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vol.61 練馬の屋敷林に住む「種音」を、編む

「編む、ブルースタジオ」vol.61では、ブルースタジオが設計を手がけた、練馬のなりわい賃貸住宅「種音(たね)」について、オーナーの上野さんへのインタビュー形式でブルースタジオとの出会いや建物についてご紹介をしたいと思います!

前編となる、vol.60では、プロジェクトの内容を詳しくご紹介しています。
https://note.com/bluestudio1998/n/n6bfd90465447

上野さんとブルースタジオの出会い

ブルースタジオ水越(以下、水越):上野さんは賃貸住宅を建てようと決めた後、大手ゼネコンやハウスメーカーに計画依頼を行っていて、いろいろな提案や設計事務所を見ていたと思うのですが、そんな中でブルースタジオを知ったきっかけはありましたか?

上野達也さん(以下、達也さん):建てようと決めてから建築系雑誌を読み漁ったり、ネットでコミュニティ賃貸住宅と検索して、気になる建物や設計事務所を探していたのですが、目に留まるものがブルースタジオの物件であることが多かったですね。

水越:そうなんですね!なにか、探している上で上野さんのなかで具体的な建物のイメージがあったのでしょうか?

上野綾子さん(以下、綾子さん):当時はそこまで何かを意識して探していたわけではなかったとおもうのですが…母屋を残すことも考えていたので、母屋や庭の雰囲気と合う自然素材を使っていた建物を意識していたのかもしれないです。あとは、すぐ近所にある、ブルースタジオが手がけた「青豆ハウス」のオーナーさんとたまたま知り合ったことがきっかけでブルースタジオを知りました。

水越:なるほど、母屋を残すことを決められていたので、使う素材などのイメージは意識されていたのですね!青豆ハウスも建築から10年間でオーナーの青木さんを中心にとても強いコミュニティが形成されていて、このあたりの地域では有名ですよね。

達也さん:ただの賃貸住宅ではなく、自分たちらしいコミュニティが作れる賃貸住宅になればと考えていました。

「種音」に込めた思い

「種音(たね)」の名前の由来

水越:ブルースタジオが手掛ける物件では私たちの方からネーミングの提案をすることが多いのですが、今回の「種音」は達也さん、綾子さんのお二人で名前をお考えになられたと思います。「種音」はどのような意味を込めて命名したのでしょうか。思いついたときは「キター!これだ!」みたいな感覚でしたか?

達也さん:ずーっと名前は悩んでいて、公園でハンバーガーとビールを食べながら決めました(笑)私たちにとって「音」という単語は、かつて地域で親しまれていた上野家の屋号「山音」や、自分たちが音楽好きであったり…すごく縁が深くて、絶対に使いたいと思っていました。

綾子さん:「音」に合わせる言葉をずっと考えていて、改めて今回の建物が自分たちのなんなのだろう…と考えている時に、自分たちにとって新しい種を撒いて育てていくようなことだと思い、「音」と「種」を合わせて「種音」になりました。

水越:素敵な名前ですよね〜上野さんから「種音」どうでしょうか…と連絡が来た時には、私たちも「これしかない!」と思いすぐに「これでいきましょう!」とお返事した覚えがあります(笑)名前を決定してもらってからは龍の絵に目を入れたように、ロゴも建物の雰囲気もあっという間に決まっていきましたよね。

畑の畝(うね)にも音楽の五線譜にもみえるロゴは
上野家が農家であったことと、上野さんの音楽好きな一面を反映したロゴになっています。
庭にあった岩を利用した種音のサイン と 上野さんの屋号「山音」

これからの「種音」の展望

水越:「種音」はこれから入居者や仲間が集まり、どんどん成長していくと思うのですが、こんな場所にしたい!みたいな展望はありますか?

達也さん:普通の賃貸住宅は数年すると引越しを考えたりすると思うのですが、長く住み続けたい!と思ってもらうような場所になってもらいたいと思っています。

僕が子供の頃、すぐ近くで「山音マーケット」と呼ばれていた、今で言う「なりわい住宅」をひぃおじいさんの上野音右衛門さんが経営していて、とても賑わっていました。音右衛門さんは地域の人たちからもすごく慕われていて、大人になって同じようなことを自分がやることになるとは思いませんでしたが…とにかく「種音」も住民や地域の方々に好かれ、自然と人が集まるような場所になっていくと嬉しいなと思っています!

