逃走中の「復活させる理由」を考える
自分は割とアンチ意見をちゃんと目にしようとするタイプである。
結構クソみたいな意見の中にもちゃんとほじくると砂金というか「自分では考えもしなかった『考える種』」みたいなのが出てくるのでためになることはある。まあ九分九厘クソなのは確かなのだが。
そんな中で今回取り上げたい意見の一つが
「『ハンターと強欲の王』で『同じEXILEメンバーだから』という事で他の逃走者の事を眼中になく復活させる対象がNAOTO一点張りだった佐藤大樹は気持ち悪い。『お台場リベンジャーズ』で1人目に確保されたKep1er・ヒカルを復活させたトレエン・斎藤を見習え。」
というものだった。
まあ言ってしまえば「そりゃあ事務所の先輩やからねぇ」で終わるのだが、ここでふと思ったのは「他の逃走者の人たちの『復活させる理由』ってまだ誰もまとめてなかったよなぁ」ということ。
というわけで今回は「逃走中における復活者達の『復活させる理由』」をまとめてみた。
尚、ここで取り上げるのは「復活カードを獲得した人が自分の意志と指名で復活者を指定できる回」のみとし、復活者の決定方法がルーレットのランダム(ラストミッションなど)、復活者が自力で頑張る必要がある回(復活ゲームや複合回であるアルティメット・お台場大決戦)は除きます。
王道系選択肢
ゲーム上のパートナーだから
・眞鍋かをり→サバンナ・高橋(沈黙の巨大迷宮)
・NAOKI→NAOTO(沈黙の巨大迷宮)
・岡田結実→ぺぇ(どうぶつ島)
・SnowMan・深澤→みなみかわ(ハンターと浅草の相棒)
「どちらかが逃走成功すれば両者賞金獲得できる」というペアベストルールでは当然相方を復活させれば自分が賞金を獲得できるチャンスが増えるだけに復活させるのは当然。
「ハンターと浅草の相棒」ではペアベストルールではないものの、色々と使ってきた「お守り」の存在とこれまで信用してきたこともあり深澤はみなみかわを復活させた。牢獄でめっちゃ文句言ってたけれど。
身体能力・実力・実績を信頼しているから
・的場浩司→眞鍋かをり(奥様はかぐや姫)
・青チーム→えなりかずき(時空を超える決戦・チーム戦)
・髙橋海人→金爆・樽美酒(ハンターと進撃の恐竜)
・岡崎紗絵→福岡堅樹(VS新型ハンター)
・TETSUYA→藤光謙司(新ゲームを攻略せよ)
・INI・松田→EXILE・NAOTO(ハンターと強欲の王)
今後のミッションを考える上でも当然と言える選択肢。眞鍋さんと的場さんの信頼関係はご存知の通り。えなりさんは個人戦逃走成功を買われて。ただ明らかに体力枯渇してそうなのに選んだ面々はミスチョイスな気も。
兄弟や同グループの先輩・後輩の仁義として
・福岡堅樹→稲垣啓太(真夏のハンターランド)
・HIKAKIN→SEIKIN(新ゲームを攻略せよ)
・なにわ男子・大橋→A.B.C-Z・五関(ハンターと偽ハンター)
・M!LK 佐野→M!LK 山中(お台場リベンジャーズ)
これも恒例。同じグループ、事務所、HIKAKIN・SEIKINの場合は血縁関係レベルであり、助けるのは当然。仁義というもの。
逃走・ミッション・ゲームで巻き込んでしまったから
・Ami→ウド鈴木、アレクサンダー、森星(誘惑の扉)
・森崎ウィン→キスマイ・宮田(上野アメ横妖怪伝説)
・小籔千豊→渡邉美穂(ルフィと黄金の秘宝)
・三浦孝太→本田仁美(ハンターと偽ハンター)
・INI・西→ザ・マミィ 酒井(上陸!猛獣の島)
・JO1・佐藤→日向坂・河田(グレートコラボSP)
・大久保嘉人→三浦孝太(お台場リベンジャーズ)
逃走中は完全個人戦。もちろん人のことは知ったこっちゃない…ではあるのだが、どうしても「自分のせいで巻き込んで確保されてしまった」「相手が関わる必要が無いミッションだったのに巻き込んでしまって確保されてしまった」という「罪悪感」というメンタル状態というものは結構逃走中において大きい。「復活ミッション」はそれを解消するための一つの手段でもある。
ミッションに貢献してくれたから
・濱口優→ももクロ・佐々木彩夏(まる子大捜索指令)
上記パターンの派生系。こちらの場合ミッションクリアして賞金単価上げてもらったけれどその直後すぐに確保されてしまったからというワンクッション挟んでいる形。
自分がファン・推しだから
・伊沢拓司→新庄剛志(ハンターと鋼鉄の魔神)
・山邉蒼生→EXIT・兼近(ハンター迎撃作戦)
・INI・西→霜降り明星・せいや(ハンターと強欲の王)
・トレンディエンジェル・斎藤→Kep1er・ヒカル(お台場リベンジャーズ)
近年における「新たな選択肢」。逃走中が自分が憧れの人・夢の人と共演できる「ドリームゲーム」になったからこそ、「自分の手で囚われた推しを解放する」という経験は何物にも代えがたい。自分の身がどうあれ、その経験は一生もの。
普段お世話になっているから
・日向坂・加藤→アンタッチャブル・柴田(ハンター迎撃作戦)
