韓国VTuberを観察したら日本Vって何だっけと考えせられた話
皆さん、VTuber楽しんでますか?
私は#音楽を止めるな3で潮成実さんにフィーリングをぶん殴られて、メロメロになっています。
すごく長い前書き
あなたは「VTuberとは?」と聞かれて、何を想像しますか。
・キズナアイさんが名乗った「バーチャルYouTuber」を省略した名称?
・ホロライブやにじさんじなどのバーチャルタレントやアイドル?
・アバターで配信していれば誰でも?
このように様々なVTuber像をお持ちだと思います。
なぜ、こんなに定義が存在するのか?
考えられる理由はバーチャルYouTuberを名乗ったキズナアイさんのふんわりとした自己紹介が空気を作り出し、名乗ればみんなバーチャルYouTuberの精神が生まれ、脈々と受け継がれてきたからだと思います。
痕跡は様々な箇所から感じ取れます。キヌさんの「バーチャルYouTuberのいのち 」というオリジナル曲は、その世界観を表現してくれていてとても大好きです。海外ではアバター配信者をVTuberと呼ぶ傾向があり、ほんのちょっとずつですが観測しています。また国内ではVTuberとアバターをミックスした考え方「Vの者」という言葉も認知されつつあります。
逆にVTuberとの混同をさけるために、あえて「私はVTuberでないです」という例も。例えばmoguraVRでおなじみのライターたまごまごさんの"※VTuberではなくアバターです"ツイート や バーチャル一般人という単語がVRoid界隈の随所(①・②・③・④)に見られます。
そしてVとTuberという言葉は様々な変化をしています。有名な例で言えば、VSinger…YuNiさんや花譜さん、AZKiさんなど、ゆびゆびが足りないくらい増えました。あとはVStreamer、V-Artist、バーチャルファッショニスタ、LGBTuber、lewdtuber(えっちなアバター配信者)などなど、観測できていない言葉は間違いなくまだまだあります。
さてさてさて、息をするようにお気持ち表明長文前書きになってしまいました。ここからタイトルの韓国について書いていきます。韓国VTuber、日本的なVTuberも存在しているのですが、実はいま韓国らしい新しい形のVが誕生していることをご存知でしょうか…。
韓国とバーチャルYouTuberの相性
さて語るうえでまず、韓国とバーチャルYouTuberがどのような歴史を歩んでいるかを知っておいたほうが、理解しやすいと思います。
まずバーチャルYouTuberもといキズナアイさんは、初めどこでバズったのでしょうか。諸説ありますが、その1つに韓国があります。キズナアイさんがプレスリリースを使い本格的にアピールを初めたのは2016年12月のごろでした。そのころのコメントは比較的日本語が多めでした。
ところが2017年1月にはいると、ユーザー層は一変します。理由は中国と韓国でバズったからです。どのようにバズったかは木村すらいむさんのキズナアイ、海外人気なぜ? チャンネル100万人突破までの道のりで詳細に語られています。
つまり韓国とアバター配信は非常に相性が良かったということです。
韓国VTuberはどれだけいるのか?
