vol.7 エリアビジョンをつくる を、編む
「物件から物語へ」
「物件から物語へ」。
ブルースタジオのホームページ「OUR MISSION」に書いてある言葉です。
このマガジンの“編む”という言葉も、「物語」という言葉が一つの由来になっています。
でも、「物語」ってそもそもなんだろう?
私たちは普段から言葉を使って文章を書き、物事を考えます。
録音された音楽と、ライブ・コンサートが別物であるように、
それらで使われる言葉のまとまりと、「物語」は異なります。
サービスフローとしてその過程は紹介はされていますが、
この連載では少し目線をかえて「物語」の過程を探っていきます。
vol.7では住まい・暮らしのデザインをする最初のフローのひとつ、
「エリアリサーチ」と「エリアビジョン策定」を中心に取り上げたいと思います。
teller 1:こころおどる日常との出会い
「エリアリサーチ」と「エリアビジョン策定」は普段あまり聞き慣れない言葉ですが、
たとえばこのコピーができるまでにも大きく関わっています。
エリアにはどんな人が住んでいるのか、
どのような生活があるのか、
これまでどのような暮らしが営まれてきたのか、
そして何がこの場所で求められているのか、今後求められていくのか、
さまざまな方法で調査を行い、提案します。
事業主だけではなく、利用者や入居者、あるいは地域住人など
その場所に関わる人々が「当事者」となるための第一歩です。
teller 2:まずは一緒に楽しんで伴走すること、チームになること
「エリアリサーチ」と「エリアビジョン策定」業務を主に担当しているブルースタジオのスタッフ、中島さんに話をきいてみました。
社内の行事やイベントなど、みんなが集まる場所にはいつも(しかもたいていは最後まで!)いる、中島さんです。
事業系のプロジェクトにおいて、お客様とかなり早い段階からコミュニケーションをとるポジションの中島さん。どのような仕事を行っているのでしょうか?
「設計に入る前の段階で、対象となる建物だけではなく、地域の魅力を見つけるためのリサーチを行なっています。またそのリサーチを踏まえて、エリアの価値や、そこにしかないものを言語化して、ビジョンの計画を行っていくことが仕事です。」
数々のプロジェクトを担当している中島さんいわく、「エリアの価値が下がっていること」が共通の、そして本質的な悩みだと感じている方が多いとのこと。
ブルースタジオの一つ一つの事例も、場所や内容は違ってもエリアの価値をどうあげていくかという点で通じるものがあるそうです。
「チームづくりだと思うんですよね、自分の仕事って。
このエリアビジョンにむけて、みんなで一緒にやっていきましょう!という気持ちになってもらえるようなチームビルディング心がけています。」
共感してもらうことの第一歩が、一緒に楽しめること、チームになること。
ずっとバレーボールをやっていたこともあり、昔からチームで何かやることが好き、と話していた中島さん。
お酒を誰かと飲むことも、ライブに行くことも、中島さんの趣味はどれも「チーム」に繋がっています。
「ライブに行くのが好きなんですけれども、ここにいる人がみんな同じものが好きでこの場所に共感していて、でもそれぞれの楽しみ方で楽しめるところが良いなって思います。
まち歩きもライブも、人と話したりコミュニケーションをとりながらチームで楽しむいう点では同じですよね。」
まち歩きも、自分が知っている場所が新しくみえること、みんなで「このエリアって面白い!」という気持ちをかためておくことで、その後の設計などに繋がっていっても同じ方向を向いて頑張っていこうと思える。そのために自分の仕事があるのだと中島さん。
teller 3:まちの物語を編むために
中島さんの話す「チーム」になるための方法、エリアビジョン策定までの道のりはプロジェクトごとに色々とあります。
たとえばVol.5で紹介したような、ワークショップなどのプロセス。
あるいはまち歩きを通じた魅力探しのプロセス。
その建物だけでなく、まちのことが丸ごと自分ごとになる、そのプロセスを共有していくことで、チームが出来ていきます。
live it up
チーム作りから始まるリノベーションの物語。
その次のステップ、設計について次号では取り上げます。お楽しみに。