上記の派生系。過去に番組共演していた縁を大事にした加藤の義。何気にこれが無かったらこの回もっとひどいことになってたと思うと…
変化球系選択肢
若くて体力があるから
・元木大介→しずる・池田(日本昔話)
早期確保で体力を残しているから
・元木大介→ねづっち(日本昔話)
どちらも日本昔話での復活。今考えるとどっちもチョイスとして微妙じゃね?っていう。特に3秒で確保されたとはいえねづっちさんの基礎体力も相当に低いぜ…
真面目にやってくれそうだから
・はるな愛→小籔千豊(卑弥呼伝説)
意外なチョイスだなぁと思ったが、芸人勢だと残っているのがサンドウィッチマン・ノブコブ・方正さん・キンコメ(当時)今野さんで、残る男子がJOYだけなので、その中だとまだマシって判断だったのかなぁ。
他の人から頼まれたから
・舟山久美子→亀田興毅(呪われた遊園地)
弟・亀田大毅から「復活させたい人がいなかったらお兄ちゃんを復活させて」と頼まれた事で指名。まあ身体能力込々という選択でもある。
親しみを感じているから
・山田惠里→大原優乃(上陸!猛獣の島)
直接的な関わりはないものの、山田さんのチームメイトの中高の同級生が大原さんという関係性。なんか「親戚のいとこ」みたいな。
大人としてキッズを優先する姿勢
・EXIT・兼近→粟野咲莉(真夏のハンターランド)
・HIKAKIN→小畑乃々(新ゲームを攻略せよ)
・TETSUYA→寺島眞秀(新ゲームを攻略せよ)
キッズ逃走者回での復活。せっかくキッズ達が参加してくれたんだから大人としてキッズにチャンスをあげるのは当然…なのだが、逆にそれを「強いられている」感が不評だったとも。
研究と考察
まず、最初に挙げた「ハンターと強欲の王」での佐藤さんの判断について。
この時確保されていたのは順に
迫田さおりさん、笠井信輔さん、モグライダー・ともしげさん、モグライダー・芝さん、村重杏奈さん、霜降り明星・せいやさん、NAOTOさん、櫻坂・田村さん、大橋未歩さん、ミッション後からはオードリー・春日さんという面々。
この並び見るとやはり佐藤さんだけでなくても「NAOTOさん一択になるよ」と思う。
当該回は「賞金アップボタン」によるハンター10体起動もありえる厳しい回。その中でのミッションと言う事も考えるとやはり体力的な事を考えNAOTOさんを頼るのは当然の流れ。次善候補として春日さんなんだろうけれど、もし賞金アップ系が振られた時に「絶対にリスク度外視で賞金上げに来る」と考えると選びずらいというのもある。
一方、斎藤さんの「お台場リベンジャーズ」では確保順に
Kep1er・ヒカルさん、Kep1er・シャオティンさん、松村沙友理さん、鈴木伸之さん、よゐこ・濱口さん、三浦孝太さん、モモコグミカンパニーさん、ハリウッドザコシショウさん、堀未央奈さん、狩野英孝さん、詩羽さん、次長課長・河本さん、いしだ壱成さん、M!LK・山中さん、朝日奈央さん、はじめしゃちょーさん、野々村友紀子さん、迫田孝也さん、なすなかにし・那須さんという面々。
復活した三浦さん・山中さんを除く次善候補としてはやはりLDH所属の鈴木さんか、ベテラン濱口さん、逃走成功経験者朝日さんあたりだろうか。
逃走中というゲームを20年見続けてきているが「これが最善手」というのはずっと分からない。絶対分からない。
多分「ミッションクリア(=自分の逃走成功)の可能性を上げる為」に復活させる人を選ぶというのであればある程度は読めるのだろうが、やはりそこに「普段お世話になっているから」とか「大好きな推しを救ってあげたいから」という「人情」「感情」が入って来るから分からない。
こればっかしは最新AIをもってしても「形勢判断」はできないだろう。
正直な話を言えば多分斎藤さんがヒカルさんを復活させたところで「残存逃走者の合計戦力」としてあまり増えなかったのではと思う(ヒカルさんファンの方申し訳ない…)。だが、斎藤さんにとって「推しを自分の手で救い」「十数分だけでも推しに頼られ一緒に逃げる」という握手券を何百枚買っても体験できない体験という「価値」は賞金とか逃走成功の栄誉以上の価値がある。
そして佐藤さんにとってもNAOTOさんは戦力以前に「大事な先輩」であり、捕まった先輩を助けるのは当然の選択である。
学生時代から現在に至るまで「先輩・後輩」の概念を経験してこなかった私でも「そこの仁義って大事だよね」ってのは理解できる。
それを「気持ち悪い」というのは人の勝手ではあるのだが、そこに「良さ」というか「正当性」を感じないという所に、「人としての心はとっくに捨ててる」と自称する自分でも「ああ、多分現代社会で人間関係こじらせちゃうタイプなんだなぁ」って思ってしまった。
今回はこういう視点で逃走中を掘り下げてみた。
逃走中20周年イヤーは始まったばかり。
私の逃走中研究もまだまだ終わらない。
人の心を捨てた人間が「人の心理」を理解するまで研究は続く。