韓国で活動していVTuberはNRP VTuber Meet Upでは100名(2019/08/07)と言われ、JDMがVTuberのサポートを開始したときは60人と専属契約(2019/12/01)を結んでいます。
ですが韓国のTom C H A I R skisさんのまとめでは53名(2021年3月7日)になっていたり、韓国でVTuberを語る掲示板のリストでは42名(2021年4月7日)だったり、数字が観測しづらい状況になっています。理由として考えられるのは、日本と韓国でVTuberに求める基準が違うからです。
日本の基準は先程書いたようにふわっとしているのに対して、韓国は韓国アイドルのように高い基準をVTuberにも求めています。例えば、나무위키(韓国のWikiサイト)ではランキング登録基準のページがあって、掲載していいチャンネル登録者数が決まっていたり、CodeMikoさんのようにYouTuberからの転生組は掲載していいか議論されていたり、アバターは自作のオリジナルでいけないのではないかなど、日本とは違った空気があります。
韓国に関するVTuber
韓国VTuberと言われて、日本のVTuberファンなら思い浮かべるのは、おそらくNIJISANJI KRだと思います。グループの設立は2019年12月。当初は5名でしたが、いろいろあって現在は14名(追記:18名)となっています。
NIJISANJI KRの設立は2019年、先程のキズナアイさんのバズり方から考えるとかなり期間が空いてます。もちろんその間にいくつも企業が設立されました。
2018年
Tooniverse-トゥーニーバスチャンネル
企業で目立った動きは2018年から。나무위키では2018年7月になっていますが、自分の観測した限りでは2018年5月からになります。CJグループの子会社のトゥーニバースのアニメ専門チャンネルがアニメに登場するキャラクターに、2Dアニメーションで視聴者の質問に答えたりしていて、かなり意識したと思われる配信がおこなわれています。
そして2018年7月にはいると様々な企業から、当時の韓国を代表する3名の企業VTuberが登場します。
ゲーム会社Smile Gateからエピックセブンというゲームを販促するために生み出されました。ちょーすごいAIという某バーチャルYouTuberをリスペクトしたキャラ設定。真面目そうな顔に見えますが、ネタキャラとしてもレベルが高いです。
当時の韓国で初めて気合の入ったVTuberという理由もあって、UserLocalの急上昇ランキング2位にランクインして、韓国メディアに取り上げられるなど、かなり注目が集まりました。いまでは3D化もして、ゲームの宣伝よりもVTuber活動をメインにして、会社以外のゲームも実況しています。日本と全く絡みはなさそうに見えますが、VEXPOにちょびっと出店したりもしていました。
日本では大問題になった声優交代を、SE:Aさんは成功させて登録者数を順調に伸ばしているとニュースになっていました。チャンネルには変更する理由と思い出を語る動画がアップされていて、例の声優事件とは違い、事前にきちんと説明責任をはたせばファンは受け入れてくれるんだなというとても良い例を示してくれています。声の比較用リンク→ 初期 今
デリン YouTube
昼はコンビニアルバイト、夜はバーチャルユーチューブバーとしてゲームの主人公が性転換して、2018年8月にデビュー。2017年にLINEが韓国に新設したLINE GAMESの子会社化したNextFloorが開発したデスティニーチャイルドの販売促進を目的にしていますが、わりと普通に他社のゲームを実況しています。
ただYouTubeの動画更新が2019年10月に止まり、NaverCafeのブログ更新が2020年5月に別キャラに変更、LINE GAMESの歴史の更新も2019年から更新されていないので、何かの事情があって継続できない状態になっていると考えられますが、ゲームチャンネルは問題なく更新されているのでどういう状況なのかいまいちわからないです。
고냥이(日本名:ネコミ) YouTube
ネコミさんはゲーム開発会社Talesshopのビジュアルノベル데드엔드 99%(日本名:デットエンド99%)に登場する猫の異名を持つ死神の実習生。死神の人材不足を解決するために、人間の皆様に死神がどういうお仕事なのかを紹介するために、姉に撮影してもらいながら、2018年9月に動画を投稿。こちらも2018年11月以降、ネコミさんの動画は投稿されれず、ゲーム開発会社として声優ラジオ的な動画が投稿され続けています。
