すごい未来があと9年で実現〜読了【2030年:すべてが「加速」する世界に備えよ】
✔️この本を読んで得られるもの
①日本では知られていないテクノロジーの進歩
②未来に向けたビジネスや投資へのヒント
③わくわく感
✔️こんな課題を解決
● 予測できない未来を知ることで、これからのキャリアや投資、生活基盤を考えられる
「空飛ぶ車」「脳とコンピュータの接続」「ロボットとの共存」などSFにでてくる世界が、いよいよ本当に、もう近い将来にやってくる。
これが本当に現実味を帯びて確実にやってくる世界だということを実感させられるのが本書。
著者はイーロン・マスクの盟友でいくつもの会社を設立し、シリコンバレーのボスと呼ばれている凄い人。
テクノロジーの発展で近い将来なくなるもの
テクノロジーの進化により、
「非物質化」「非収益化」「大衆化」が進むという。
例えば、CDやビデオデッキなどは今ではほとんどの家庭でみることはなくなり、音楽や動画はいつでもネットで無料もしくは安価に定額で見放題になっている。
カメラも昔はお金を払って現像していたが、いまはスマホでコストもかからない。
進化の発展は、価格を安くして一般化になり非物質化する。
その流れで次に”なくなるもの”は「テレビのスクリーン」のようだ。
もはや場所をとるテレビ受像機をわざわざ部屋に置かずに、
壁や手のひらなどにARで映像を映し、コンテンツが観れる世界になるという。
場所をとる、という意味では駐車場も同じ。
ウーバーは駐車場代のかかる車を「保有すること」は経済的に見合わない行為にしたいという。
そしてライドシェアや自動運転が普及し、自分で車を運転しなくなることで、”自動車保険”がなくなる。
自動車保険料は過去の運転実績ではなく、自動車の使用頻度、運転習慣、運転時間によって動的に価格設定されるという。
これからは自動車は、所有からサービスを利用する方向へ進んでいくようだ。
テクノロジーの進化が加速。そしてあらゆる産業が再定義される。
テクノロジーはこれから徐々に、ではなく、「指数関数的」と「融合」により「加速が加速する」ほど、加速度的に発展するという。
この加速したテクノロジーの融合により、あらゆる産業が「再定義」されていく。
たとえば交通産業。
ライドシェアから自動運転、そして空飛ぶ車から地球間ロケット移動、
はたまた自分のアバターを意識操作しながら移動する、
といった交通手段が、この10年で劇的に変化していくという。
まさに「交通革命」である。
そしてコミュニケーション、エネルギー、郵送・移動分野などの融合がパラダイムシフトを起こす。
そのなかでも小売業が最たるもの。
例えばAIグラスでビジュアル検索すると周囲が全てショッピングモール化する。
AR(仮想現実)のコカコーラの広告をタップするとスマホにコカコーラが入り、バーやお店でスマホを出すと本物のコカコーラで出てくる。
いわば、デジタル世界から物理世界への価値の移動 。
そして広告は二次元から空間的webに移行するという。
また将来的にはAIが買い物の意思決定をするため広告が無くなる可能性がある。
不動産業界はすでにコロナの影響で変化の兆しがイメージしやすいが、
これまでのように都市部の立地や近接性による価値はなくなり、より郊外の広い家に半分の価格で住めるようになる。
そしてすでに「3Dプリンティング」の技術により、あっという間に人が住める戸建て建設が、もうすでに実現しているという。
都市と農業も変革になる。
まず都市は、地球温暖化による海面向上などのリスクもあり、”水上都市”が構築される。
そして食糧生産。
農業は広大な敷地ではなく高層ビルなどで行われる”垂直農業”に移行することで、都市部に住む人々の食卓に短時間で届けられる、という。
これまで食料生産にはムダが多く、牛1頭育てるのに大量の水が必要で都市部への移動にも時間がかかっていたが、
水上都市での垂直農業により、これらの食料生産のムダが解決される。
そしていよいよ。人類の進化と宇宙時代への突入。
AIは人体の未知まで解明してくれるという。
そして人間の生存期間を大幅に延ばすことは、
「できるどうか」から「いつできるか」の問題に移った、という。
がん治療では、すでにサミュームドというアメリカのユニコーン企業が、
癌治療薬により80%の腫瘍の成長抑制に成功している。
また、脳の大脳皮質とコンピュータが直結するテクノロジーの開発が進んでいる。
100年長期でみると人類は2つの大移動をする。
それは「脳のクラウドへの接続・集団意識」と「宇宙時代への突入」への移動という。
いよいよ、SFの世界でしか考えられなかった世界が、現実世界になる。
さいごに
世の中は徐々に進化していくことはなんとなく理解していても、自分たちが生きているうちに世界がここまで加速度的に変わるのか、ということをまざまざと感じさせられた一冊である。
特にビジネスや世の中の価値感の変化はもうすでにあり、
例えばリースできるものを所有する意味はあるのか、ということに関しては、Airbnbもウーバーもホテルやタクシーを1台も所有していないことから分かる。
また本書ではAIが自分たちの生活にどれだけシームレスに溶け込むことができるかの可能性を見せつけている。
そして雇用はAIに仕事を奪われるのではなく、置き換わると言われているが、
こうした未来を知ることで、自分や次世代の子どものキャリア、
これからの投資や生活基盤をどう考えるかにも役に立つと思う。