紙なら持っていたので、それを見せると「ホテルで療養が終わった」ことをようやく信じてもらえましたここでようやく「お客様」としての対応になります。
しかし、正式な療養証明書がなければ、泊まることはできないと言われました。フロントは、ボクが療養を終えたことを知っています。この矛盾は何なのでしょうか。
オレの宿泊、最終決着。レフリーはお客様センター
「療養証明書の申請用紙ではダメですか?出てきたということは分かるはずですよね」と聞いたら「当カプセルホテルのお客様センターに電話して聞いてください」とフロントから回答をされます。
それをやってくれるのがフロントの仕事じゃないのか?とイラッとしましたが、怒っても仕方ないので電話します。
電話した結果、結局「宿泊にはPCRの陰性証明もしくは療養証明書が必要」という回答でした。
国や保健所が「大丈夫」というのだから問題ないし、療養から出てきたのが分かる非公式な書類を持ってるからいいだろとやっぱり思いましたが、モヤモヤが止まりません。
しかも、療養証明書は完治証明書ではないのです。コロナが100%完治したというのではなく、単にホテルで療養を終えましたという意味です。それを考えると、これで宿泊ができるというホテル側の理論もおかしな話です。
日本国へ政策提言するボク
国は保健所はホテル療養を経て、健康状態が戻りコロナを他人に感染させない程度まで療養が終わったと判断して患者を世の中に返しています。しかし、それに関連する書類はありません。「ホテルで療養してたよ☆」という申請制の書類だけです。
一方、ホテル側はコロナ患者が療養を終えても、他の利用者に対して感染させたくないという思いがあります。だから証明書を求めてくるわけですが、コロナに対する理解が乏しすぎます。
国や保健所のガイドラインと感染に関する知識をしっかり知って欲しいです。今回の場合、カプセル側は「ボクが出歩いていいレベルと理解していない」「療養証明書が何を表すのか理解していない」という問題があります。
さらに国や保健所は「療養して問題なく生活できる」という書類を、療養ホテルを出る対象者に配るべきです。それさえあれば、今回のようなトラブルになりませんでした。
ホテル側と国、保健所が一定のガイドラインを共有すれば、ボクのように板挟みになることはなかったと思うので、マジで事業者向けになんか対策してください。
療養後にPCR検査求められて職場復帰できないコロナ患者なんかも同じ状況で苦しみを味わっています。日本さん、病気復帰から立ち直れる社会を構築してください。
その後のボクは?
ボクはそのホテルにブチ切れて怒鳴り散らすことななく、静かに荷物を受け取って出て行きました。フロントには笑顔で「療養証明書をこれから申請するんで、現物受け取るまで2週間くらい待ってください」と言いました。
ケダモノ扱いしていたフロントは、「本当に療養していたこと」が分かってからコロッと笑顔で「はい!またお待ちしております!」と言ってましたが、内心「誰が泊まるか」と感じてました。
結局、近くのホテルのシングルルームを予約して滞在しました。そこで、健康チェックの問診票を書く時に全部正直に発熱があったことなどを書いて、宿泊拒否されるかドキドキしたのですが普通に宿泊できました。
これが普通のホテル。
というわけで、このご時世には綺麗で感染対策をしているホテルを選んだ方がいいと身をもって知ったので、次からのホテル探しに参考にします。