30cm内無尽蔵増殖

 リンさん(ヒョウモントカゲモドキ)の食餌として飼育しているミルワーム。まだ気温が低く肝心のリンさんがミルワームを食べてくれない。だからといって放置もできず、野菜屑を与え死骸を回収する毎日。
 統計を取ったわけではないが、ミルワームは割りと蛹化・羽化に失敗する。蛹化の途中で硬直したまま動かなくなったり、羽化したものの胴体が未熟なまま展開しないなど。そういった状態の個体を成虫のケースに入れるとあっという間に食べ尽くされる。生き延びられない個体は死の臭いでもするのか、黒い成虫が四方八方から集まって齧り始める。他方で五体満足な個体は羽化したばかりの状態でケースに入れても食べられることはない。幼虫はまだしも、まだ手足を動かしている羽化したての個体が食べられていく様は正直見ていられない。
 食べる速度は成虫の方が圧倒的に速いが、食べるものの嗜好は成虫も幼虫も同じだ。毎日あれやこれやの野菜屑を与えていると、ある程度の傾向が分かってくる。ミルワームに小松菜の根の部分を与えると、中心の新芽を無視して外側の痛んだ部分から食べ始める。キャベツも葉よりも茎や芯の部分が人気だ。手羽先の骨などはどうやって穴をあけたのか内側まで入り込んで髄まで食べる。しかし一番の人気はブロッコリーの芯だ。人間が食べない硬い茎の部分も縦半分にしてケースに入れておくと、次の日には文字通り皮だけになっている。
 これだけ手間暇かけてミルワームを養殖しているのに、リンさんはちっとも食べようとしない。やはりこうなったら釣りの餌にするしかないな。


今日の英語:Broccoli core

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?