vol.21「場」と「居場所」をつくるを、編む〈スタッフ編〉
お隣さんとの挨拶や、近隣の方との他愛もない話など、日常的にうまれていた些細なコミュニケーションもコロナ禍によりシビアになり、自然と一人でいる時間が増えていきました。
ただ段々とその状況も変わり、やっと本来の日常が戻りはじめてきた今。あらためて人と人が自然にふれあい、繋がれる「場」の大切さに気付かされました。
ひとり自分を見つめ直す時間を過ごす「場」も居心地の良い「居場所」といえますが、私たちブルースタジオでは、人と人が自然と集い関係性を育んでいく先に、愛着のわく「居場所」がうまれると考えています。
前回のvol.20では、ブルースタジオが手がける「場」と「居場所」づくりの〈プロジェクト編〉を、今回vol.21では、「居場所」づくりのイベント企画に携わったスタッフの声を中心とした〈スタッフ編〉をお届けします。
入居者さんやまちの人たちとふれ合いながら、さまざまな人の「居場所」づくりに携わってきたスタッフの想いやことばを「編む」ことでみえてくる、暮らしの「物語」をお届けします。
introduction:
vol.17、vol.19の<スタッフ編>でお話しした新米社員であるわたし(柴田)が、今回はブランディング・プロモーションチームの河野さんにお話を伺いました。
河野さんはvol.12の記事でも登場しましたが、食事と風呂(特にサウナ付きの銭湯)と音楽好きな一面があり、いつも美味しそうにご飯を食べている姿はなんだかこちらまでつい嬉しくなってしまう、そんな愛嬌のあるスタッフです。
「居場所」をともにつくる
心地よい暮らしのために
編むブルースタジオでもたびたび登場している「なりわい賃貸住宅hocco」。
武蔵野市桜堤にあるこの物件は、店舗兼用住宅を含む賃貸長屋として好きなこと・得意なことを軒先にひらくことができる、顔の見える“なりわい暮らし”を実現できる「場」としてうまれました。
入居者交流会では、お互いに自己紹介をしたり、飲食を営む入居者さんが皆さんにお食事をふるまったりしました。
いまでは「hocco」に暮らす人同士だからこそわかる、生活の悩みや会話をきっかけに“心地よい暮らしをつくる”ためのコミュニケーションがうまれています。
他にも、パイとコーヒーのお店「The Pie Hole Los Angeles」さんでは、まちの方にどうやったらより楽しんでもらえるのか、試作をつくって入居者さんに配って感想を聞いてみたり。
さまざまな形のコミュニケーションがうまれています。
日常のちょっとしたことを気軽に話せる関係性を築き、“暮らし”をともにつくっていくことで、「hocco」にも愛着がわき入居者さんにとっての「居場所」となっていけたらなと思います。
日常をまちにひろげるお手伝い
「hocco」の“桜堤おてせいなりわい市”
日常の暮らしをまちに開きだれでも関われる「場」としてうまれた「hocco」ですが、暮らす人だけではなくまちの人にとっての「居場所」になるように。
まずは「hocco」を知ってもらい、共感の輪を広げていくきっかけとして“桜堤ならではのおてせいのものを集めた市”=“桜堤おてせいなりわい市”というイベントを開催しました。
このイベントでは、まちの人たちに“お客さん”として参加してもらうだけではなく、地域で活動している人に「hocco」の“仲間”として出店してもらい、輪を広げています。
今年の春に2回目を開催する“桜堤おてせいなりわい市”では、そんな“仲間”の輪がすこしづつ広がりはじめています。
よく「hocco」に出店してくださるキッチンカーのクレープ屋さんやカレー屋さん。近隣でアトリエを営む作家さん。武蔵野市の野菜を販売する農家さん。入居者さんとも仲良くなり、「hocco」の“仲間”としてすっかりお馴染みになった方々もいます。
秋に行われた“hoccoの秋まつり”では、暮らしながら店舗を営む入居者さんだけでなく、住居の入居者さんも“まちの人たちに喜んでもらいたい”と秋らしい飾り付けをしたり。
近隣でアトリエを営む作家さんと、植物のお店「玉草屋」さんが一緒になって、子ども向けのワークショップを開いたりもしました。
個性あふれた様々な“なりわい”により、「hocco」ならではの日常が広がりはじめています。
bring up
自分の趣味や好きなことを家の中だけではなく、まちに開きお隣さんやご近所さんたちと喜びを分かち合える「場」づくりと「居場所」づくり。
私たちブルースタジオでは、「個人・共同体・まち」それぞれの“境界”を曖昧にデザインすることで、自然に人と人が関わるきっかけをつくっています。
“ここに来ると誰かに会える、この風景がすきでつい足を運んでしまう”、そんなシーンがうまれ、日常がより豊かになるように。
私たちの「場」づくりと「居場所」づくりはこれからも続いていきます。