奔流の底に小石を拾う
迷って結局見に行って、掌に眺めて満足する。
およそ十日と少し前、またも口実つけて外出した。電車を乗り継いで行く巨大雑貨屋、そこで開催されている期間限定ショップ。それは生活必需品ではないので懊悩したが、今欲しいものは心の潤い、他に業務で必要なものを買いに行かねばならないと結局出掛けた。
充電し損ねたスマートフォン、バッテリーも空っぽ。飲食店にコンセントはあっても接続できない。どこかで変換プラグを購入せねば。
地下迷宮のような駅。ここに灰が降り積もったら、いつかカッパドキアになるだろうか。
目的の店に辿り着きまずは例の期間限定ショップへ。アクセサリーを中心に扱うそのショップのテーマは天体観測。濃い青・透明・星の色、歯車と天文はロマンだ。とても魅力的とても欲しい、が、横着してピアスすら着けない人間が買っては申し訳ない。でも今しか買えないでも素敵。買うことには応援の意味もある。どうにか身の丈に合ったアイテムを3点購入した。
あとは職場の送別で必要な色紙とプレゼント、小型のカッターナイフ、ポータブル拡大レンズ、爬虫類ケージ掃除用のスコップ型“ふるい”など。他は目で見て満足して帰った。
家電量販店で変換プラグを購入し、喫茶店のコンセントでスマホへ充電。安心して日記を書く。コンセントの有り難さよ。そのうち人間から電力を取り出すことが出来るようにならないだろうか。
手に入れたことに満足し、それを思うだけで満たされる。あの宇宙が私の所有物であるのだと。
今日の英語:Charging