水越:オープニングイベントの時は上野さんのお友達やご近所さんがたくさん訪れていて、建ってまもないですがすでにみなさんが集まりたくなる場所になっているように感じました!

種音オープニングイベントには約500人の方にご来場いただきました!

綾子さん:「種音」は敷地がとても広いので、シェアハウスほど密接な距離感ではなく、適度な距離感を保ちながら生活できるところが魅力の一つだと考えています。中庭や玄関先で自然とご近所の方同士で挨拶したり、時にはお店同士で集まって助け合いながら、心地良い関係性を築けたらいいなと思っています。

水越:確かに…「種音」は建築基準法の制限などにより、自然とゆとりのある敷地になっていて、シェアハウスというよりも一つの団地や村に近い空間になっていますよね。都内でここまでゆとりのある賃貸住宅はあまりないので、工事中に何度もご近所さんが公園のような感覚で入ってきていましたよね(笑)

思わずご近所さんが入り込んできてしまう、まるで公園のような外部空間になっています!

上野さんご夫婦の夢 「gak」

庭の木々をくぐっ先にある上野さんのお店「gak」

水越:今回、上野さんも「種音」でお店を開業されると思うのですが、昔からお店をやりたいという思いはあったのでしょうか?

達也さん:いつか古着屋さんをやりたいという思いはずっと昔からありました。妻も飲食店をやりたいと言っていて、お店を構えるのは2人の夢でもありました。最初は敷地にあった倉庫内でお店を開こうかと計画していたのですが、賃貸住宅を建てるのであれば、そこにお店を作ろうと思いました。

綾子さん:お酒や古着など自分たちが好きなものを提供しているお店が意外と近所になく….それなら自分たちでやろう!って感じでした。

水越:好きなものが近所にないから自分たちで作ろう!は簡単に聞こえますがとてつも大きな決断ですね〜

綾子さん:でも、周りの人たちからはもっと立地の良い場所のほうがいいと反対されていました。ただ、別に大儲けをしたいわけではないので…立地よりも自分たちに馴染みのある場所の方がいいだろうと思っていました。

水越:「立地が良い」という条件は色々ありますが、仲間が身近にいるというのも大きな立地条件ではありますよね。「種音」も仲間が集まって、素敵な場所になるといいですよね!
店内の家具やメニューもだんだんと揃ってきましたが、お二人らしい個性あるものが並んでいますね!

綾子さん:母屋と庭が見えるので、風合いのある素材を使った家具や小物を集めています。内装の色なども落ち着いた色で選んでいます。

庭がよく見える店内
古材を活かした個性豊かな家具や食器

水越:達也さんの選ぶ小物が良いアクセントになっていますね!

達也さん:金の招き猫ならぬ金の招きエリザベス女王(笑)

金の招きエリザベス女王 と 庭にあった灯籠を再利用したステップ

水越:gakではどのようなものお料理を提供される予定でしょうか?

綾子さん:食べ物は私の地元、群馬県の野菜を使ったデリプレートや練馬で大人気のパン屋「コンビニエンスストア髙橋」のパンを使ったサンドイッチ各種を出す予定で、オープン日に向けて試行錯誤中です!それからナチュラルワインなどのお酒とコーヒーを提供する予定です!

「gak」
営業時間
火〜木曜日 11時〜15時ランチ・15時〜17時カフェ
金・土曜日 11時〜15時ランチ・17時30分〜21時バー
定休日:毎週 日曜日・月曜日
住所:東京都練馬区田柄3丁目17-1「gak」
【instagram】
https://www.instagram.com/gak_tagara?igsh=MXhzemtnYTZvNmdnZQ==

vol.61「種音」のインタビュー編はここまで!
上野さんと私たちブルースタジオが出会ってから約3年、ようやく「種音」が竣工しました。ここまで様々な困難を一緒に乗り越えてきましたが、建物の竣工はあくまでも「種音」という物語のはじまりです。これからもオーナーである上野さんやこの場所で暮らす方々、地域の方々と一緒に「種音」の成長を見守っていければと思います!

種音の賃貸情報はこちら!!
【あきない住居 (店舗付住居)・なりわい住居 (アトリエ付住居)】
https://www.bluestudio.jp/rentsale/rs013692.html
【住居専用】
https://www.bluestudio.jp/rentsale/rs013848.html

「種音」のinstagramも是非フォローしてください!!
【種音のinstagram】
https://www.instagram.com/tane_nerima/

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