そして2018年11月にVTuberのチョイさんがデビューしますが、いろいろ話がややこしいので次へ。
さて時系列が前後しますが、日本からも韓国にアプローチしようとした企業が存在しました。2018年6月に株式会社laetiaの海外特化型バーチャルタレント専門事務所「WINKS」が2018年9月に日本在住の韓国の方を起用して、ユミナさんをデビューさせました。
こちらの方は詳細を観測できていなかったため、具体的なことは何も語れないです。また中国以外のグループは2019年3月に解散したため痕跡も残っておらず、その後どうなったかわかりません。韓国とは関係ないですが、かろうじて痕跡が終えたのは中の人がすごかったジャバウォッキー・マリス(Venus Angelic)さんだけでした。
企業以外のVTuberはどうだったかというと、初めて韓国に関係するVTuberが観測できたのは、2018年2月に天使(あまつか)さんという日本語も話せるVTuberがいました。V-To Worldという企画にもフットワーク軽く参加してくれましたが、2019年に家庭の都合で引退しました。
そして2018年には韓国VTuber(日本基準)は15名デビューしていましたが、アカウントの更新が1年以上止まったり、動画を消したりと、様々な形で12名の活動が止まっています。
※自分の2018年のブログ記事から
それでも、その厳しい生存競争を生き抜いた韓国VTuberが2名います。
대월향(GreatMoonAroma) Twitter YouTube
GreatMoonAromaさんはゲーム実況もしますが、メインはVRChat動画。別名韓国のロラトン(有名なVRChatクリエイター)とも呼ばれています。その理由はロラントのようにVRChatに大きく貢献して、Big EnoughやGnomeなど様々なミームを生み出しているからです。
なぜ人気になったのか。考えられる理由は、面白動画や他の方を驚かせる仕掛け、顔芸などもありますが、メンタマキラキラ金曜日のもんちゃんさんのように海外の有名ネタを使った動画やコンテンツの多くが英語だからだと考えられます。日本語も普通に喋れるレベルで、日本語専用チャンネルを開設して日本語のオリジナル動画をアップし続けていて、どれも面白いです。
2018年頃は登録者100名ほどで、なかなか韓国にVTuberとして認知されないなか、韓国でマイナーなVTuberジャンルで地位を確立するという目標を掲げ頑張り続けました。そしてオリジナルアバターになることで、今では基準の厳しい韓国のwikiにもまとめられ、2020年9月にはホロライブの白上フブキさんや夏色まつりさんとApexをプレイしています。
またGreatMoonAromaさんの影響なのかハッキリとわかりませんが、VRChatで「VTuberデビューしました」という動画を韓国語でよく見かけます。
有栖マナさんは韓国のキツネの子、パリで拾われ、2018年9月に神楽めあさんたちが所属したぱりぷろグループからデビュー。2019年4月に諸事情でグループが解散になり、一時期は個人として活動していたが、솔이솔이の勧めで2019年3月に始まったVTuber事務所のKOYOI ENTERTAINMENT & CONTENTS(541 E&C)所属に。だが2020年1月に541 E&CがにじさんじKRに合併されることになり、1ヶ月悩んだ末の2020年2月に引退を宣言します。
ところが2020年8月に中国のbilibiliのチャンネルにイラストがアップされると、2020年9月から配信活動が再開して、韓国の키즈나 아이 마이너 갤러리でも話題になりました。
ゲーム実況したり、ASMRしたり、お絵描きしたり、歌ったり、中国語を勉強したりと手広く活動しています。最近は椎名なのはさんといちゃいちゃしています。
2019年
2019年4月、ついに韓国らしく韓国を代表するVTuberが誕生します。見た目はうさぎ、Unreal Engineで作られた3DモデルのVTuberです。メインの活動はK-POPを軸にしたVSinger活動。いうまでもなくMVのクオリティはピカイチです。
日本ではMoguLive(①)、海外ではキズナアイや初音ミクなどのバーチャルヒューマンを研究をするVirtual Humansという団体にインタビュー(①・②)されています。現在一番登録者数の多いSNSはtiktokで、2021年4月時点でキズナアイさんに次いで2番目で210万人以上います。
