晴明スナックタイム
季節の定義は科学から習俗まで様々ある。しかし春秋は実感が曖昧だ。夏冬と違い「真」をつけられるようなピークも無い。ただ野生のトカゲが日向ぼっこをしていたら、もうそれは春ということでいいのではないか。
仕事中の道すがら、植栽のしきりの上でトカゲが日向ぼっこをしていた。およそ11時、陽に暖まったコンクリートが気持ちよかったのだろう。お腹をぺったりとつけて体を伸ばしていた。
私の部屋のトカゲモドキも愛らしいが、流線形のトカゲは美しい。その光沢や細い尾や、私の爬虫類に惹かれる心の原点かもしれない。この大きさであれば余っているプラケースで飼育は可能か?いや野生のトカゲを一瞬の衝動で捕獲するのは、という邪念を察したのか、トカゲは瞬きの速さで植栽の奥へ消えていった。
春は苛烈な夏の前にまどろむ時間。陽の当たる窓の外で猫も体を伸ばす。花は咲き空は霞む。深呼吸よりゆっくりと、甘い空気を深く吸おう。
今日の英語:Snake time