無脊椎動物ウェイター

 現在のところリンさん(ヒョウモントカゲモドキ)に給仕するコオロギは週に1回、1匹に落ち着いた。
 成長期が終わったリンさんにはもうそれほど食の執着がない。我が家にお迎えして1年目である去年は、ミルワームをトレイに入れてケージ内に置いておくだけで食べてくれた。ダスティングしたミルワームを5,6匹、これをケージ内に置き一晩もすれば消えてしまう。これを週に3回、いま思えば何と楽な給仕だった!
 だが今は夏季でも食餌をピンセットで挟んでリンさんの前へ捧げなければならない。ミルワームであればそれも易しいのだが、コオロギは手足の力が強いため簡単ではない。頭部(厳密には頭と胸)はプラスチックのように硬く、胴体は脚の抵抗が強い。どこも掴みづらく、また安定しない状態ではリンさんも食べづらい。試行錯誤してたどり着いたのが、最初に胸と胴の間の「くびれ」部分をピンセットで強く詰まんで絞めるという方法だ。そうすると、死んでいるか生きているかは分からないがとにかくコオロギは動かなくなる。そしてリンさんの前で振り動かすことで召し上がっていただいている。
 ちなみに飼育ケージ内で死んだコオロギはミルワームの餌となっている。これも一晩で鮮やかに消えている。


今日の英語:Strangle

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