さらに韓国での期待度も高く、コンテンツ産業3大革新戦略発表会にAPOKIさんが出席して韓国大統領とVTuberの活用方法について話をしています。
2019年7月になるとWACTORという会社が設立されました。正確には日中のアジア圏や南米がメインターゲットなのですが、韓国語にも対応しているので軽く紹介。
NIJISANJI KR Twitter
2019年12月についに日本の大型VTuber企業も韓国に進出します。そうNIJISANJI KRです。さきほども書きましたが、発表当時は5名で、脱退・卒業・合併を繰り返しながら、現在は18名となっています。
韓国をターゲットにしたVTuberですが、NIJINYANJIの企画で有名になり、日本のフォロワーが増え、「日本語の配信が多くなったのでは?」と韓国の視聴者ニキは感じているそうです。ですが韓国のEIVE CompanyやSandboxのVTuberとコラボ配信をしたり、やっぱりメインは韓国語で配信しています。
個人でも人気VTuberが2名、誕生しました。
2019年1月にスタートしたmakeUmoveさんは、生粋のBeat Saberプレイヤー。VRoid女子高生アバターのバ美肉勢、華麗なライトセイバー捌きでTwitter(8万再生)やYouTube(2,700万再生、総再生約2億回)でバズり、UserLocalの急上昇ランキングで1位になったこともあります。韓国語だけでなく、日本語、英語も問題ないレベルでしゃべれます。(なお動画内では喋らない)
レッドデビルの生首3Dモデルというイカツイ見た目をしながら、声はモチモチとしたかわいい声のVTuber。コンテンツは海外の時事ネタを英語字幕付きで解説したり、たまにご飯ネタだったりといった感じです。視聴者のQ&Aに答えたりするときは、2Dになります。
支援金300万ウォン、開発/技術サポート・教育支援などがあたえられる、경기콘텐츠진흥원のバーチャルクリエイター支援事業に参加。
Naverの検索データを分析するBLACKKIWIでは、検索する8割近くのユーザーが女性で、1つのケースとして面白いVTuberだと思います。
2020年
2020年の大きな話題はNIJISANJI KRしかないです。
2020年1月には1期生と541E&Cで10名、5月は3名、8月は3名、10月は4名と1年で矢継ぎ早にデビュー、ほかの韓国VTuberとコラボを始めて、韓国のVTuberファンが増え始めたと現地勢は言っています。またGreatMoonAromaさんもこの頃に頭角を現しはじめたこともあり、韓国の公共放送MBCでVTuberがとりあげられ、VTuberファンからはおせーよwwとツッコまれたとか、そうでないとか。
韓国でNIJISANJIの地位は確実にあがってきていますが、BLACKKIWIで様々なキーワードの検索量で比較してみると、Alganziさんの3分の1ほどなので、今後どうなるか注目していきたいところです。
ちょっとだけまとめ
このように韓国も多種多様で、人気のVTuberが誕生しています。ですが2018年からVTuberが続々と誕生していても、人数が少ないです。100名近くいるロシアよりもです。
なぜか?
考えられる理由はいくつかあります。
1つは、韓国でVTuber認定されるための基準が韓国アイドルなみに厳しいこと。なのでTwitterでパパっと検索しても、リストに掲載されていないVTuberは見つかります(①,②,③,④)。
2つめは、グローバルなVTuberが多いことからもわかるように国内の市場規模が厳しいこと。韓国VTuberが所属しているSandboxのNetwork Animation StudioのHo-chan Hwang代表は日本的なVTuberだと文化的な参入障壁があると述べています。
3つめは、兵役義務があること。韓国でVRChatを広めたSeren_diさんが兵役でYouTubeの更新を一時停止しています。もしVTuberならどうなるのかと考えると、卒業よくても活動停止で約2年間のブランクは配信者として致命的。仮に社会人からはじめたとしても相当の熱量がないと続けられないです。追記:韓国のコンテンツクリエイターと兵役義務はわりと問題になっている空気があります。
韓国のVTuber専門企業の不穏な空気
先程書いた3つ以外にも、不安に感じている要素があります。それはVTuberを専門にしている韓国企業の動き。
例えば、541 E&CがのNIJISANJI KRと合併したり。
(移籍したVTuberたちはいまも頑張ってるよ!)
