湿地より駆けアスファルトを散歩する #2

 河川敷で遭遇したポニーとその飼い主の女性。以下、その女性よりうかがった馬に関する知識を記す。

○馬のたてがみと尾の毛は、人間の髪の毛と同じで季節で生え変わることはなく伸び続ける(だからバイオリンの弓に使えるのか!)。

○馬は牛と違い反芻しないので糞に栄養が残っている。
そのため馬糞は虫が集まりやすく、北海道ではその虫目当てに狐が集まってくる。

○北海道では乗馬でのトレイルランの大会がある(この女性も参加したことがあるそうだ)。
山中で落馬しはぐれてしまうと、地元生まれの馬は自力で帰還するが、土地勘のない馬は迷ってしまい羆に遭遇してもう帰ってこない。

○やはり北海道には良い馬の牧場が数多くある。
牧場のアイデンティティも様々。厩舎に暖房をつける牧場もあれば、一切空調をつけず馬体も洗わないプリミティブな牧場もある。礼文島には海岸に面した場所で放牧している牧場もあり、そこでは浜に打ち上げられた塩のついた海草を馬と狐が一緒に食べている。

○馬は集団行動の生き物のため、なかなか自発的に行動することができない。
東日本大震災の時、津波が迫ったため厩舎の扉を開け放ったが自分で判断して逃げ出せる馬は殆どいなかった。津波が来なかった牧場でも厩舎から出ないまま餓死する馬も多かった。

○馬を飼育する動物園・牧場・馬愛好家のネットワークがあり、東日本大震災の際は馬も福島から関東各地の飼育場へ避難した。

○馬は特別ニンジンが好きというわけではない。
馬の食の嗜好は個体差が大きい。最終的には新鮮な野草に勝るものはない。

○馬は“歩く”生き物なので飼うのであれば毎日散歩が必要。
よほどの台風の日以外は毎日散歩。馬用のレインコートも存在する。

 そして言葉の端々から溢れる馬への愛。責任を持って関わる人の言葉のなんと眩しいことだろう。

今日の英語:Stable 

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