例えば、とあるV関係者が作ったと思われる99agit事務所が消滅したり。
(大神シノさんは協力しあって3D配信できるように頑張ってるよ!)
例えば、VTuberの김레비(レビ)さんが運営するEIVEに所属しているクオリティの高いVTuberが社長をのぞいて、全員卒業してしまったり。
(レビさんはいろんな韓国VTuberとコラボ配信を楽しそうにしてるよ!)
例えば、韓国エンジェル投資協会の推薦により有望なスタートアップとして紹介された「VTuberの発掘・育成をトータルでサポートするJDM」が、JDMに深く関わったと思われるVRChaterのMANKALOさんとトラブル(①②③)になり、MANKALOさんの運営するTeam.KVGに譲渡されましたが、忙しすぎて回っていなかったり。
(MANKALOさんはVRChat頑張ってるし、JDMに所属していたVTuberたちは今も頑張ってるよ!)
例えば、VR企業の스코넥엔터테인먼트のサポートを受けるCHOYさんが何らかのトラブルで更新が止まり、いまはバ美肉おじさんSchublさんが代わりに配信していたり。
(Schublさんはいろんな韓国記事で広報も頑張ってるよ!)
市場を食い合うほどVTuber専門の企業はないはずなのですが、見切りをつけたり、卒業する割合が高い気がします。
では韓国でVTuberの需要がないかと言われると別にそうでもなく。
例えば、VTuberの企画・編集の求人が出ていたり。
例えば、桐生ココさんのスーパーチャット1億円記事などでおなじみのPLAYBOARDのCEOも韓国の方で、Hololiveについてテレビで言及していたり。
https://bbs.ruliweb.com/community/board/300143/read/47681794
例えば、韓国独自のVTuberシステムの meechuとsandobox所属のVTuberが契約を結んでいたり。
例えば、フニーさんも参加したコリアバーチャルフェスティバルというイベントがあったり。
https://www.cncnews.co.kr/mobile/article.html?no=5154
つい最近は日本でも有名なNEXONが自社のゲームCOUNTER SIDEのVTuber LANIをデビューさせています。
韓国のバーチャルはどこへ向かうのか
ようやく本題。
韓国は韓国でいろいろ大変なバーチャル事情を抱えています。ですが日本的なVTuberではないところで大きく動いています。
有名なのはLoLのK/DAとTRUE DAMAGEです。2018年11月にはLoLの世界大会の決勝でARライブを披露しています。もしかしたらVTuberと言われて疑問に思われる方もいるかも知れませんが、少なくともバーチャルアイドルというくくりにはいると筆者は思います。
そしてもう一つ、別方向の存在が生まれています。
リアル寄りのバーチャル、バーチャルヒューマンです。
「VTuberと関係ある?」みたいに思うかもしれませんが、海外…特に中国や韓国などアジアを中心に(もちろん英語圏でも)バーチャルヒューマンとの境界線がまじりつつあります。
ピックアップするのは2つ
AI.dolグループ「이터니티(エタニティ)」 HP YouTube
AI.dolグループ「エタニティ」は#AI심쿵챌린지101という企画で、AIによって生成された理想のアイドル101名を、ファン投票によって11名に絞り込んだアイドルグループです。
韓国のAI企業pulse9のディープリアルAIによって生み出されています。どこまでがAIで作られているかは、様々なページを調査してみましたが、そこについては言及されていませんでした。ハッキリしていることはAIグラフィック専門ということなので、彼女たちの見た目がAIで生成されている可能性が高いです。
また同技術によって男性アイドルグループが、タイの芸能界に進出して、ドラマを制作する予定です。記者からはVTuberとはコンセプトが違うのかという質問に、コンセプトは違わないし大きな視点ではメタバースにつながっていくだろうとコメントしています。
ただ発展途中の技術のため、課題もあります。I'm RealのMVを見てもらえば、すぐに分かります。顔の解像度が低かったり、目が動いていなかったりと不気味の谷を超えられていません。ですが成長型アイドルという説明もあるので、この課題をどう解決していくかが注目のポイントだと思います。
2020年10月に韓国でVTuberというキーワードとセットでとある記事が話題になっていました。彼女の名前はRuiさんです。初めてみたときはただのYouTuberじゃんという感想。ただ記事を読み進めていくと、何がバーチャルかわかりマジかよという感想に変わっていました。
何がバーチャルなのか。
彼女の顔はAIで合成された顔、俗に言うディープフェイクです。正直言われなければただのYouTuberとしてスルーするレベルの違和感の無さ。そして記事に書かれていた彼女のコメントに、なるほど韓国なりの事情で生まれたアイデアだなと思わされました。
この技術は韓国のdob Studioによるものです。顔は親しみやすい顔と好かれる顔がAIによって選別されています。こういう機能は他の企業も持っていそうですが、面白いポイントはパッケージとして提供しているところ。またRuiさんの自己紹介動画は101ヶ国語に対応、それ以外の動画も翻訳する言語を柔軟に変える力の入れようです。さらにルイさん以外にも3名デビュー予定です。
※ホームページの解説にリンクしたかったのですが、インパクトありすぎて会社が多忙になったためか、解説などもろもろのページがなくなっています
※個人向けのサービスの立ち上げは2022年7月予定
※悪用を避けるために厳格な審査が予想されます
これも人によってはバーチャルなのかと疑問に思う方は一定数いると思います。個人的な見解としては、別の顔(アイコン)をつける活動はとてもSNS的で、ディープフェイクはシステム的にもバーチャルなのかなと思います。さらに韓国の厳格な基準でVTuber認定されてwikiにも掲載されていました。(ビックリです)
あなたにとってVTuberとは?
私はバーチャルYouTuberのブーム初期の頃から、成長段階のVTuberという言葉は明確な定義にとらわれるべきではないとずっと考え続けてきました。そして縛られない言葉であり続けた結果、海外でも観測されたようにアバターであればVTuberと、無秩序にいままでのアバター文化を飲み込んでいき、VTuberという言葉が広がり続けているように感じます。
ですが無秩序ゆえに、その国独自のVTuberスタイルが生まれたり、バーチャルヒューマンというVTuberよりも存在感のある既存の文化と存在感を喰い合う、目に見えない勝負が始まっているような気がします。(あくまで気がするだけ)
そしてVTuberという言葉は、バーチャルYouTuberという肩書きからなるための技術~文化に変化。さらにVSingerやVArtistのように、自らの肩書きを、バーチャルな言葉を生み出し続けています。
ホロライブの運営のカバー株式会社のリニューアルされたページには以下のような記述があります。
VTuberという言葉はいままで通り定義されずに広がり続けていくべきでしょう。ですがその中で本来の意味が薄れていくかもしれません。だからこそ本来の日本から生まれたVTuberとは何だったのかなと、自分の生まれた故郷を忘れないように、心の中に刻んでおいたほうがいいのかもしれません。
追記:이세계 아이돌-ISEGYE IDOL-は絶対見とけ(2022年)
※KPOPアイドルの経歴をもったアイドルが参加していて歌声が素人でもわかるレベルの高さ、映像も良くVRChat民にウケる構成でエモいMV、GreatMoonAromaも間接的に関わっていてYouTubeの動画もどことなくそれの空気があり、バズった리와인드 (RE:WIND)は競争の激しいKPOPのチャート上位にランクインし、TWICEのメンバーがオススメの曲として推したり、それ以降もMVは大きな再生数・TwitchではVTuberタグで上位の視聴者数を叩き出し続けています。
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